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林譲治 「ZEONIC FRONT 機動戦士ガンダム0079」 第2巻

 林譲治さんの小説「ZEONIC FRONT 機動戦士ガンダム0079」第2巻です。全2冊なので、これで完結です。
 第1巻では、ジオン軍の第二次地球降下作戦からオデッサの戦いまで、ジオン軍の「闇夜のフェンリル隊」の活躍が描かれています。時代的に連邦軍がモビルスーツを戦線に投入する以前の物語だったので、ややザク無双な展開でした。しかし、ここからは連邦軍のモビルスーツも敵として登場するはずですし、ラスボスとしてはガンダム6号機が登場するはずで、激戦化が予想されます。
  それでは以下、林譲治さんの「ZEONIC FRONT 機動戦士ガンダム0079」第2巻のあらすじを記載します。ネタバレ注意です。

 オデッサでの戦いは連邦軍が優勢で、司令官であるマ・クベ大佐は宇宙へと脱出してしまいました。マ・クベ大佐はオデッサに残された兵士達に何の指示も残さずに逃げてしまったため、オデッサのジオン軍は混乱に陥っていました。ゲラート少佐を含む各部隊の指揮官が話し合って臨時の司令官を決めて連邦軍との戦闘を継続しますが、ジオン軍の敗色は濃厚でした。ゲラート少佐達は、オデッサからの撤退を決定し、黒海にいるユーコン級潜水艦を利用する事になります。フェンリル隊は、友軍が撤退する際に通るドニエプル川の橋を連邦軍の攻撃から死守する任務を行う事になります。
 エイガー少尉は、敵の「闇夜のフェンリル隊」とオデッサでの再戦を望みますが、ジャブローへの移動命令が与えられます。
 フェンリル隊は、撤退するジオン軍の最後尾で連邦軍との戦闘を行っていました。敵は戦車部隊ですが、その数は膨大です。フェンリル隊は、地雷などを利用して、少しでも長く撤退の時間を稼ぎます。友軍がドニエプル川の橋を渡り終え、最後にフェンリル隊が橋を渡ろうとしたとき、連邦軍の爆撃機が現れて橋を破壊します。フェンリル隊のモビルスーツは汎用機ですが水中で活動する事は出来ないため、橋を破壊されてパイロット達はモビルスーツを捨てる覚悟をします。しかし、ユーコン級潜水艦が直接迎えに現れ、フェンリル隊はモビルスーツと共にオデッサから撤退する事ができました。
 オデッサから撤退したフェンリル隊に、2人の女性パイロットが加入します。ソフィ・フラン少尉及びサンドラ少尉です。2人はオデッサの生き残りで、元の所属部隊は既になかったため、フェンリル隊に編入されました。フェンリル隊を乗せた潜水艦は、以前にフェンリル隊が占領した北米キャリフォルニアベースの潜水艦基地へ戻って来ます。ジオン軍は連邦軍の本拠地であるジャブローの攻撃を計画しており、フェンリル隊もジャブロー攻撃の作戦に参加する事になります。フェンリル隊は本隊の総攻撃に先駆けて、ジャブローの地下基地への入口を探索する任務が与えられます。
 フェンリル隊はユーコン級潜水艦でジャブローへ向かい、9機のモビルスーツを3機一組に分けて探索を開始します。ジャブローには連邦軍のモビルスーツが配備されており、ニッキ少尉、シャルロッテ少尉及びスワガー曹長はパトロール中の2機の連邦軍モビルスーツに遭遇します。連邦軍のモビルスーツはザクと同等かそれ以上の性能を有していそうでしたが、パイロットの腕は未熟で、ニッキ少尉達は2機の連邦軍モビルスーツを撃破します。ル・ローア少尉、マット軍曹及びレンチェフ少尉達もパトロール中の2機の連邦軍モビルスーツに遭遇しますが、これはレンチェフ少尉が1人手倒してしまいます。
 ジャブローでガンダム6号機の開発を行っていたエイガー少尉に、パトロール中のジムがジオン軍のモビルスーツに撃破された事が知らされます。エイガー少尉は、連邦軍のモビルスーツパイロットの技量が低い事を痛感します。
 キャリフォルニアベースに、ジャブロー攻撃のためのモビルスーツやガウ攻撃空母等が集まっていました。しかしその数は想定より少なく、ジオン軍の内情が苦しい事を物語っていました。フェンリル隊の前回の任務でジャブローへの入口はいくつか判明していましたが、司令部の位置は掴めていませんでした。ただし司令部の位置に関していくつかの候補は挙がっており、フェンリル隊はそれらの候補地の1つを攻撃する任務が与えられます。そしてジャブロー攻撃作戦が始まり、フェンリル隊はガウ攻撃空母でジャブローへ向かいます。ニッキ少尉、シャルロッテ少尉及びスワガー曹長の3機のザクは、ガウ攻撃空母から降下して、発見していたジャブローの入口の1つから内部へと侵入します。
 エイガー少尉達はジャブローの地下研究施設でガンダム6号機の開発を行ってきましたが、ジオン軍によるジャブロー攻撃が開始された時点で未完成の状態でした。そして近くの入口から3機のザクが侵入し、研究施設へ近付いています。研究施設には6機のジムがありましたが、既に2機はザクに倒されています。エイガー少尉は、未完成状態のガンダム6号機で出撃する事を決意します。
 ジャブロー内部へ侵入したニッキ少尉達は、合計6機のジムを倒し、宇宙船ドックに出ます。宇宙船ドックには木馬と同型の新鋭艦もありましたが、まだ稼働してはいないようでした。ニッキ少尉達はこの戦艦を破壊しようと攻撃を行います。そこへ、二門の巨砲を搭載した連邦軍の新型モビルスーツ、ガンダム6号機が現れます。重量級モビルスーツのガンダム6号機は、大出力のパワーユニットが搭載されていましたが、その冷却機構が未完成という問題を抱えていました。ニッキ少尉達は3機のザク無双でガンダム6号機に対します。ザクの武器では重装甲のガンダム6号機にダメージを与える事は難しいですが、ベテランパイロットの域に達しているニッキ少尉達のザクをガンダム6号機が倒す事も容易ではありません。ニッキ少尉達の攻撃で炎上した木馬型新鋭艦の熱でガンダム6号機はオーバーヒートして動きを止めます。しかしザクの武装も尽き、ちょうどゲラート少佐からの撤退命令も出た事から、ニッキ少尉達はガンダム6号機にトドメをさす事が出来ずに撤退します。
 ジオン軍によるジャブロー攻撃作戦は失敗に終わりました。キャリフォルニアベースへ戻った闇夜のフェンリル隊は、連邦軍によるキャリフォルニアベース攻撃に備えて、メキシコ湾岸の索敵任務が与えられます。フェンリル隊は、丘陵地帯の盆地にミノフスキー粒子を大量に散布して隠れている連邦軍の部隊を発見します。海を渡ってやってくる連邦軍の本隊が上陸する際に、ジオン軍の基地への攻撃を行うための部隊と推測されました。フェンリル隊は、連邦軍の上陸作戦が始まるギリギリまで待ち、上陸作戦が始まる寸前にこの部隊を攻撃して倒します。ジオン軍の基地は、上陸しようとしている連邦軍へのミサイル攻撃を行います。
 ジオン軍のミサイル攻撃で連邦軍の上陸部隊の第1次船団は大きな被害を受け、上陸のスケジュールに大幅の遅れが発生します。エイガー少尉及びガンダム6号機は、第2次船団に含まれており、被害はありませんでしたが、海上で長時間にわたって待機させられる羽目になります。
 連邦軍の総攻撃を前に、キャリフォルニアベースのジオン軍ではHLVによる脱出が進められていました。闇夜のフェンリル隊は、HLVによる脱出が完了する最後まで基地の防衛にあたる事になります。しかしそれは、自分達は脱出出来なくなる可能性が高い任務でした。ゲラート少佐は、フェンリル隊のパイロット及び整備士達から志願者を募り、志願者のみでこの作戦を実行する事にしますが、全員が志願します。キャリフォルニアベースからの脱出はHLVによるものの他に、潜水艦でのアフリカ又はオーストラリア等への脱出も行われていましたが、HLVに乗る事が出来なかった兵士達の中には早々に連邦軍へ投降する者もおり、ジオン軍の士気は下がる一方でした。その中で、自ら残る事を志願したフェンリル隊の士気は高く、キャリフォルニアベースに残された人々の頼みの綱となっていました。フェンリル隊は、直接的なHLVの護衛は他の部隊に任せ、キャリフォルニアベースのHLV発射基地の周辺を攻撃する連邦軍部隊の司令部のビッグトレーを破壊してHLV打ち上げの時間を稼ぐことになります。全てのHLVの打ち上げ完了後、フェンリル隊は、ユーコン級潜水艦が待つ軍港へ向かい、潜水艦でキャリフォルニアベースから脱出する予定になっていました。
 作戦が開始され、フェンリル隊の9機のモビルスーツは、ビッグトレー及び護衛の5機のジムを破壊する事に成功し、撤退の準備にかかります。そこへ、パトロール中の2機のジムが現れ、レンチェフ少尉がこれを倒そうとしたとき、どこからかの攻撃でレンチェフ少尉のグフが破壊されます。ただしグフのコクピットまでは破壊されておらず、レンチェフ少尉は破壊されたグフから脱出します。2機のジムは、ル・ローア少尉のザクが破壊します。
 少し前。エイガー少尉は、フェンリル隊の目撃情報を得ます。更に司令部との通信が出来なくなった事から、フェンリル隊が司令部を破壊したものと推測されました。エイガー少尉は、整備が終わったガンダム6号機で出撃し、フェンリル隊との決戦上へ向かいました。
 グフを倒した連邦軍のモビルスーツは、ガンダム6号機でした。ニッキ少尉は、ジャブローでのガンダム6号機との戦いの経験を仲間達に伝えます。フェンリル隊の8機のモビルスーツ対ガンダム6号機の戦いが始まります。ニッキ少尉、ル・ローア少尉及びマット軍曹の3人は、連係攻撃でガンダム6号機の足下の崖を崩し、転倒したガンダム6号機を攻撃しますが、僅かにダメージを与えた程度で反撃を受け、ル・ローア少尉及びマット軍曹のザクが破壊されます。幸いに、2人はザクから無事に脱出する事ができました。
 ガンダム6号機との戦闘の様子をモニタしていたゲラート少佐は、整備班が所有する旧ザクで自分が出撃する決意をします。整備班のミガキ班長は、以前に戦車部隊の砲撃で破壊された旧ザクを修理し、更には戦闘可能なようカスタマイズしていました。
 ガンダム6号機は、ニッキ少尉のザクを追撃していましたが、どこからかの攻撃を受けて右肩の火砲が破壊されます。新たに現れた旧ザクの肩に固定されたバズーカの攻撃でした。ガンダム6号機は接近する旧ザクに対してビームサーベルで攻撃しようとします。しかし旧ザクは煙幕弾で周辺に煙幕を張り、姿を隠します。旧ザクにはミガキ班長が高性能な音響センサを搭載させており、ゲラート少佐は煙幕の中でガンダム6号機のおよその位置を把握する事ができました。ゲラート少佐は、ガンダム6号機を旧ザクに接近するようおびき寄せ、バズーカの全弾をガンダム6号機へ打ち込んでパワーユニットを破壊します。その後、HLVの打ち上げが完了し、フェンリル隊は戦場から撤退して潜水艦が待つドッグへ向かいます。ドッグでは潜水艦がフェンリル隊の到着を待っていました。フェンリル隊は、3機のモビルスーツを破壊し、潜水艦に搭載可能な3機のモビルスーツと共に潜水艦へ乗り込み、キャリフォルニアベースから脱出します。
 その後、闇夜のフェンリル隊は、北アフリカのリビア砂漠に現れます。エイガー少尉は、フェンリル隊を追って北アフリカへ向かいます。エイガー少尉が北アフリカへ到着したときには、ア・バオア・クーを落とされたジオン軍が降伏して一年戦争が集結していました。北アフリカの連邦軍は、フェンリル隊を含むジオン軍の兵士達の拠点を突き止めており、戦争が終わった事を告げて投降を呼びかけましたが、兵士達はこれを信用せず、抗戦の構えを解きません。エイガー少尉は、戦争終結を告げる軍使として、非武装のヘリに乗ってフェンリル隊の元へ向かいます。

 以上が、林譲治さんの小説「ZEONIC FRONT 機動戦士ガンダム0079」の物語です。
 第1巻はモビルスーツを持たない連邦軍との戦いばかりでザク無双な展開でしたが、第2巻は連邦軍のモビルスーツが敵として登場し、戦闘の緊迫感が増しています。特にガンダム6号機はザクよりも圧倒的に性能が高いため、強大な敵となっています。とは言っても、モビルスーツの操縦技術や運用技術の差で、敵がジムであるばフェンリル隊が圧倒的に強い状況には変わりなく、ガンダム6号機も期待したほどの凶悪なボスキャラを演じてはくれませんでしたが。
 ガンダム6号機のパイロットであるエイガー少尉は、物語の中では優秀な人材として連邦軍内で扱われていましたが、本当に優秀なのか疑問な人物でした。初戦で旧ザクを戦車部隊で撃破した功績は認めるとしても、その後はフェンリル隊に負け続けています。何だか、優秀なはずの赤い彗星シャアが木馬に負け続ける、エリート部隊ティターンズのジェリドがアーガマに負け続ける、というような敵キャラの宿命を背負わされた不憫なキャラでした。
 林譲治さんのガンダム作品を2つ読み終えましたが、共通しているのは、死人が出ないことでしょうか。ホワイト・ディンゴ隊も闇夜のフェンリル隊も、誰一人欠ける事なく終戦を迎えています。フェンリル隊は9人もパイロットがいて全員が生き残っており、ガンダム作品としては驚異の生存率ではないでしょうか。レンチェフ少尉なんか、いかにも死にそうなキャラだったのですが。通常のガンダム作品だったら、ジャブローでの未完成版ガンダム6号機との戦いで1人くらい死亡し、完成版ガンダム6号機との戦いで2~3人死亡してもおかしくはないと思います。林譲治さんが死人を出すのが嫌いなのか、ゲームとの絡みで上からの要望があったのか。
 また2つの作品に共通しているのは、敵味方のキャラクタが登場し、戦いを繰り返した後に、敵味方の枠を超えて仲間意識を持つに至るという点。この点については、あまり共感できない部分です。スポーツ作品なら違和感ないのですが、あくまで戦争を扱う作品なわけで、仲間や部下達を失いながら、こんなにお互いが理解し合えるでしょうか?これこそが、ニュータイプの理解し合う能力な気もします。
 林譲治さんはガンダム以外に多くの戦記物の作品を執筆されているようですが、本当は争うことが嫌いな優しい方なのかもしれません。林譲治さんのガンダム作品はまだいくつか残っているので、読破したいと思っています。

 

林譲治 「ZEONIC FRONT 機動戦士ガンダム0079」 第1巻

 林譲治さんの「ZEONIC FRONT 機動戦士ガンダム0079」は、プレイステーション2用のゲーム「ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079」を小説化した作品です。角川スニーカー文庫から全2巻で発売されており、第1巻は2001年8月に発売されています。ゲームの発売が2001年9月なので、ゲームより先に小説版が発売されているようです。
 林譲治さんは、これ以前にも「機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…」のゲームを小説化した実績があり、私もその実力は確認済みです。またこの「ジオニックフロント」には、私が製作開始したプラモデル「ガンダム6号機」が登場する作品でもあります。もはやこの小説には期待感しかありません。
 なお「ジオニックフロント」についてですが、現在までに発売されている作品はゲームとこの小説との2つのみ。「ガンダム6号機」及び「闇夜のフェンリル隊」等のそこそこ知名度があるキーワードが登場する割には、不遇の扱いを受けている作品です。ゲームが売れなかったのかもしれません。未だに漫画化はされていないので、そのうちに雑誌ガンダムエースで漫画化される可能性はありそうです。
 それでは以下、林譲治さんの「ZEONIC FRONT 機動戦士ガンダム0079」第1巻のあらすじを記載します。ネタバレ注意です。

 宇宙世紀0079年2月7日にジオン軍による地球降下作戦が行われ、3月11日には第二次降下作戦が行われようとしています。その前日である3月10日、ジオン軍の1機のHLVが密かに地球へ降下していました。このHLVには、ジオン軍の「闇夜のフェンリル隊」が搭乗しています。闇夜のフェンリル隊は、隊長のゲラート・シュマイザー少佐と、モビルスーツパイロットのル・ローア少尉、ニッキ・ロベルト少尉、シャルロッテ・ヘーブナー少尉及びマット・オースティン軍曹の4人とで構成されています。ゲラート少佐は元パイロットでしたが、今では指揮官を務めています。ニッキ少尉及びシャルロッテ少尉は新米で、今回の作戦が初陣となります。パイロットは4人ですが、ザクは3機しか間に合わず、この作戦ではシャルロッテがオペレータを務める事になっていました。
 同じ頃。地球の北米にある連邦軍の航空基地では、エイガー少尉が六一式戦車の部隊を訓練していました。エイガー少尉は、モビルスーツの開発者及びパイロットでしたが、砲術のスペシャリストでもあり、開戦後はニューギニアの防空基地に配属されていました。ジオン軍は地球にコロニーを落下させる作戦の前にニューギニア防空基地を強襲して壊滅させました。このときにエイガー少尉は、対空火器でジオン軍のザクに対して最後まで抵抗し、仲間達の脱出の時間を稼ぎます。そしてエイガー少尉及びその部下達は、砲台に爆薬を仕掛けて自爆させ、2機の輸送機で基地から脱出しようとします。敵部隊は砲台の爆発に巻き込まれますが、1機の旧ザクは爆発を避け、脱出途中の輸送機の1機を撃ち落とします。エイガー少尉は、もう一方の輸送機に乗っていたため助かります。エイガー少尉は、このときの旧ザクに描かれていた狼のパーソナルマークを今でも覚えていました。輸送機はニューギニアの防空基地へ逃げ込み、エイガー少尉はこの基地の司令官に頼まれて戦車部隊の訓練の教官を期限付きで引き受けていました。
 闇夜のフェンリル隊の任務は、第二次降下作戦に先立って、連邦軍の航空基地を制圧する事でした。難しい任務ではありませんが、ゲラート少佐は以前にモビルスーツパイロットとしてニューギニア防空基地の制圧任務に参加した際に、防空基地の砲台が最後まで抵抗を続けて自軍に大きな損害を与えた記憶がありました。この戦闘の際に受けた傷でゲラート少佐は視力障害が残り、モビルスーツパイロットを退く事になっています。フェンリル隊は3機のザクで連邦軍の航空基地を制圧する事になっています。なお、フェンリル隊が乗るHLVには、フェンリル隊以外にも、制圧後の航空基地の補修等を行う工作隊が乗っており、工作隊は旧ザクを1機保有しています。自機の到着が遅れているシャルロッテはこの旧ザクで出撃する事を主張しますが、工作隊は自衛及び作業用にモビルスーツが必要であり、却下されます。そしてHLVは地球へ降下し、3機のザクが出撃し、フェンリル隊の作戦が開始されます。
 エイガー少尉は、航空基地から離れた場所で訓練を行っていました。訓練中にエイガー少尉は、林の中に旧ザクがいるのを発見します。この旧ザクは、フェンリル隊に同行している工作隊のもので、フェンリル隊の作戦の邪魔にならないように離れた場所で身を隠していました。エイガー少尉は、12台の戦車で旧ザクに対して一斉攻撃を行い、旧ザクを倒す事に成功します。戦車でモビルスーツを倒した事に兵士達は自信を付け、エイガー少尉の株が上がります。しかし基地の司令部から、狼のマークを付けた3機のザクが基地を攻撃していると通信が入ります。エイガー少尉達の戦車部隊は、3機のザクを倒すべく、基地へと引き返します。
 出撃した3機のザクに対して、連邦軍の陸上戦艦ビッグ・トレーが迎え撃ちます。初陣のニッキ少尉は、ザクを跳躍させてビッグ・トレーを飛び越えるという無茶をしますが、ビギナーズラックでビッグ・トレーを撃破します。ビッグ・トレーを撃破された航空基地の司令官は、フェンリル隊に降伏します。こうしてフェンリル隊の作戦を成功します。エイガー少尉達の戦車部隊が航空基地に戻る途中、基地の司令官が降伏していました。戦車部隊の兵士達は降伏をよしとせず、エイガー少尉と共に航空基地を離れます。
 航空基地を制圧した闇夜のフェンリル隊は、鹵獲したホバートラックを移動司令部として使う事にします。今回の作戦の結果を分析したゲラート少佐は、旧ザクを倒した戦車部隊の実力を今後の脅威となり得ると考えます。第二次降下作戦を完了したジオン軍は、連邦軍のキャリフォルニアベースへの侵攻作戦を開始し、フェンリル隊には侵攻作戦の支援が命じられます。フェンリル隊は、連邦軍の通信施設を破壊する事で本隊の支援を行います。シャルロッテのザクの補充は間に合わず、フェンリル隊は前回と同じく3機のザクで出撃します。通信施設の周辺には多くの地雷が設置されており、地雷が設置されていない場所は戦車部隊が待ち構えています。ニッキ少尉は、地雷が設置されていない地点を選んでザクを数回跳躍させ、一気に戦車部隊の背後に回り込み、これを全滅させます。その後、フェンリル隊は通信施設の破壊を完了します。
 キャリフォルニアベースにいたエイガー少尉達は、基地かジオン軍による攻撃を受けている中で、ヨーロッパ方面への移動を命じられます。エイガー少尉はジオン軍と交戦する覚悟でしたが、司令部はキャリフォルニアベースからの撤退を決めたようでした。エイガー少尉達は、潜水艦てキャリフォルニアベースから脱出する事になります。
 闇夜のフェンリル隊に、シャルロッテ少尉用の1機のザクが配備されます。フェンリル隊の前回の任務で通信施設の近くに地下施設への入口が発見され、潜水艦ドッグへと通じている可能性がある事が判明します。フェンリル隊にはこの潜水艦ドッグの占領任務が与えられ、発電所を破壊して潜水艦ドッグを制圧する作戦が決定されます。ル・ローア少尉及びマット軍曹が先行して潜水艦ドッグへ向かい、ニッキ少尉及びシャルロッテ少尉が発電所を破壊する役割分担となります。そして作戦が開始され、ニッキ少尉及びシャルロッテ少尉は発電所の破壊に成功し、ル・ローア少尉及びマット軍曹は潜水艦ドッグで停泊中の潜水艦を発見します。
 この潜水艦には、キャリフォルニアベースからの脱出を命じられたエイガー少尉及びその部下達が乗り込んでいました。ジオン軍のザクが発電所を破壊した事で、潜水艦ドッグと海底との間にあるゲートが開かず、潜水艦は発進出来ずにいました。エイガー少尉は潜水艦の魚雷を改造して威力を下げ、この魚雷でゲートを破壊して潜水艦は間一髪で潜水艦ドッグからの逃走に成功します。その後、エイガー少尉は、潜水艦ドッグを襲ったザクに狼のマークが記されていた事を知ります。
 闇夜のフェンリル隊は、オデッサ地区のマ・クベ大佐からの要請を受けて、アメリカ大陸からアフリカ大陸のゴビ砂漠へ移動する事になります。アメリカ大陸から潜水艦で移動し、アフリカ大陸に到着後は大型トレーラー・サムソンで移動します。フェンリル隊には、新たにパイロットのリィ・スワガー曹長及びザク1機の補充があります。
 フェンリル隊が目的地まであと1日の距離まで来たときに戦況が変わります。目的地だった補給基地が連邦軍の急襲を受けて一部の施設を占領され、フェンリル隊は補給基地の奪還と敵司令部の破壊とを行う事になります。未確認ながら敵はモビルスーツを有しているとの情報もありました。ル・ローア少尉及びマット軍曹が補給基地の奪還、ニッキ少尉、シャルロッテ少尉及びスワガー曹長が敵司令部の破壊を行う事になります。作戦が開始され、ニッキ少尉達は連邦軍の移動司令部及びそれを守っていたガンキャノンの破壊に成功し、補給基地も無事に奪還されます。
 ヨーロッパ方面へ着任したエイガー少尉は、ゴビ砂漠で行われた戦闘の資料を見せられます。エイガー少尉は、移動司令部の機動力とガンキャノンの火力とを全く生かせていない事を指摘します。ヨーロッパ方面の司令官は、モビルスーツ開発に就く予定だったエイガー少尉に戦車部隊の指揮を任せたいと頼みます。エイガー少尉は、移動司令部及びガンキャノンを倒したジオン軍のザクに狼のマークが記されていた事を知り、戦車部隊の指揮を引き受けます。
 補給基地を奪還した後、フェンリル隊は輸送機でマ・クベ大佐の鉱山基地の近くにある仮設基地へ移動します。基地には多くの部隊が集められており、ゲラート少佐は知り合いのタチ中尉に出会います。タチ中尉は、ゲラート少佐の友人でもあるランバ・ラル大尉の部下でした。タチ中尉は、ランバ・ラル大尉が連邦軍の「木馬」との戦いで戦士した事をゲラート少佐に伝えます。そしてマ・クベ大佐からフェンリル隊に与えられた任務は、木馬の探索任務でした。木馬の予想進路は3つあり、フェンリル隊はその1つの探索を任されます。しかし部隊配置には不自然に手薄な部分があり、マ・クベ大佐は木馬を誘導する罠を張っているとゲラート少佐は考えます。ゲラート少佐は、自分達に割り当てられた探索経路と、マ・クベ大佐が木馬を誘導しようとしている経路との交差地点に、フェンリル隊のザクを待機させて待ち伏せします。しばらくすると、フェンリル隊の頭上を木馬が通過していきます。フェンリル隊は木馬への攻撃は行わず、司令部に木馬発見を報告して撤退します。
 エイガー少尉は、オデッサ方面の自走砲大隊の指揮官に任命されます。自走砲が48台、人員が約1000人の大部隊でした。ただし、兵士の1/3は初陣という新米です。エイガー少尉は、これらの戦力でジオン軍のモビルスーツに対抗する策を考えます。
 オデッサでの連邦軍との決戦を前に、闇夜のフェンリル隊にパイロットが2名補充されます。レンチェフ少尉は、腕は立つけれど問題行動の多いバンダイで、愛機のグフと共にフェンリル隊へ配属されます。マニング軍曹は、ゴビ砂漠でフェンリル隊に救出され、本人の希望でフェンリル隊に配属されました。マニング軍曹のモビルスーツは補充されませんでしたが、フェンリル隊の整備班長ミガキはマニング軍曹を救出した際に回収した4機のザクの残骸から1機のザクをリストアしていました。
 フェンリル隊は鉱山基地の左翼で友軍に損害を与えている連邦軍の自走砲部隊を撃破する任務が与えられます。敵部隊は近くの丘の上に観測基地を持ち、この観測結果を用いて正確な遠隔射撃を行っています。ゲラート少佐は、敵中央の丘の北側にある丘を占領して観測所を設け、後方の敵主力への砲撃を行う事を決めます。ル・ローア少尉及びマット軍曹が敵中央への攻撃を行い、ニッキ少尉、シャルロッテ少尉及びスワガー曹長が北の丘を占領し、残りのレンチェフ少尉及びマニング軍曹は臨機応変に支援を行うという配置です。作戦が開始され、ニッキ少尉達のザクが北の丘へ向かいますが、北の丘にはモビルスーツの接近を感知して弾頭を発射する罠が仕掛けられていました。ニッキ少尉の機転で罠を回避し、北の丘の占領が完了します。
 エイガー少尉の部下のサカキ軍曹は、北の丘に設置した罠が予想より早く解除された事を知り、自分に任された2小隊を北の丘へ向かわせようとします。しかしそこに敵のグフが現れ、サカキ軍曹の部隊は壊滅します。破壊された自走砲からサカキ軍曹を含む兵士達が脱出しますが、グフは生身の兵士達をマシンガンで攻撃します。
 北の丘を確保した事でフェンリル隊が優勢となり、自走砲部隊は撤退します。フェンリル隊は追撃しようとしますが、司令部から移動命令が与えられます。移動地点は不自然な場所でしたが、フェンリル隊は命令に従って移動します。後で判明しますが、この不自然な移動命令は、マ・クベ大佐が基地から脱出するためのものてした。
 戦闘には負けたものの、追撃されなかった事で無事に脱出できたエイガー少尉は、サカキ軍曹を含む部下達の死を知り、狼のマークを付けたジオン軍のモビルスーツ部隊との戦いを決意します。

 以上が、林譲治さんの「ZEONIC FRONT 機動戦士ガンダム0079」第1巻の物語です。
 ジオン軍の第二次降下作戦からオデッサでの戦いまでが描かれました。流石の林譲治さんで、渋い重厚なガンダムの物語が堪能できました。面白かったです。
 面白かったです・・・が、物凄く地味な物語でした。主人公側の戦力が複数のザクなのに対して、敵側の戦力がほぼ戦車。かろうじてガンキャノンが1機登場しましたが、多勢に無勢で瞬殺されていました。連邦軍がモビルスーツを投入する前の物語なので、リアルと言えばリアルなのですが、地味でした。当然、この戦力差だとザク無双なわけで、フェンリル隊が強いのか、連邦軍が弱いのかよく分かりません。この作品はゲームを小説化したものなわけですが、ゲームもザクで戦車を潰すような内容だったのでしょうか。そんなゲーム面白いかな?
 地味でしたが、面白かったのは間違いありません。フェンリル隊がホワイトベースとニアミスしたり、ランバ・ラルや黒い三連星がホワイトベースの部隊に倒されたという情報がさり気なく入ったり、ガンダムファンが喜ぶ要素も程良く配置されていました。ガンダムの歴史からみて、今後は連邦軍のモビルスーツも登場するでしょうし、ラスボスにはガンダム6号機も登場するはずです。2巻の物語に期待が膨らみます。


ガンプラHG 「ガンダム6号機 マドロック」 素組

 プレミアムバンダイ限定のガンプラで1/144スケールのHG「ガンダム6号機 マドロック」です。
 ガンダムは1号機から8号機までの8機存在し、アムロが乗っていたのは2号機という、いかにも後付けの設定でありながら、これが今では公式設定となっています。その6号機が初めてプラモデル化されたのがこの商品です。7号機は既にHGUCシリーズで一般販売されており、なぜ6号機は限定品なのかと文句を言いたいところですが、マイナーな機体だからプラモデル化されただけでもお礼を言うべきなのかもしれません。

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 ガンダム6号機は、プレイステーションのガンダムゲーム「ジオニックフロント」に登場する機体だそうです。このゲームをプレイしていないので詳しいことは分かりませんが、「ジオニックフロント」のタイトルが示しているようにこのゲームはジオン軍視点の内容で、このガンダム6号機はラスボス的な存在のようです。言われてみると少し悪人顔のように見えなくもない。

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 プラモデルは箱の大きさも部品数も、ごくごく一般的なHGと同じくらいで、私にはちょうどいいと感じられるものでした。組み立てもそれほど時間がかかる事もなく、難しい箇所もなく、サクサク進めることができました。このプラモデルでは、「未完成状態」と「完成状態」の2つを選択して組み立てることができます。「未完成状態」って何だ?どう考えても、選択するなら「完成状態」でしょう。
 という事で、「完成状態」を選択して組み立てた素組の写真を。

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 ガンダム6号機かっこいいですね。ただ、アムロの初代ガンダムと同じ年代のものとは思えない…、何故でしょう。デザインは初代ガンダムからそれほど離れている訳ではないのですが、青色&黄色の配色で赤色が存在しないからかな?初代ガンダムと同じ配色にすれば、同系列感が高まりそうですね。←このパターンで塗装するのもありかなと一瞬思いましたが、やはり設定色を尊重しようと思います。
 背中に大きな大砲が2つあるところを見ると、後方支援用のガンダムなのでしょうか。中長距離の砲撃はガンキャノン及びガンタンクに任せて、せっかくの高性能モビルスーツなんだから最前線で戦って欲しいものです。もしかすると、近距離から遠距離まで全範囲を1機のモビルスーツでカバーするというコンセプトなのかもしれません。ゲームのボスキャラとしては、かなり厄介そうです。
 ところで、「マドロック」ってどういう意味なのでしょう?


鈴木央 「七つの大罪」 第25巻

 鈴木央さんの漫画「七つの大罪」第25巻は、2017年3月に発売されています。
 前巻では、リオネス王国に攻め込んだ<十戒>を何とか撃退する事が出来ました。この戦いで<十戒>のグレイロード及びフラウドリンが死亡しています。一度死んだメリオダスは、呪いにより復活しましたが、感情を少し失っています。物語は一段落し、次はキング&ディアンヌへと視点が変わるようです。所で、この2人はリオネス王国の危機に何故駆け付けなかったのでしょう?
 それでは以下、「七つの大罪」第25巻のあらすじを記載します。ネタバレ注意です。

 メリオダスが<十戒>に殺された後、キング及びディアンヌは、マトローナの家族と共に妖精王の森へ避難していました。妖精王の森は結界で守られているため魔神達の侵略もなく、平和な状態が保たれています。妖精達は楽しく歌い踊り、キング及びディアンヌも一緒に歌い踊り、そしていつの間にか<十戒>グロキシニアも妖精達に混じって歌い踊っていました。そして気が付くとキング及びディアンヌの姿はなく、妖精達はどうして歌い踊っていたのか思い出せません。ただ妖精達のリーダー格であるゲラードだけは、グロキシニアの声を聞いたように思います。
 キング及びディアンヌは、気が付くと見知らぬ場所におり、目の前には<十戒>グロキシニア及びドロールがいました。キング及びディアンヌは、全力でグロキシニア及びドロールに挑み、呆気なく敗北します。しかしグロキシニア及びドロールは、キング及びディアンヌを殺すことなく、更には傷を治してくれます。グロキシニア及びドロールは、キング及びディアンヌを鍛え直してやると言います。グロキシニア及びドロールは、魔神族ではなく妖精族及び巨人族であり、かつては魔神族と戦っていましたが、戦いの中である選択を迫られ、悩んだ末に選択した結果で現在の状態に至りました。グロキシニア及びドロールは、このときの選択が正しかったか否かを証明して欲しいと言い、そのための試練を与えると言います。この試練は命懸けのものですが、乗り越えれば確実に成長できます。キング及びディアンヌは試練に挑むことを即決します。グロキシニア及びドロールは呪文を唱え、キング及びディアンヌは光に包まれます。
 気が付くと、キングはグロキシニアの姿になり、ディアンヌはドロールの姿になって、見知らぬ場所にいました。2人が戸惑っていると、強力な魔神の気配が近付いて来ます。しかし現れたのはメリオダスでした。メリオダスは、2人をグロキシニア及びドロールと認識しており、キング及びディアンヌの名前に聞き覚えはなさそうな様子です。そこへ、更にもう1人の人物が現れます。それはエリザベスでしたが、背中には白い羽根が生えています。現れたエリザベスは、女神族でした。
 メリオダスは、4人揃ったとして別の場所へ移動を開始します。キング及びディアンヌは、目的地は分かりませんが、とりあえずメリオダスに付いて行きます。キング及びディアンヌは、自分達が三千年前のブリタニアにおり、<十戒>になる前のグロキシニア及びドロールとしてこの世界に存在しているのだと悟ります。しかし、三千年前にエリザベスがいること、エリザベスが女神族である事については理解出来ませんでした。
 メリオダスか向かった先は、魔神族の襲撃を受けている人間の集落でした。そこには、強力且つ大量の魔神族が押し寄せており、キング及びディアンヌはとても相手に出来る敵ではないと怯みます。しかしメリオダスは、戦場へ飛び込み、魔神族を次々と倒して行きます。躊躇する2人の前に、<十戒>の「敬神」カルマディオスが現れます。カルマディオスの攻撃を受けて反撃した2人は、グロキシニア及びドロールの身体を持つ今は、<十戒>と戦う十分な実力がある事に気付きます。
 現実世界では、キング及びディアンヌは眠りに落ちていました。キングのヘルメットに宿るヘルブラムがキングを起こそうとしますが、全く反応がありません。グロキシニアは、ヘルブラムが見えるようで、試練をクリアしない限り2人が目覚める事はないと話します。
 キング及びディアンヌは、メリオダスとの連係攻撃でカルマディオスを倒します。この間にエリザベスは、魔神族達を話し合いで引き返させる事に成功していました。魔神族に襲われていた村の生き残りの人間は、キング、ディアンヌ、メリオダス及びエリザベスの4人を<光の聖痕(スティグマ)>の戦士と呼びます。<光の聖痕>は、女神族を中心とする巨人族及び妖精族の連合のことでした。人間のロウは<光の聖痕>に加えて欲しいと言い、エリザベスは生き残った人間達を<光の聖痕>の拠点へ連れて行きます。拠点は妖精王の森の中にあり、拠点には<四大天使>リュドシエル及びその部下のネロバスタがいます。リュドシエルは、聖戦の集結の時が来たと語り、魔神族を根絶すると宣言します。
 ロウは、メリオダスが魔神族だと気付いていましたが、メリオダスを仲間と認めていました。エリザベスは、魔神族を根絶するというリュドシエルの考えに反対しますが、リュドシエルは相手にしません。ディアンヌは、ドロールとして巨人族の仲間達に稽古をつけていました。キングは、森の奥からリュドシエルと同じ魔力を感じ、これが何なのかを訝しんでいました。キングは、妖精族の仲間に話し掛けられ、それがゲラードである事に驚きます。キングが知るゲラードは暗い女性でしたが、このゲラードは明るい女性でした。更にキングは、ゲラードがグロキシニアの妹だと知り、驚きます。キングは森の奥から感じる魔力が何かをゲラードに尋ね、ゲラードはリュドシエルが魔神族をおびき寄せるためにまいた生き餌だと答えます。それは、捕虜にした魔神族達をリュドシエルの作り出した結界に閉じ込めたものでした。
 そして<十戒>が率いる魔神族の大軍が妖精王の森を目指して進軍してきます。メリオダスは魔神族に話を付けにいくと言い、キング及びディアンヌもメリオダスに同行する事にします。人間のロウは、妖精王の森の守りは人間に任せろとグロキシニア(キング)に言い、キングはロウにバンの姿を重ねます。
 魔神族の軍勢は、メリオダス達が話し合いに行く前に、何故か進軍を停止します。エリザベスが1人で先行して魔神族と話し合いに現れたためでした。しかしエリザベスはリュドシエルが多くの魔神族を捕虜としている事を知りません。<十戒>のデリエリは捕虜の解放を要求し、エリザベスはリュドシエルに掛け合う事を約束します。しかしそこへリュドシエルが現れます。リュドシエルは魔神族の捕虜を巨大な聖櫃に閉じ込めており、妖精王の森からこの聖櫃が浮かび上がって来ます。魔神族が捕虜になっていることはメリオダスも知りませんでした。捕虜となっているのは魔神族の非戦闘員ばかりで、デリエリの姉も含まれています。リュドシエルは、<十戒>の目の前で、捕虜を一瞬で皆殺しにします。怒ったデリエリは、目の前にいたエリザベスを殴り飛ばします。
 そして、この場に<四大天使>のサリエル及びタルミエルの2人が現れ、<十戒>以外の魔神族を消し去ります。リュドシエルは2人にこの場を任せて去ります。<十戒>のモンスピート、デリエリ、ガラン、メラスキュラ及びフラウドリンの5人と、<四大天使>のサリエル及びタルミエルの2人との戦いが始まります。<四大天使>側がやや優勢ですが、<十戒>を倒す程ではありません。拠点に戻っていたリュドシエルは、戦いの様子を見て自分も参戦する必要があると判断し、女神族のネロバスタに門を死守するように命じて去ります。門とは、天界に通じる門であり、これを破壊されると援軍が絶たれて劣勢になる恐れがありました。
 出て行ったと思ったリュドシエルは、ネロバスタの元にすぐに戻って来ます。リュドシエルは、念のために門を開いて援軍を要請するようネロバスタに命じます。しかしこれはゴウセルによる幻でした。ゴウセルの術にはまったネロバスタは、ゴウセルを門まで案内します。またメラスキュラもゴウセルと共に門の前にやってきていました。
 <四大天使>対<十戒>の戦いは、徐々に<十戒>が挽回してきていました。しかしそこへリュドシエルが現れます。戦況が不利になったと悟った<十戒>のモンスピート及びデリエリは、自分の心臓を掴み出して贄として差し出す事で本性を解放し、「インデュラ」へと変化します。

 以上が、鈴木央さんの「七つの大罪」第25巻の物語です。
 キング及びディアンヌの試練という名目で、物語が三千年前の過去に飛びました。これは終盤に向けて一気に謎が解けそうな予感です。
 まず、エリザベスに関して。三千年前の世界には女神族のエリザベスが存在し、メリオダスの恋人のようです。現代のエリザベスは、この女神族のエリザベスの生まれ変わりという所なのでしょう。
 女神族に関して。これまては女神族という名称は登場していたものの、よく分からない存在でした。三千年前の世界には女神族が存在しています。人間の味方ではあるようですが、必ずしも善というわけでは無さそうです。<四大天使>のリュドシエル、サリエル及びタルミエルが登場していますが、<四大天使>ですからもう1人いるはずで、出し惜しみしている所から考えて、この残りの1人は重要人物になりそうな予感。
 ゴウセルに関して。三千年前の世界にゴウセルが登場し、どうやら魔神族側についている様子。ゴウセルが<十戒>の1人という噂の真相がそろそろ判明しそうです。三千年前のゴウセルは、鎧姿ではなく、いつもの姿でした。この漫画の初めの方でゴウセルが登場した際に、メリオダスも鎧姿のゴウセルの中身を知らなかったような気がするのですが、この辺りの辻褄は合っているのでしょうか。
 メリオダスに関して。三千年前の世界では既にメリオダスが魔神族ではなく人間側に付いています。このため、メリオダスが魔神族を裏切って人間側に味方するようになった理由などについては、もう少し後で明かされる事になりそうです。
 今巻の最後では、モンスピート及びデリエリが「インデュラ」に変化しました。当初は激強かった<十戒>も今ではより強い奴らが登場して見劣りするようになってきていました。少年漫画のお約束には<十戒>も勝てません。これまた少年漫画のお約束である敵ボスが変身して強くなる、を<十戒>も使ってきました。戦闘能力のインフレは止まりません。
 この三千年前の物語ですが、次の巻で終わる気がしません。何巻くらい続くのか?

 

映画 「TOKYO TRIBE」

 映画「TOKYO TRIBE」は、2014年8月に公開された日本の映画です。
 この映画は、井上三太さんの漫画「TOKYO TRIBE」を実写化した作品だそうです。残念ながらこんな漫画が存在するとは全く知らず、漫画作品を実写化した映画だとは思いもせずに、この映画を見てみました。
 またこの映画は、かの有名な映画監督、園子温さんの作品です。かの有名なと言いつつ、園子温さんの作品を見るのは初めてな気がします。有名監督の作品とか、賞を取った作品とかは、たいてい面白くない事が多い…。この映画「TOKYO TRIBE」もやはり…面白くないです。
 この映画「TOKYO TRIBE」は、ものすごく斬新な映画でした。強いてジャンル分けするとすれば、ラップ・ミュージカルと言ったところでしょうか。全体の半分以上のセリフがラップで行われます。これ以上ないくらい斬新なのですが、斬新だからと言って面白いという訳ではなく、斬新過ぎてついていけません。恐らく、この映画を見た8割以上の人が同じ感想を抱くのではないかと推測します。DVDで見ているのなら、早送りするか、途中で見るのを止めてしまっても不思議ではない。私も、我慢して最後まで見ましたが、こんなに見るのが苦痛な映画は記憶にありません。もしかしたら、コアなラップ好きであれば、楽しめる映画なのかもしれませんが…。
 この映画には、かなり多くの人達が登場し、ラップを披露しています。これは本職のラッパーさん達が大量に採用されているようです。流石に本職のラッパーさん達のラップは、素人の私が聴いても上手い事が分かります。ただし映画作品なので、当然にラッパーではない本職が俳優の人達も登場します。この本職俳優さん達のラップは、素人の私が聴いても下手な事が分かります。聞いていて痛々しいくらいです。
 ただしただし、ラップ・ミュージカルと言っても映画ですので、当然にラップではなく普通にセリフを発するシーンもあります。このときに本職俳優さんの演技は流石にうまいです。これに対して本職ラッパーさん達の演技が酷すぎる…。セリフ棒読みで学芸会レベルです。見ていて痛々しいくらいです。
 そして、物語の内容もかなりチープでした。物語の舞台となる「TOKYO」の風景なども、いかにも作るものっぽくてチープでした。もはや褒めるところが思いつかない映画でした。
 以下、映画「TOKYO TRIBE」の物語のあらすじを一応、簡単に、記載します。ネタバレ注意です。

 荒廃した都市「TOKYO」は複数の地区に分割され、各地区はそれぞれ「トライブ」と呼ばれる集団により統治されています。渋谷はシヴヤSARU、新宿はシンヂュクHANDS、歌舞伎町はGIRA GIRA GIRLS、練馬は練マザファッカー、池袋はブクロWU-RONSがそれぞれ支配しています。しかし武蔵野には、友情や平和を求める人々が集まっています。
 池袋に黒ワゴン車が現れ、男達が女達をナンパして黒ワゴン車を乗せ、何処かへ向かいます。池袋の路上で眠っていた少女スンミ(清野菜名)も男達に車へ連れ込まれ、近くにいた少年ヨン(坂口茉琴)は車に潜り込みます。車に載せられた女達は、トライブとは別にTOKYOで大きな権利を持つヤクザのような人物ブッバ(竹内力)の城に連れて来られ、働かされる事になります。スンミはブッバに反抗してブッバの息子ンコイ(窪塚洋介)に気に入られ、ヨンは何とか逃げ出します。
 ブッバの城には、ンコイを含むファミリーの他に、池袋のトライブのリーダーであるメラ(鈴木亮平)がいました。メラは、ブッバの部下として信頼を得ています。メラは、武蔵野の海(YOUNG DAIS)を何故か目の敵にしています。
 スンミは、娼婦として働かせるために、ンコイの部下達が別の場所へ連れて行きます。スンミは格闘能力が高く、ンコイの部下達を殴り倒します。そこへンコイ及びメラが現れ、スンミはンコイを殴り倒しますが、メラには敵わず、捕まってしまいます。
 その頃、メラの部下の1人は、武蔵野の海の仲間達が集まるレストランに潜り込んでいました。メラの部下は、海の仲間のキム(石田卓也)を、いい風俗があると騙して池袋へ連れ出します。この事を知った武蔵野のリーダー的存在のテラ(佐藤隆太)は池袋へ向かい、海及びハシーム(石井勇気)も同行します。池袋にやって来たキムは、スンミが捕まっている部屋に案内され、そこにいたメラ、ンコイ及びその部下達に囲まれ、捕まります。
 その後、キムを追って海達もこの部屋へやってきます。メラは海に恨みを持っているようですが、海は以前に一度だけサウナでメラに会った事があるだけで、恨まれる覚えは全くありません。海達とメラ達との乱闘が始まり、キムは手榴弾で殺されます。メラは日本刀で海を刺し殺そうとしますが、テラが海を庇って刺されて倒れます。このどさくさに紛れて、ヨンがスンミを助けに現れ、2人は逃げます。海はメラと闘い続け、ハシームは刺されたメラを連れて逃げます。
 ブッバの元に大司祭(でんでん)から娘が居なくなったと連絡があります。ブッバは、大司祭の娘を探し出すことを約束します。大司祭は、配下として使うようにと、自身の部下2名をブッバの元へ送ります。
 海は、スンミ及びヨンと合流し、更にテラを抱えたハシームとも合流して、武蔵野へ戻ります。ブッバは、トライブ全てを破壊しTOKYOを手中に収め、大司祭の娘を探し出す事を決め、メラに実行を命じます。メラ及びブッバ配下の軍団WARUが各トライブに対して一斉に攻撃を開始します。各トライブはWARUに押されて武蔵野へと集まって来ます。武蔵野のテラは各トライブのリーダー達も認める人物でしたが、メラに刺された事で死亡してしまいました。テラの死を知った各トライブは、一致団結してブッバと戦う事を決意します。
 そして、全トライブと、メラ及びブッバ軍団との最終決戦が始まります。海、スンミ及びヨン達は、ブッバの城内へ攻め込み、ブッバファミリーとの直接対決に挑みます。ンコイは、城内に設置された巨大扇風機のような殺戮マシーンを起動し、逃走します。殺戮マシーンは周囲の人々を誰彼構わずに吸い込んで肉片に変えて行きます。ブッバもまた殺戮マシーンにより死亡します。戦いは城外へ移り、スンミ及びヨンは協力してンコイを倒します。最後は、海及びメラの一騎打ちとなり、人々が見守る中で闘いが繰り広げられ、海が勝利します。
 闘いに敗れたメラは、過去の出来事を思い浮かべます。メラが銭湯で風呂につかっていると、海が入って来ます。メラは、自分より大きい海のチ×ポを見て、海を倒す事を決意しました。

 以上が、映画「TOKYO TRIBE」の物語です。
 内容の薄い物語でした。対立していた複数のトライブが一致団結してブッバを倒しました、ただそれだけでした。結局、対立している集団が団結するためには、より巨大な敵が必要ということですね。
 この映画の主人公はどうやら海だったようなのですが、海の存在感が無さ過ぎて映画の半分を過ぎるまで海が主人公とは気付きませんでした。てっきり、スンミが主人公だと思いました。海を演じていたのは、本職ラッパーの方のようで、台詞も少な目。海の外観も、どこから見ても、その他大勢の1人にしか見えません。格闘能力も無さそうで、メラにどうして勝てたのか疑問です。
 全く良いところのない映画の中で、スンミだけは頑張っていました。アクションシーンが多く、台詞も多目です。スンミが主人公の普通のアクション映画にした方が良かったのでは、と思えるくらいです。またスンミの衣装は超短いスカートで、スンミはパンツ丸出しでアクションしており、更にはスンミは上半身裸の姿まで披露しており、サービス満点です。ただこのサービスシーンは、物語においてどうしても必要とは思えず、単なる監督の趣味のように思えます。スンミを演じていた清野菜名さんは、今でこそ名前を知られていますが、この作品の公開当時は無名の新人女優さんだったようで、有名監督のセクハラ演出に反抗出来るだけの発言力がなかったのでしょうね・・・。
 この映画のスンミの活躍シーンを抜き出して5分程度に圧縮してミュージックビデオにすれば、そこそこいいものが出来上がりそうに思えます。そのくらいが限度では。久し振りに映画の2時間が苦痛な作品を見てしまいました。