FC2ブログ

映画 「グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~」

 映画「グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~」は、2020年に公開された日本映画です。太宰治の未完の作品である「グッド・バイ」が舞台化され、それを更に映画化したものが本作品だそうです。舞台と映画とで、小池栄子さんが同じ役を演じているそうです。
 太宰治の作品が元になっているなどと言う小難しいことは全く知らず、単に大泉洋さんが主演だから面白いだろうというそれだけの理由でこの作品を見ました。大泉洋さんが主演する作品好きなんですよね…。
 タイトルにも「喜劇」とあるように、基本的に喜劇なのですが、後半にあっと驚く展開があります。
 それでは以下、映画「グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~」のあらすじを記載します。ネタバレ注意です。

 第2次世界大戦終了直後の日本。永井キヌ子(小池栄子)は、男勝りの女性で、遠くの土地へ出向いて農産物の買い付けを行い、これを東京の闇市の商人に売ることで金を稼いでいました。
 雑誌編集長の田島周二(大泉洋)は、疎開している娘から会いたいとの手紙をもらいました。何故かモテる周二は、十人以上の愛人がおり、娘に会うために愛人と別れたいと思いながら、優柔不断な性格が災いして別れることができずにいました。周二はこのことを作家の漆山連行(松重豊)に相談し、連行は美人の女性を連れて愛人の元を回り、妻だと紹介すれば簡単に分かれられるとアドバイスします。
 その後、周二は路地裏で立小便をしているときに、向かいの壁に穴が開いていることに気付き、穴から中を覗くと女性が着替えをしていました。しばらく周二がこの家の前で待っていると、美しい女性が出てきます。周二はこの女性を尾行しますが、映画館の中で見失ってしまいます。翌日、周二が同じ家の前で見張っていると、薄汚い格好の女性に声を掛けられます。この女性が永井キヌ子で、周二とキヌ子とは知り合いでした。周二の話を聞いたキヌ子は、周二が探している女性が自分だと言います。周二が見張っていた家はキヌ子の家であり、泥を落としたキヌ子の顔は、確かに周二が見た美人の顔と同じでした。周二は、これまで泥だらけのキヌ子の姿しか見たことがなく、美人とは気づいていませんでした。
 周二は、愛人たちと別れるために、キヌ子に自分の妻役を頼みます。キヌ子は、周二が提示した報酬に目がくらみ、妻役を引き受けます。翌日、上品な服装でキヌ子が周二の働く出版社へやってきます。周二は同僚達に疎開していた妻が戻って来たと説明し、部下の清川伸彦(濱田岳)はキヌ子の美しさに見とれます。早速、周二はキヌ子を連れて、愛人の青木保子(緒川たまき)が働く花屋へ向かいます。保子は美しい周二の妻を見てショックを受け、周二は保子のエプロンのポケットに金を突っ込み、「グッドバイ」と別れを告げて、キヌ子と共に去っていきます。
 保子と別れた周二ですが、周二は保子と別れたのは間違いだったのではと悩み始め、連行に相談します。連行は周二の優柔不断さにあきれ、疎開先から子供を呼び戻すためと周二を励まします。周二の妻子の疎開先の近くまで取材旅行で行くことになっていた連行は、周二からのプレゼントを娘に渡し、妻子の様子を見てくることを約束します。また連行は、周二にキヌ子をものにして自分に惚れさせれば、キヌ子に報酬を支払わなくてもよくなるとアドバイスします。このアドバイスを真に受けた周二は、酒とつまみを持ってキヌ子の家を訪れ、飲んでいる途中でキヌ子を押し倒しますが、拒絶されます。怒ったキヌ子は、周二を2階から外へ放り投げます。周二は平謝りし、報酬をちらつかせて何とかキヌ子の機嫌を取ります。
 周二及びキヌ子は、愛人の水原ケイ子(橋本愛)の家へ向かいます。ケイ子は、周二の出版社に絵を持ち込んできた画家で、シベリアから戻って来た乱暴者の兄の水原健一(皆川猿時)と一緒に住んでいます。ケイ子の家の近くまで来たとき、周二は何故か健一が保子と一緒にいるのを目撃します。周二及びキヌ子が2人の様子を伺っていると、ケイ子に声を掛けられます。周二はキヌ子を妻と紹介し、ケイ子は2人を家に案内します。ケイ子の家に入って別れ話を切り出そうとしたとき、健一が戻ってきます。健一は、仕事を辞めて近くに越してきた女性(保子)が男に捨てられたことを苦にして三度も自殺未遂を起こしていることを話し、保子に相手の男を必ず殺してやると約束したと話します。健一はその男が目の前にいる事を知らず、その男と妹との関係も知らず、その男が妹に別れ話をしに来たことも知りません。健一は妹の事をよろしく頼むと周二に言いますが、ケイ子は妻がいると知りながら周二と付き合っていたことを告白し、健一は激怒します。健一が周二に詰め寄ったとき、飛び降り自殺を試みた保子が庭先に落ちてきます。健一は急いで保子を助けに行き、ケイ子は健一が保子の事を愛しているのだと悟ります。
 周二は、愛人との別れがなかなか思うように進まない事を連行に相談します。なぜか連行は、無理して別れなくてもいいのではと周二に言い出します。しかし周二の決意は変わりません。連行は、取材旅行の際に周二の妻子に会いに行き、周二からのプレゼントを娘に渡した事、妻子が元気だったことを周二に報告します。
 キヌ子が周二の職場を訪れると、周二はまだ出社しておらず、周二が寝泊まりしている社内の資料室を教えられます。キヌ子は資料室へ行きますが、資料室に周二はいません。キヌ子が資料室の前で困っていると、配達員がやってきて周二宛ての電報をキヌ子に渡して去っていきます。キヌ子が電報を読んでみると、周二の妻からの別れを告げる内容でした。そこへ周二が食事から戻ってきて、キヌ子はとっさに電報を隠します。今日は女医の大櫛加代(水川あさみ)を別れると周二はキヌ子に言い、キヌ子は隠した電報を周二に見せます。妻からの別れを告げる電報に周二はショックを受け、急に腹痛を訴え始めます。
 キヌ子は、周二を抱えて加代の病院にやってきます。加代は、周二を胃痙攣と診断し、鎮静剤の注射を打ちます。鎮静剤を打たれて眠った周二の横で、キヌ子は妻の振りを続けますが、加代はキヌ子が偽物であることを見抜いていました。加代の元には周二の本当の妻からの手紙が届いており、加代はこの手紙をキヌ子に見せます。手紙には、周二が多くの女性と浮気をしていることが指摘され、周二と別れる決意が記されていました。そして加代も既に周二を見限っており、目を覚ました周二に「グッドバイ」と告げて去っていきます。
 周二が病院にいた頃、出版社にはケイ子が訪れていました。ケイ子は、応対した清川にこの出版社との契約を破棄すると言い、周二あてに「グッドバイ」とメッセージを残して去っていきます。1日に2人から「グッドバイ」と告げられて落ち込む周二は、連行に相談しに行きます。連行はまたもや取材旅行に出ていましたが、ちょうど帰ってきます。しかし連行は周二の妻の静江(木村多江)及び娘の幸子を連れており、幸子も連行に懐いていました。静江は、周二と別れて連行と一緒になると言い、周二が定期的に幸子に会うことも認めませんでした。
 落ち込んだ周二は、全く仕事に身が入りません。そんな周二の元に警察から電話がかかってき、キヌ子が逮捕されたことを伝えます。キヌ子は、同業者の縄張り争いで喧嘩になり、男達を投げ飛ばしていました。周二が迎えに行き釈放されたキヌ子は、腹が減ったと言って周二に食事を御馳走になります。全くめげないキヌ子に対し、周二は落ち込んだまま立ち直ることができません。キヌ子と一緒に食堂にいた周二は、急に持っていたお金をばらまきながら、店を出て行ってしまいます。
 街をトボトボと歩く周二に、占い師(戸田恵子)が声を掛けます。占い師は、女難の相が出ていると周二に言い、近くにいる大食いの女性が周二にぴったりだと占います。占い師に言われてキヌ子の大切さを実感した周二は、急いでキヌ子の元へ向かいます。しかし周二は、占い師が災難が待っていると忠告した道を通ってしまいます。周二はこの道で何者かに襲われ、倒れます。その後、警察により発見された遺体の持ち物から周二の死が確認され、新聞に周二の死が掲載されます。
 二年後。周二に関わった女性達による偲ぶ会が行われ、キヌ子も参加します。会には、周二の妻だった静江及び娘の幸子、静江の夫となった連行、周二の愛人だった保子、ケイ子及び加代、ケイ子の兄であり且つ今では保子の夫となった健一が参加していました。皆が周二の思い出を楽しそうに語り合う中、キヌ子だけは暗い顔でしゃべりません。加代に促されてキヌ子は、二年前に妻の振りをしてみなを騙したことを謝りますが、周二の事を話そうとして詰まってしまいます。キヌ子は、周二のために立派なお墓を建てていました。その後、周二の部下だった清川が遅れて会にやってきます。二年前は地味な男性だった清川は、成金趣味の派手な男性に変貌しており、周二の妻ではなかったと分かったキヌ子にアプローチします。
 とある採石場で重労働に従事していた1人の男が高所から落下して怪我をします。この男は記憶喪失でしたが、頭を打って記憶が戻り、自分が田島周二であることを思い出します。二年前のあの日、周二を襲った強盗は、周二の身ぐるみをはいで持ち去っていました。下着姿で道に倒れていた周二をヤクザが見つけ、記憶喪失になっていた周二をヤクザは採石場へ売り飛ばしました。記憶が戻った周二は、キヌ子を探し、清川の屋敷にたどり着きます。突然現れた周二を見た清川は驚き、周二の死が確認されたときの状況を話します。周二はトラックに轢かれて顔が分からない死体として発見され、死体の持ち物が周二のものであったことから、この死体が周二と判断されました。どうやら、周二の持ち物を奪った強盗がトラックに轢かれて死んだようです。清川は、占い師に勧められて宝くじを購入し、一等を当てて得たお金を基に金貸しを初め、これが大成功して今では大金持ちになっていました。また清川はキヌ子と婚約していました。キヌ子は周二のために立派な墓を借金して建て、その借金を清川が清算して婚約に至りましたが、清川は手も握らしてもらえないと嘆きます。周二はキヌ子に会わせて欲しいと頼みますが、清川は断り、周二を追い返します。
 その後、清川の屋敷に戻って来たキヌ子は、多くの召使に囲まれて清川との結婚式で着るウェディングドレスを試着します。召使の1人が、窓の外から室内を除く不審な男を発見して悲鳴を上げます。その男は、周二でした。周二及びキヌ子は窓ガラス越しに見つめ合い、周二は逃げ出します。キヌ子はウェディングドレスを脱ぎ捨てて周二を追い、周二を捕まえます。周二は清川と幸せにとキヌ子に言い、これを聞いたキヌ子は周二に頭突きします。倒れた周二に対してキヌ子は好きか嫌いかを問い、周二は好きだと答えます。周二及びキヌ子は固く抱き合います。

 以上が、映画「グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~」の物語です。
 映画のタイトルに「喜劇」とあるので、爆笑の連続を期待して見たのですが、それほど笑いが続くというような映画ではありませんでした。大泉洋さんに期待し過ぎて笑いの基準を高めてしまったのかもしれませんが。普通にダメ男の人生を描いたドラマでした。
 個人的に大泉洋さんは好きなのですが、この物語にはもっと二枚目の俳優が周二を演じた方がよかったのではないかと思えました。多くの愛人を抱えているという設定に、大泉洋さんの周二では納得できない、と言うと失礼ですが。私の勝手なイメージでは、要潤さんとかかな。
 同じような理由で、キヌ子も小池栄子さんでは…。小池栄子さんが美人ではないとは言いませんが、多くの愛人を納得させる程の美人ではない、と言うと失礼ですが。このへんは個人の好みがあるでしょうが、愛人役として登場した他の女優さんも美人揃いだったので、この愛人達に勝る美人でないと、物語として辻褄が合わないように思えました。キヌ子役をもっととびぬけた美人が演じるか、逆に愛人達をレベルを下げるかしてバランスを取る必要がありそうです。
 映画としては、前半は普通くらいの面白さで見ることができますが、やや先が読めてしまう展開でした。愛人と別れたのに妻に捨てられて最後にキヌ子とくっつくんだろ、って誰でも想像する展開を忠実に進んでいくもので。
 ところが終盤にいきなり周二が殺される(実は生きていましたが)という衝撃の展開に。これは予想外過ぎて、一気に目が覚めた気分でした。映画を見る頭の中が喜劇モードからミステリーモードに切り替わり、これは清川が周二を殺してキヌ子を自分のものにしようとしたのでは…、キヌ子が清川が犯人と見抜いて復讐するのでは…、とか勝手に先走って想像してしまいました。結果は大ハズレでした。周二が記憶喪失になっていたという結果だったわけですが、ありきたり過ぎてがっかりでした。この結果からすると、この周二が殺されたと誤解させる展開は本当に必要だったのか?と疑問を感じました。
 総合的に見ると、可もなく不可もなしの、普通くらいの面白さだったかなと個人的に思います。




太田垣康男 「機動戦士ガンダムサンダーボルト」 第17巻

 太田垣康男さんの「機動戦士ガンダムサンダーボルト」第17巻は、2021年3月に発売されています。
 前巻では、宇宙へと脱出したダリル達が陸戦用のサイコザクにフルアーマーガンダムの外装をかぶせて宇宙用に改装し、「パーフェクトガンダム」を作り上げました。ダリル達はパーフェクトガンダムで連邦軍のルナツー基地へ潜入し、ここに保管されていたジオン軍のモビルアーマーのブラウ・ブロを奪って逃走しました。
 一方、サイコザクを追って宇宙へ上がったイオ達は、鹵獲したジオングを改修した「パーフェクトジオング」を作り上げていました。パーフェクトジオングは2人乗りで、イオが操縦を行い、サイコミュ制御を双子ニュータイプの生き残りのリリーが行う仕組みに改装されています。
 最終決戦はパーフェクトガンダム対パーフェクトジオングの戦いとなる雰囲気です。しかも、連邦側がジオングで、ジオン側がガンダムと言う逆転の組み合わせです。流石に、今巻ではこの対決は実現せず、もう少し先になりそうですが。
 それでは以下、「機動戦士ガンダムサンダーボルト」第17巻の物語です。ネタバレ注意です。

 サンダーボルト宙域の廃棄コロニーでは、南洋同盟によるサイコ・ザクの訓練が極秘裏に行われていました。ジオン共和国強襲ソーラレイ奪取計画、通称「マイトレーヤ作戦」を想定した訓練です。その日、サイコ・ザクの7号機にビビ・ベンソン、5号機にハンク、6号機にエイプリルが搭乗して訓練が行われ、好成績で訓練を終えます。その後、このコロニーに連邦軍の艦隊が接近している事が観測されます。距離は遠く、単なるデブリ除去作業のようでしたが、念のためにビビがサイコ・ザクで偵察に出る事になります。ビビのサイコ・ザクは、4機のガルバルディαと共に出撃します。慎重に連邦軍の艦隊に接近したビビ達は、艦隊がダミーである事に気付きます。付近には連邦軍の小型偵察ドローンがおり、サイコ・ザクの発見が連邦軍のモニカ参謀に伝えられます。
 罠と知ったビビ達ですが、撤退すれば基地の場所を特定される恐れがあるため、敵を迎え撃つ事を決めます。ビビ達が周囲を警戒していると、どこからか現れた「腕」から放たれたメガ粒子砲で1機のガルバルディαが破壊されます。そして1つの戦艦のダミーが破裂し、中からジオングが現れます。そしてジオングの出現と共にジャズが聞こえてきます。ビビは、相手がイオ・フレミングであることを悟ります。
 ジオングのコクピットには、イオと、ニュータイプの少女リリーとが乗り込んでいました。ジオングが次に放ったメガ粒子砲は、一機のガルバルディαを撃墜します。ビビは、残りの二機のガルバルディαに逃げるよう命じ、サイコ・ザクでジオングに挑みます。スピードは僅かにサイコ・ザクが上のようでした。
 重武装での二機の激しい撃ち合いが起こり、この光は廃棄コロニーにある南洋同盟の基地でも観測されます。通信が不可能な距離にあるため、基地では状況が把握できていませんでした。ハンク及びエイプリルがそれぞれサイコ・ザクで出撃する準備に入ります。しかし、廃棄コロニーに接近してきたデブリから連邦軍の四機のモビルスーツが現れます。ビアンカのアトラスガンダム、デント及びオルフェの二機のガンダムヘッド、アリシアの鹵獲ゲルググで構成されたトラスト部隊です。二機のサイコ・ザクが出撃し、スピードで不利と判断したトラスト部隊は、廃棄コロニー内へ逃げ込んで市街戦に持ち込みます。
 二機のガルバルディαは、ダミーの戦艦を牽引していた戦闘機達を攻撃します。戦闘機達はダミーを破棄して撤退し、ガルバルディαはそれを追います。戦闘機が逃げた先には巨大なコロニー残骸があり、コロニー残骸は移動していました。コロニー残骸の近くには、モニカ参謀達が乗る連邦軍の空母ビーハイヴⅡがおり、コロニー残骸を衝突させる作戦を進めていました。二機のガルバルディαは空母を墜とそうと接近しますが、クリード大尉及びソニアのガンタンクが二機を撃墜します。コロニー残骸は南洋同盟の基地がある破棄コロニーへ衝突するコースに入ります。
 ジオング及びサイコ・ザクの戦闘空域に移動するコロニー残骸が接近します。ビビはコロニー残骸に一瞬気を取られ、この隙をついたジオングの攻撃はサイコ・ザクのバックパックを破壊します。しかしジオングに乗るリリーは戦闘の負荷でダメージを受け、ジオングのオールレンジ攻撃が使えなくなってしまいます。ビビはバックパックを切り離してジオングに特攻し、イオはジオングをサイコ・ザクから離脱させようとします。二機が高速で移動する中、リリーが危険を察知し、イオはとっさにジオングに回避行動をとらせます。これによりジオングは接近していたデブリを避け、サイコ・ザクはデブリに激突します。動きが止まったサイコ・ザクにジオングはメガ粒子砲を放ち、サイコ・ザクは爆発します。ビビは死亡し、イオ及びリリーはビアンカ達の援護に向かいます。
 南洋同盟の基地がある廃棄コロニー内では、トラスト部隊とサイコ・ザクとの砲撃戦が行われていました。砲撃戦ではサイコ・ザクの機動力は全く生かせず、弾薬も尽きようとしていました。そのとき、この廃棄コロニーに、連邦軍が移動させたコロニーの残骸が激突します。廃棄コロニーは真っ二つに折れ、エイプリルのサイコ・ザクは瓦礫に挟まれて身動き出来なくなります。ハンクのサイコ・ザクがエイプリルを救出しようと近付いたとき、アトラスガンダムが放ったビームがエイプリルのサイコ・ザクを貫き、サイコ・ザクは爆発します。ハンクのサイコ・ザクがトラスト部隊へ突撃しますが、そこへ現れたジオングのビームサーベルで切断されて爆発します。
 その頃、地球の南洋同盟領地にある学校では、ハンクの娘エミリー及びビビの息子アレックスを含む子供達が勉強していました。エミリーは、「私のお父さん」という作文を発表します。その作文には、最近会えないお父さんに会いたいという思いが込められていました。
 ジオング及びトラスト部隊は、母艦ビーハイヴⅡへ帰投します。艦内では、1人の死者も出さずに作戦を成功させた完全勝利に湧いていました。

 以上が、太田垣康男さんの「機動戦士ガンダムサンダーボルト」第17巻の物語です。
 サイコ・ザクを三機も撃墜するという連邦軍側の圧勝で終わりました。しかし連邦軍側はジオングを使い、残骸とは言えコロニー落としを決行するという、なりふり構わない強引な攻めでした。戦闘終結後の連邦軍側のはしゃぎっぷりが何だか異様で、狂気を感じさせるものでした。これは近いうちに連邦軍側に大量死が発生する前振りのように思えてなりません。
 前巻がダリルのパーフェクトガンダムの強さを見せ付ける回。今巻がイオのパーフェクトジオングの強さを見せ付ける回。両陣営の戦力が出揃ったというところでしょうか。でも、サイコ・ザクの在庫はまだまだあるので、南洋同盟が優勢でしょう。
 物語の流れとしては、南洋同盟によるソーラレイ奪取計画が次の大きなイベントになりそうです。次巻か、更に先か・・・楽しみですね。




ウォーハンマー 「”大胆なる”オブリン」 塗装完成

 「ウォーハンマー・アンダーワールド:シェイドスパイア」のウォーバンド「スティールハートの勇士たち」の一員である「”大胆なる”オブリン」の塗装を行いました。以前に塗装した「アンガラッド・ブライトシールド」と同じ塗料での塗装であり、金色戦士のミニチュアの塗装も4体目という事もあって、サクサクっと塗り終えることができました。
 それでは以下に、「”大胆なる”オブリン」の塗装に使用した塗料をまとめます。「アンガラッド・ブライトシールド」とほぼほぼ同じです。下地の黒色はスプレー、それ以外は筆塗りです。ほぼ、塗装した順番で塗料名を記載します。

(1)下地塗装
全体:Chaos Black(スプレー)

(2)ベース塗装
金色部分:Retributor Armour(ベース)
青色部分:Kantor Blue(ベース)
黒色部分:Abaddon Black(ベース)
銀色部分:Leadbelcher(ベース)
ひらひら:Rakarth Flesh(ベース)
武器持ち手:Screamer Pink(ベース)
白色部分:Celestra Gray(ベース)

(3)シェイド塗装
金色部分:Reikland Fleshshade(シェイド)
ひらひら:Agrax Earthshade(シェイド)
その他:Nuln Oil(シェイド)

(4)レイヤーor再ベース塗装
金色部分:Auric Armour Gold(レイヤー)
青色部分:Alaitoc Blue(レイヤー)
銀色部分:Leadbelcher(ベース)
ひらひら:Pallid Wych Flesh(レイヤー)
武器持ち手:Pink Horror(レイヤー)
白色部分:Ulthuan Grey(レイヤー)

(5)エッジハイライト塗装
金色部分:Liberator Gold(レイヤー)
青色部分:Hoeth Blue(レイヤー)
銀色部分:Stormhost Silver(レイヤー)
ひらひら、白色部分:White Scar(レイヤー)
黒色部分:Eshin Glay(レイヤー)
武器持ち手:Emperor's Children(レイヤー)

(6)台座
顔:Retributor Armour(ベース)
   →Reikland Fleshshade(シェイド)
土等:Rhinox Hide(ベース)
岩等:Mechanicus Standard Grey(ベース)
葉っぱ等:Loren Forest(レイヤー)
 ↓
顔以外の全体:Agrax Earthshade(シェイド)&Athonin Camoshade(シェイド)をまだらに
 ↓
全体:Screaming Skull(レイヤー)でドライブラシ
 ↓
台座の縁:Abaddon Black(ベース)

 それでは以下に完成写真を掲載します。

fc2blg0828_figa.jpg

fc2blg0828_figb.jpg

fc2blg0828_figc.jpg

fc2blg0828_figd.jpg

fc2blg0828_fige.jpg

fc2blg0828_figf.jpg

fc2blg0828_figg.jpg

fc2blg0828_figh.jpg

fc2blg0828_figi.jpg

fc2blg0828_figj.jpg

fc2blg0828_figk.jpg

 塗装て順は「アンガラッド・ブライトシールド」とほぼ同じなので、迷う箇所もなく、サクサクと塗装を進める事が出来ました。ミニチュア1体に必要な塗装時間がだいぶ短縮されたように思います。完成度が高まっているのかと言われると、微妙ですが。
 「スティールハートの勇士たち」の2体の塗装が終わり、残すはリーダーであるスティールハートのみ。あと少しでウォーバンド完成です。

fc2blg0828_figl.jpg

 早く塗装してウォーバンドを完成させてあげたいところですが、スティールハートには素顔という難関が控えています。
 これまでに塗装したストームキャスト陣営の4体を並べてみるとこんな感じです。

fc2blg0828_figm.jpg

 いい雰囲気になってきました。20~30体くらい並べたら爽快な気分になりそうです。でも、似たようなミニチュアばかり塗装しても面白くないですしね。悩ましいところです。予算も時間も限られていますので。


鈴木央 「七つの大罪」 第29巻

 鈴木央さんの漫画「七つの大罪」第29巻は、2017年12月に発売されています。
 前巻では、メリオダス及びエリザベスに呪いがかけられている事が明かされました。エリザベスは、転生を繰り返しており、過去の記憶が戻ると3日後に死ぬ運命です。そしてエリザベスの記憶が戻ってしまいました。3日のカウントダウン開始です。
 <十戒>メラスキュラの暗澹の繭から脱出するために魔力を解放したメリオダスは暴走し、<十戒>の統率者だった頃のメリオダスに戻りました。メリオダスの暴走を止めるべくエスカノールが戦いますが、メリオダスはエスカノールをもしのぐ強さでした。
 今巻はメリオダス対エスカノールの戦いの続きからです。エリザベスに残された3日間のうち、この巻ではどのくらいの時間が経過するのでしょう?
 それでは以下、「七つの大罪」第29巻のあらすじを記載します。ネタバレ注意です。

 <十戒>統率者だった頃に戻ったメリオダスは、エスカノールを圧倒します。しかしエスカノールは、日が昇るに連れて強くなり、正午から一分間だけ無敵の「天上天下唯我独尊」状態となります。この状態となって初めてエスカノールはメリオダスに大ダメージを与える事ができました。メリオダスは力尽きて倒れます。
 メラスキュラを倒した事で、キャメロットを覆う次元の歪みはなくなりました。キャメロットへ攻め込むチャンスですが、メリオダスが倒れた現状では難しく、エリザベスがメリオダスを治療する事は可能ですが、メリオダスが再び襲いかかってくるリスクがあります。何とかメリオダスに勝利したエスカノールですが、戦闘でのダメージは大きく、倒れてしまいます。マーリンは、目覚めれば襲いかかってくるメリオダスを完璧なる立方体に封じ込める事を決めます。エリザベスは、自らの希望で、メリオダスと共に完璧なる立方体内に閉じ込められます。記憶が戻ったエリザベスの命は残り3日しかなく、マーリンは、<七つの大罪>がこのままキャメロットへ向かい、その間にエスカノールの回復を待つと共に、メリオダスを元に戻す方法を考える事にします。途中でゼルドリスや魔神達が襲ってくる可能性もありますが、そのときにはキング、ディアンヌ及びゴウセルが対応します。闘いのレベルが上がった現在では、バンは何も出来ず、その事で悩んでもいました。
 その頃、マーリンの使い魔オルロンディは、キャメロットで魔神達から逃げ隠れして過ごしていました。そしてオルロンディは、キャメロットの王であるアーサーと出会います。アーサーは、完全に気配を殺し、魔神達に感づかれる事なくキャメロット領内を探索していました。アーサーは、人の言葉を話すまん丸な猫、キャスを連れています。アーサーは、オルロンディを連れて地下の隠れ家へ戻ります。そこには生き残った多くのキャメロット国民が隠れて生活していました。アーサーは、この隠れ家で剣士ななしの下で修行し、魔神達を軽く倒せるまでの実力を得ていました。ななしは、そろそろ作戦を実行する時期だとアーサーに言います。作戦とは、「聖剣エクスカリバー」を取り返すというものでした。
 キャメロット王城のある場所には、聖剣エクスカリバーが床に刺さっており、ゼルドリスでも抜くことは出来ませんでした。剣自身が認めた者のみが、この剣を抜いて使うことができるようです。ゼルドリスの元には、毎日魔神達が殺され、何者に殺されたのかもわからないという報告が続いていました。これはアーサーが犯人ですが、魔神達はアーサーの気配すら感じる事が出来ていませんでした。
 煉獄にいる父からゼルドリスに遠話が入り、魔神王が目覚めるとゼルドリスに告げます。この目覚めるとされる魔神王は、父ではなく、ゼルドリスの兄、即ちメリオダスの事でした。父はゼルドリスにメリオダスの奪還を命じます。ゼルドリスは、裏切り者のメリオダスを魔神王とする事に反対しますが、父はゼルドリスの意見を認めません。また父は、<七つの大罪>も皆殺しにするよう命じます。ゼルドリスは<十戒>にキャメロットへの集結を呼びかけますが、誰からも応答はありません。ガランはエスカノールに倒され、グレイロード及びメラスキュラは魔力を失ってマーリンの実験サンプルとして保管され、フラウドリンはメリオダスに倒されています。
 モンスピート及びデリエリは、生きていましたが、ゼルドリスの呼び掛けを無視していました。モンスピート及びデリエリは、メリオダスが自分達を殺さなかった理由に気付いており、人間と共に生活し始めていました。
 しばらくしてグロキシニア及びドロールがゼルドリスの呼び掛けに応答します。しかし2人は<十戒>からの離脱をゼルドリスに告げ、2人から戒禁の能力がなくなります。
 エスタロッサはエスカノールとの闘いで受けたダメージから未だ回復していません。<十戒>で活動可能なのは、既にゼルドリス1人になっていました。ゼルドリスは1人で<七つの大罪>と闘うことを決めますが、そこへ2人の上位魔神が現れます。<うたた寝の死神>と呼ばれ、ゼルドリスの師匠でもあるキューザックと、<おしゃぶりの鬼>と呼ばれ、メリオダスの師匠でもあるチャンドラーでした。チャンドラーは、メリオダスをこよなく愛しており、メリオダスを奪還する任務と聞いて1人で飛び出して行きます。残されたキューザックは次期魔神王はゼルドリスが相応しいと言い、ゼルドリスも当然だと答えます。治療中のエスタロッサは、2人の話しを耳にし、もう1人の兄を差し置いてと文句を言います。キューザックは、腹の内を読めないエスタロッサを不気味に思っていました。
 <七つの大罪>は、ホークママに乗って移動していました。突然、辺りが昼から夜に変わり、何者かの魔力が取り囲んでいるとマーリンが仲間達に警告します。一瞬、周りに気を取られたマーリンがメリオダス及びエリザベスを封じ込めた完璧なる立方体へ視線を戻すと、立方体に誰かが張り付いてメリオダスを見つめていました。チャンドラーは、立方体の中にメリオダスと共にいるエリザベスを見て、殺すと呟きます。
 キャメロット王城に残ったキューザックに対してゼルドリスは<七つの大罪>を甘く見るなと忠告しますが、キューザックは<おしゃぶりの鬼>は健在だから御安心をと答えます。
 チャンドラーは、マーリンが張った完璧なる立方体を絶対強制解除でたやすく解除してしまいます。マーリンは魔力封じの呪文をチャンドラーに放ちますが、チャンドラーは「全反撃」でこれをマーリンに返します。「全反撃」はメリオダスの得意技ですが、この技をメリオダスに教えたのがチャンドラーでした。魔力封じを受けたマーリンは、少女の姿になります。この姿を見たチャンドラーは、マーリンがベリアルインの娘だと気付きます。その時、巨人ディアンヌの手が外から<豚の帽子>亭の中に差し込まれ、メリオダス及びエリザベスを外へ掴み出します。それを追って外へ出たチャンドラーに対し、キング、ディアンヌ及びゴウセルの3人が対峙します。ゴウセルは、この敵が最上位魔神チャンドラーであり、メリオダスの師匠である事を知っていました。チャンドラーは、メリオダス及びエリザベスを渡せば見逃すと言いますが、ディアンヌは即答で断ります。チャンドラーは、「極微」の術でディアンヌを小人サイズに縮めます。マーリンは、エスカノールに助けを求めようとしますが、周囲は完全に夜となっており、エスカノールは最弱の姿でした。チャンドラーは、「隕星」の術で周囲に無数の隕石を落下させて攻撃します。キング及びゴウセルは、力を合わせて合技「天空の光弓」を放ちます。チャンドラーの「全反撃」を空振りさせた隙をついて「天空の光弓」を直撃させる事に成功します。その後、この戦闘に多くの下級魔神達が引き寄せられて集まってきたため、キングはこれらをまとめて攻撃します。しかしこのキングの攻撃は、チャンドラーの「全反撃」で全てキングに戻ってきます。下級魔神達はチャンドラーが作り出した幻覚でした。「天空の光弓」の直撃は、チャンドラーの魔法防御壁を消し去りましたが、本体にはかすり傷を与えただけでした。チャンドラーは「絶対強制命令」の術をゴウセルにかけ、ゴウセルはチャンドラーの命令に逆らうことが出来なくなります。邪魔者がいなくなり、チャンドラーはメリオダス及びエリザベスの元へ向かいます。意識のないメリオダスを庇うエリザベスにチャンドラーが攻撃しますが、身体を重金属化したディアンヌがこの攻撃を防ぎます。チャンドラーは、重金属化したディアンヌの身体を溶かすべく、「真紅の葬送」の術をディアンヌに向けて放とうとします。傷付いていたキングがディアンヌを庇い、チャンドラーはこれを意に介さす術を放ち、周囲は高温でドロドロに溶かされます。しかし、バンがキング、ディアンヌ、エリザベス及びメリオダスを抱えて逃げ、チャンドラーの術を回避します。怒るチャンドラーは、自分の魔力消耗が激しい事に気付きます。キング及びゴウセルの合技を受けた影響でした。チャンドラーは、この程度のハンデは関係なく、更に攻撃を繰り出して来ます。キング、ディアンヌ及びバンが連携して何とか食い止めますが、次第にチャンドラーの攻撃を防ぎきれなくなってきます。
 ゴウセルは、チャンドラーにかけられた「絶対強制命令」の為に動けずにいました。この術は、チャンドラーの右手に描かれた術印がある限り、効力を発揮します。それを聞いたホークは、戦いに夢中なチャンドラーに隠れて近付き、チャンドラーの右手を舐めて術印を消します。またエリザベスは、チャンドラーとの戦いで傷付いたキング達を治療して回復させます。回復したキングはチャンドラーに攻撃を放ち、チャンドラーはこれを全反撃でキングへ返します。しかし全反撃はキングをそれます。キングの攻撃と同時にゴウセルがチャンドラーを攻撃しており、この攻撃がチャンドラーの全反撃をそらせたようです。この隙にキングは再びチャンドラーを攻撃し、チャンドラーはキングの渾身の攻撃を受けて腹部に大穴が開き、倒れます。
 チャンドラーを倒して一同は安心しますが、ゴウセルが倒れます。ゴウセルの身体は大きなダメージを受けており、エリザベスもゴウセルを回復させる事ができません。ホークが消したと思われた「絶対強制命令」の術印は残っており、術の効力が残っているにも関わらずチャンドラーを攻撃した事でゴウセルは大きなダメージを負ってしまいました。
 そして、倒したと思ったチャンドラーが立ち上がります。チャンドラーは、これまで老人のような姿でしたが、魔神族の姿へと変化していき、腹部の穴も塞がります。キングは、魔神化したチャンドラーから感じる魔力から強さの次元が違う事を悟ります。キングは、バンに仲間達を連れて逃げるよう言い、死を覚悟して時間稼ぎのためにチャンドラーの足止めをしようと考えます。
 そこへ、<七つの大罪>を助けるべく、元<十戒>のグロキシニア及びドロールが現れます。2人は、<七つの大罪>にブリタニアの明日を託して、チャンドラーとの戦いに挑みます。

<番外編:呪いの婚約>
 聖騎士ギルサンダーを誘拐した魔術師ビビアンは、ギルサンダーに対して魔法を使うと、全身に苦痛と痣とをもたらす呪いが込められた婚約指輪を、師匠により嵌められていました。身体の痣は呪いの発動と共に広がっていき、最後には全身が痣に覆われてビビアンは死亡する事になります。
 見たことのない場所に連れて来られたギルサンダーは、ビビアンにここがどこかを尋ねますが、ビビアンは誰も知らない秘密の場所としか答えません。ギルサンダーは、指輪の呪いを発動させる言葉「レマーダ」を教えられており、この言葉を唱えます。しかしビビアンは、ギルサンダーによって与えられる苦痛を喜んでおり、呪いとしての効果はありませんでした。

 以上が、鈴木央さんの「七つの大罪」第29巻の物語です。
 <十戒>がかなり減った所で、更に強い敵が登場してしまいました。少年漫画のお約束の展開ですが・・・。確かにチャンドラー&キューザックは強いようですが、あまり長持ちしそうになさそう。この2人は何となく雑魚っぽく、エスタロッサの方が強敵っぽい雰囲気があります。ゼルドリスは、何となく、寝返りそうな雰囲気があります。メリオダス及びゼルドリスが協力してエスタロッサと戦うみたいな展開かなー。まぁ、私の勝手な予想ですので、気にしないで下さい。
 <七つの大罪>の危機に、グロキシニア及びドロールが助けに現れました。チャンドラーとの戦闘は次巻に持ち越しとなりましたが、何だかグロキシニア及びドロールが死んでしまいそう・・・。2人がチャンドラーを道連れに自爆するとか・・・、それでもチャンドラーは生きてるとか・・・、そんな展開が待っていそう。
 かなり物語は佳境に思えますが、完結は第41巻らしく、まだ10冊以上残ってます。更に強い敵が登場したりするんでしょうね・・・。

 

マーガレット・ワイス&トレイシー・ヒックマン 「ドラゴンランス 魂の戦争」第1部「堕ちた太陽の竜<中>」

 マーガレット・ワイス&トレイシー・ヒックマンの「ドラゴンランス 魂の戦争」第1部「堕ちた太陽の竜」中巻です。
 ドラコンランスの新たなシリーズ「魂の戦争」。前作「夏の炎の竜」から38年後を描く今作は、これまで中心人物だったキャラモンの死、そして死んだはずのタッスルホッフの登場、たくさんの新キャラクタの登場と、なかなか物語についていくのが大変です。今のところは、シルヴァノシェイを中心とするシルヴァノシェイでの物語、ミーナを中心とするネラーカ騎士団の物語、タッスルホッフ及びジェラードを中心とするクオリネスティでの物語の3つに大きく分ける事が出来そうです。ミーナはシルヴァネスティを目指すようなので、今後はミーナ及びシルヴァノシェイの物語が合流する可能性が高そうです。また、ローラナ、ゴールドムーン、ダラマールなどの第一世代のキャラクタや、パリン、ギルサス、ウーシャなどの第二世代のキャラクタもまだ生きているようで、今後の登場が期待出来そうです。
 それでは以下、マーガレット・ワイス&トレイシー・ヒックマン「ドラゴンランス 魂の戦争」第1部「堕ちた太陽の竜<中>」のあらすじを記載します。ネタバレ注意です。

 シルヴァノシェイは、キラースのローランと共にシルヴァネスティの首都シルヴァノストを目指していました。ローランの仲間達は、先行して王位継承権者シルヴァノシェイが現れたとの噂を国中に流しています。このためシルヴァノシェイは、旅の途中で人々に注目され、歓迎されます。
 首都シルヴァノストでは、実質的な権利を握っているレイル・コナル将軍が宴を開いていました。シルヴァノストにも既にシルヴァノシェイの噂は伝わっていました。コナル将軍は、魔術師のグローカスとこの噂について話し合います。グローカスは、シルヴァネスティに<シールドの樹>を植える事で、シルヴァネスティを囲むシールドを作り出した魔術師です。グローカスは、コナル将軍の助言者であり、エルフの中でも特に美しく、人々の人気を集める存在です。近年、この世界の魔法の力は弱まり続けており、コナル将軍はシールドが弱まっているのではと懸念しますが、グローカスはそれを否定し、シルヴァノシェイがシールドを突破したのは自分が入れたからだと話します。グローカスは、これまでコナル将軍の甥のキリンを評議長にするよう勧めていましたが、キリンは受け入れませんでした。グローカスは、シルヴァノシェイを評議長にしてコナル将軍が実質的に支配権を持つ事で政情不安も収まると話します。そしてグローカスは、自分をシルヴァノシェイの摂政に推薦するようコナル将軍に求めます。
 サンクションの近郊で待機しているネラーカ騎士団では、ミーナが<唯一神>の力で負傷者を治療し、ミーナの支持者は増加していました。ガルダー及び騎士達は、ミーナがミルズ卿からサンクション包囲戦を引き継ぎ、勝利へ導いて欲しいと考えていましたが、ミーナは、サンクションに関心はなく、より大きな武勲に導かれると話します。その後、<夜卿>タルゴンヌに報告へ向かったミルズ卿の部下ジェレクが戻ってきます。タルゴンヌからの命令書を受け取ったミルズ卿は自害します。ジェレクはミーナにもタルゴンヌからの命令書を渡し、命令書にはミーナによるシルヴァネスティの征服が命じられていました。ミーナは、志願者から精鋭500人を集めてシルヴァネスティ征服の部隊とし、残りをサンクション包囲の部隊とします。またタルゴンヌがサンクション包囲を引き継ぐよう命じていたドガー将軍に対して、シルヴァネスティへ向かうよう命じる偽の命令書を作り、ガルダーに命令書をドガー将軍に届ける事を命じます。
 タッスルホッフ及びジェラードは、クオリネスティの森の近くまでやってきます。しばらく進むと、この地域を支配している大緑竜ベリルが2人の頭上に現れます。ベリルは2人を観察して去って行きます。その後、2人はクオリネスティの国境となっている河に至り、河を渡る橋は暗黒騎士とエルフの警備兵に守られています。<混沌戦争>の後、暗黒騎士はベリルと手を結んでクオリネスティを支配しています。暗黒騎士に変装しているジェラードは、暗黒騎士団の魔法使いから秘宝を盗み出した罪で捕らえられたケンダーを護送していると言って警備兵を騙し、橋を渡る事に成功します。その後、ジェラードはクオリネスティの首都クオリノストの近くまで来て夜営をします。ジェラードが寝たふりをしていると、エルフ及びフードを被った人間が2人を襲います。捕まったジェラードがエルフに殺されそうになり、タッスルホッフはジェラードが暗黒騎士ではなくソラムニア騎士である事を話します。ジェラードの名を聞いた人間は、ジェラードの事を知っており、エルフを止めます。この人間は、ジェラード及びタッスルホッフを連れて行く事をエルフに命じます。
 その頃、クオリネスティの首都クオリノストでは仮面舞踏会が行われていました。仮面舞踏会は、タニス及びローラナの息子であるギルサスが<太陽の評議長>に就任して以降に定着した行事でした。クオリネスティの実権を握っているパルサイノン長官は、仮面舞踏会にギルサスの結婚相手の候補を集めていましたが、身体の弱いギルサスは早々に部屋へ戻ってしまいます。仮面舞踏会には、ネラーカ騎士団のメダン元帥も招待されていました。ネラーカ騎士団がクオリネスティを征服して以降、メダン元帥は厳格な統治を行っていますが、これは大緑竜ベリルからクオリネスティを守るためでもあり、メダン元帥はクオリネスティやエルフ達を好意的にみていました。ローラナがメダン元帥に話し掛け、2人は優雅な会話の中で、互いに牽制し合い、探り合いの駆け引きをします。メダン元帥はエルフの抵抗組織の活動を止めさせるべきと言い、ローラナは自分に関わりのないことだとしらを切ります。その頃、体調が良くないと自室へ戻ったギルサスは、従者のブランチェットに後を任せて、王宮を抜け出します。
 タッスルホッフ及びジェラードは、エルフ達によって洞穴に連れて来られます。エルフ達に命令していた人間は、被っていたフードを外して素顔を見せます。この人間はパリン・マジョーレでした。<混沌戦争>の後、パリンはソレースに<魔法学院>を開きました。しかしこの世界で魔法の力が衰え始め、大緑竜ベリル及びネラーカ騎士団の魔術師達が魔法の力の衰えを<魔法学院>の仕業と考え、<魔法学院>を襲撃してパリンを捕らえて拷問しました。その後にパリンは解放されますが、拷問で指はねじ曲がり、身体はやつれ果てていました。ジェラードは、キャラモンの死を告げると共に、クオリネスティへやってきた経緯を話します。パリンは、洞穴の奥へ進んでローラナの家へと移動し、ジェラードと共に捕らえたケンダーと対面します。パリン及びローラナは、ケンダーが本物のタッスルホッフである事に驚きます。
 パリンは、タッスルホッフが持つ魔道具が本物の時間航行装置である事を確認し、タッスルホッフに事情を聴きます。その昔にタッスルホッフは、キャラモンの葬式で演説するためにフィズバンから時間航行装置を借りて未来のキャラモンの葬式に参加しました。その時にタッスルホッフは葬式が終わった後に到着したため、演説ができませんでした。このときの葬式には、パリンや多くの仲間達が葬式に参加していました。このときのパリンは、白ローブの魔術師の長になっていました。葬式が終わってタッスルホッフは元の時代へ戻ります。その後に<混沌戦争>が起こり、巨人がタッスルホッフを踏み潰そうとしたとき、タッスルホッフは時間航行装置をもう一度使ってキャラモンの葬式が行われる未来へ飛びました。タッスルホッフが参加した二度目の葬式は一度目のものとは全く異なっていました。パリンは、タッスルホッフが一度目に訪れた平和な未来が、「そうなったかもしれない」未来の1つであり、どこかで未来が変わってしまったのだと考えます。パリンは、時間航行装置の事をもっとよく知るために、ダラマールに会う必要があると考えます。ダラマールは行方不明で生死不明でしたが、恋人だったイエンナなら何かを知っているのではとパリンは考えます。パリンは、生きている魔道具を使ってイエンナに連絡をとり、ソレースで落ち合う約束をします。ローラナはグリフォンに乗ってソレースまで行く事を提案し、パリン、タッスルホッフ及びジェラードの3人がソレースへ向かう事になります。
 大緑竜ベリルの元にエルフの密偵から情報が入ります。ローラナの家に隠れているパリンが魔法の秘宝を手に入れ、これを調べるためにグリフォンでソレースへ向かうという情報でした。ベリルは、メダン元帥にパリンを捕らえる命令を出すと共に、自らも何か手はずを整えます。
 クオリネスティから抜け出したギルサスは、パックス・タルカス砦に近いどぶドワーフが経営する<がぶがぶげっぷ>亭の地下室にいました。ここは、メダン元帥も手を焼いているエルフの抵抗組織カンサーリ団の隠れ家でした。抵抗組織のリーダーは雌獅子(ライオネス)と呼ばれる女戦士ケリアンで、ケリアンはギルサスの秘密の妻でもありました。ケリアンは、<野生エルフ>カゴネスティのエルフであり、クオリネスティのラシャス元老員議員の家の奴隷でした。ギルサスがラシャス元老員議員の家に幽閉されていたときに2人は知り合い、後に結婚しました。ただし、結婚を知っているのはローラナ及びブランチェットの2人だけです。隠れ家へやってきたギルサスに、ケリアンは、シルヴァネスティの近くでアルハナ軍とオーガー軍との戦闘があり、<スティール軍団>の救援で何とかアルハナは生き残りましたが、シルヴァノシェイが行方不明となっており、既に死亡しているとみなされているという情報を伝えます。ギルサスは、この隠れ家でトラヴァルディンのドワーフの王であるターン・ベロウグラナイトと面会します。ギルサスは、クオリネスティの人々をクオリネスティから脱出するためのトンネル作りをターン王に依頼しており、ターン王は既にクオリネスティの近くまで地下トンネルを掘り進めていました。ドワーフ達は、ウルカンと呼ばれる巨大なミミズのような生物を使ってトンネルを掘っており、あと二週間程度でトンネルは完成する予定でした。ターン王との会見が終わり、ギルサスは急いでクオリネスティへ戻り、朝にパルサイノン長官が訪れるギリギリのタイミングで自室のベッドに潜り込みます。
 シルヴァネスティでは、シルヴァノシェイの帰還は歓迎され、シルヴァノシェイが<星の評議長>に即位する事が決まっていました。そしてグローカスが摂政になることも決まっていました。シルヴァノシェイは、王の地位に酔いしれると共に、グローカスに心酔していました。即位式が行われる日の朝、コナル将軍の甥であり、シルヴァノシェイのいとこにあたるキリンがシルヴァノシェイを訪ねてきます。キリンはグローカスの事を警告しますが、シルヴァノシェイは聞き入れませんでした。コナル将軍及びグローカスは、シルヴァノシェイが扱い易い若者である事に安心していました。コナル将軍はシルヴァノシェイがシールドを突破した事を危惧していましたが、グローカスは王が必要という自分の無意識の願いにシールドが反応したのだと説明し、これ以後はシールドを突破する者はいないと保証します。
 サンクションを出てシルヴァネスティへ向かうミーナの軍勢の前に、1人の盲目の乞食が現れます。ミーナは軍勢を止めて、乞食と2人で話しをします。乞食はミーナの古い知り合いでした。ミーナはゴールドムーンに引き取られたみなしごでしたが、三年前にゴールドムーンの元を去りました。ミーナはその理由をゴールドムーンが自分の問いに答えてくれなかったからだと乞食に話します。乞食は、ミーナが深い闇を歩んでいると言います。ミーナは、<唯一神>の声を聞いたのだろうと乞食に問いますが、乞食は答えずに去って行きます。この乞食の正体は、ソロミラニウスという名前の<光の砦>を守護する銀竜でした。
 パリン、タッスルホッフ及びジェラードの3人は、ローラナの家を出ます。3人は、ローラナの配下の1人のエルフの案内で、ソレースへと運んでくれるグリフォンが待つ森へ向かいます。森に着くと案内役のエルフは、グリフォンの餌を探しに一行を離れ、3人は案内役が戻るのを待ちます。その頃、3人の近くには、メダン元帥が2人の配下を伴って待ち伏せしていました。エルフの案内役は、メダン元帥が送り込んだスパイでした。しばらくすると、パリン達から少し離れた場所にグリフォンがやってきます。しかし同時にパリン達はメダン元帥達の奇襲を受けます。ジェラードは、1人でその場に留まって暗黒騎士達と闘い、パリン及びタッスルホッフはその隙にグリフォンの元へ走ります。パリン及びタッスルホッフはグリフォンに乗り、飛び立ちます。ジェラードを助ける余裕はなく、一頭のドラゴンがグリフォンへ向かって来ます。グリフォンは巨大な雷雲に突入してドラゴンの追跡を何とか逃れます。ジェラードは、メダン元帥の配下2人を倒し、メダン元帥に迫りますが出血が多く、意識を失って倒れます。メダン元帥は、ジェラードの戦いぶりに感心し、傷の応急手当てをして馬に乗せ、連れて帰ります。
 ドラゴンの追撃を逃れたグリフォンは、ソレースへ到着します。パリン及びタッスルホッフは、ソレースの<魔法学院>跡で待っていたイエンナに再会します。パリン達は、ソレースにあるパリンの家へ向かいます。パリンの家には、旅から戻ったウーシャがいました。ウーシャは、パリンの妹とヘイヴンへ旅しており、苦労して戻ってきたところでした。久し振りの夫婦の再会でしたが、パリン及びウーシャは喧嘩し、ウーシャは家を出て<憩いの我が家>亭へ行ってしまいます。パリンは、イエンナにタッスルホッフ及び時間航行装置の事を話します。イエンナは、ダラマールが何かを探し求めており、その何かを見つけ出して姿を消したと考えていました。世間では、ダラマールはパランサスの<上位魔法の塔>を破壊して自殺したと噂されていましたが、イエンナはダラマールが生きていると考えていました。パリン及びイエンナは、タッスルホッフが持つ時間航行装置をダラマールに届けるのではなく、自分達で使用する事を決めます。
 パリンは、タッスルホッフに装置の使い方を教わり、時間航行装置を使って過去へ向かいます。パリンは<混沌戦争>まで遡り、更に昔へ遡ろうとしますが、<混沌戦争>より前の世界は無でした。元の時代へ戻ったパリンは、<混沌戦争>でカオスが倒される時点より過去が存在しなかった事をイエンナに話します。パリンは、この世界はカオスに踏みつぶされて死ぬはずのタッスルホッフが死ななかった事で生じた未来だと考えます。タッスルホッフが一回目に参加したキャラモンの葬式はタッスルホッフが死んだ未来であり、二回目に参加した葬式はタッスルホッフが死ななかった事で生じた未来だとパリンは考えます。タッスルホッフが死ななかった事でカオスは倒されず、カオスが神々を追放した結果が今の世界だとパリンは考えます。パリンの話から、このままではカオスに踏みつぶされる過去に連れ戻されると考えたタッスルホッフは、時間航行装置をこっそりと操作して、パリン及びイエンナの前から姿を消します。タッスルホッフに逃げられたパリンは、タッスルホッフがゴールドムーンに会いたがっていた事から、ゴールドムーンのいる<光の砦>へ逃げたと推測します。パリンは、タッスルホッフを追って<光の砦>へ向かう事を決意します。

 以上が、「ドラゴンランス 魂の戦争」第1部「堕ちた太陽の竜<中>」の物語です。
 上巻には登場しなかった懐かしのキャラクタ達が続々と登場しました。パリン、ウーシャ、ローラナ、ギルサス、イエンナなどなど。そしてこのシリーズから参戦の新キャラクタ達も続々と登場しています。シルヴァネスティにシールドを張った魔術師グローカス、ギルサスの秘密の妻ケリアン、クォリネスティを占領するネラーカ騎士団のメダン元帥などなど。この辺は後々まで物語に絡んできそうな重要人物になりそうです。
 上巻では重点的に描かれていたシルヴァノシェイ、ミーナは、中巻にはあまり登場せず、物語の進展は少なめでした。シルヴァノシェイはシルヴァネスティの評議長になり、既に魔術師グローカスの傀儡になりかけています。気になっていたアルハナ軍対オーガー軍の戦いの結果がサラッと記載されており、アルハナが生き残ったことが分かってホッとしました。ミーナが率いる軍勢はシルヴァネスティを目指して進軍中です。ミーナ軍対シルヴァネスティの戦いが早く始まるのを期待しているのですが、もう少し引っ張りそうな予感がします。
 タッスルホッフの方も無事にクォリネスティ入りしてパリンやローラナと再会できました。タッスルホッフが見た1回目のお葬式と2回目のお葬式との差が生じた原因も少しずつ明らかになってきています。タッスルホッフがカオスに踏みつぶされる直前に未来へ逃げたことで歴史が変わってしまったようです。この先の物語で、過去を変えて平和な未来を得るという展開はやめて欲しいと思っているのですが…。
 次の下巻で第1部は終了です。第2部、第3部と続くのですが。下巻では、ゴールドムーンの登場が期待できそうです。あとは、ミーナ軍がどこまでたどり着くか、ギルサスによる脱出計画は実行されるのか、当たりが注目点でしょうか。