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映画 「キングダム」

 映画「キングダム」は、原泰久さんの漫画「キングダム」を実写化した映画作品であり、2019年4月に公開されています。
 原泰久さんの漫画「キングダム」は、以前から気になっていた作品で、いずれ読みたいと考えながらも、現在60巻にまで達しているその分量に躊躇して手を出せずにいた作品です。実写映画化が発表されたときには、「最近、漫画の実写化映画が多いな…」くらいにしか思わず、「どうせコケるだろ」と思っていました。ところが、映画が公開されてみると高評価を得ているようで、漫画原作の実写化映画の数少ない成功例となったようです。既に続編の映画化も決定しているようで、楽しみな作品です。
 それでは以下、映画「キングダム」のあらすじを記載します。ネタバレ注意です。

 古代の中国。大平原を一台の馬車が進んでいます。この馬車には奴隷として売られた子供達が乗せられていました。馬車は大将軍の王騎(大沢たかお)の軍勢とすれ違い、馬車に乗せられていた少年の信は大将軍に憧れを持ちます。里典(六平直政)に買われた信は、ここで先に奴隷として働かされていた少年の漂に出会います。漂は、奴隷の身分から脱するには剣の腕前に頼る他ないと信に語り、信と共に剣の稽古を始めます。
 数年後。青年に成長した信(山﨑賢人)及び漂(吉沢亮)は、共に大将軍となることを夢見てあれから毎日剣の稽古を続けていました。ある日、2人が剣の稽古をしている様子を1人の貴族が眺めていました。その後、信及び漂が山仕事と剣の稽古とを終えて里典の家へ戻ると、先ほど2人を見ていた昌文君(髙嶋政宏)がいます。昌文君は、漂を買い取りたいと言います。貴族の下で働けるまたとないチャンスでしたが、漂は信も一緒にと願い、それを断られると1日だけ考える時間が欲しいと答えます。昌文君はこれを承知して引き上げていきます。漂は昌文君の申し出を受けるつもりだと信に語り、信は必ず追いついて見せると答えます。そして漂は去り、信は1人で剣の稽古を続けます。
 しばらくしたある夜。立派な服装を纏った漂が深手を負って信の元へ戻ってきます。漂は何者かに追われているようで、信に地図を渡し、地図に描かれたある場所へ行くよう信に言い残して死亡します。漂の死に怒った信は追手を迎え撃とうとしますが、理典に諭され、漂が持っていた剣を手に、漂の遺言に従って地図に記された場所へ向かいます。信が去った後、漂を追っていた刺客の朱凶(深水元基)と、刺客を差し向けた左慈(坂口拓)及びその部下達とが現れます。左慈は漂の死体を見て偽物と判断し、口封じのためにこの村の全員を殺害して焼き払うよう部下達に命じます。
 目的地へ向かって走る信の姿を、梟のような被り物を装着した小柄な人が見ています。しばらくして、信の前に盗賊団が現れます。先ほどの小柄な人が呼び寄せたようです。信は盗賊団を1人であっさりと倒し、先へ進みます。信が地図に記された目的地に到着すると、そこには天幕が張られており、中には漂と瓜二つの男がいました。この男は、秦国王の「えい政」(吉沢亮)でした。(「えい政」の「えい」の漢字が表示できないので、以下では単に「政」と呼びます。)政は信の事を漂から聞いて知っており、信はこの政の身代わりに漂が殺されたのだと悟ります。そこへ、刺客の朱凶が現れます。朱凶は信及び政の2人がかりにも余裕で対応する強さを見せますが、苦闘の末に信が朱凶を倒します。信がトドメを刺そうとすると朱凶は命乞いし、信はためらいますが、政が朱凶にトドメを刺します。刺客は倒しましたが、信の村が燃えているのが遠くからでも確認でき、敵軍も近くまで迫っているようです。信及び政は敵軍を突破することを決意しますが、そこへ梟のような被り物の小柄な人が現れ、抜け道を教えると言います。この小柄な人は被り物を取るとまだ子供で、河了貂(橋本環奈)と名乗ります。貂が褒美を目当てにしていることから政は貂を信じることにします。
 秦国では国王の弟である「成きょう」(本郷奏多)が反乱を起こしていました。(「成きょう」の漢字が表示できないので、以下では単に「成」と呼びます。)成に味方する竭氏(石橋蓮司)は、暗殺した政が偽物だったこと、偽物の死体が発見された村を焼き払った事などを成に報告します。成は、政の弟でしたが母親が異なっており、政の母親は身分が低い女性だったことから、自分の方が国王にふさわしいと考えて反乱を起こしました。成は、身分の低いものを人と思わない横暴な人物であり、政の首を早く持ってくるよう命じます。
 信及び政は、貂に案内されて抜け道を進んでいました。政は、弟の成の反乱を昌文君が察知して替え玉として漂を連れて来たこと、漂は喜んで政の替え玉の役割を引き受けたことを話します。政は、奴隷へ戻るか、自分と共に修羅の道を進むかを選べと信に言い、信は政と共に行く道を選びます。政は、まず昌文君と落ち合う予定の場所へ向かう事を決めます。
 その頃、成の元には、刺客として放った朱凶が返り討ちにあったとの方向がなされていました。成は、いつまでたっても政を倒せないこと、更には昌文君にも逃げられていることに怒ります。そこへ、隠居したと噂されていた王騎将軍が現れ、昌文君の首を取ったと言い、昌文君の首を差し出します。その首は損傷が激しく昌文君のものかはっきり分かりませんでしたが、王騎将軍は自分と戦えば誰でもこうなると豪語します。王騎将軍は昌文君が治めていた領地を要求し、成は王騎将軍にこの領地を与えることを認めます。
 信及び貂は、政に導かれて「山の民」の領域へと足を踏み入れます。400年前に秦国と山の民とは同盟を結んでいた事がありましたが、今では皆から恐れられている存在です。3人が竹林を歩いていると、政を狙う刺客が現れます。この刺客ムタ(橋本じゅん)は、毒吹き矢を使います。信は、刺客ムタを倒しますが、毒矢を受けて倒れます。
 気が付くと、信は傷を手当てされ、綺麗な建物の中に寝かされていました。この建物は、400年前に秦国と山の民とが交流するために建てられたもので、今でも綺麗に保存されていました。政は倒れた信を担いでここ間で運び、貂が解毒剤を調合して信を手当てしました。政は、後ろ盾だった呂不韋が遠征で都を離れた隙に弟の成が反乱を起こしたという事情を信及び貂に話します。政は、信じられるのは昌文君のみで、この建物が昌文君と落ち合う約束をした場所だと話します。そして昌文君が味方の兵士達と共に現れ、政との合流を果たします。
 王騎将軍が昌文君の首を取ったと信じる竭氏は、呂不韋との戦いのために8万人の兵士を集めていました。その中には、通常の人間の倍以上の巨体を誇るランカイ(阿見201)もいました。成は、政の母親は庶民の出であり、高貴な血を引く自分こそが王に相応しいと兵士達に語ります。
 昌文君は、成による反乱が起こった際の出来事を政に話していました。昌文君及び配下の兵士達は、影武者である漂と共に隠し通路を通って城から脱出し、馬に乗って逃走しました。しかし追っ手に囲まれ、昌文君及び兵士達には諦めの雰囲気が漂い始めます。そのとき、漂が王として先頭に躍り出て兵士達を鼓舞し、兵士達と別れて1人で敵を引き付けて走り去って行きます。漂の行動は、昌文君及び兵士達を助けるためのものでした。信は、やはり漂はすごい男だと感じます。その後、政達は、今後の対策を相談します。政は、これまでの後ろ盾だった呂不韋が、自ら王になる機会を窺っており、政が倒されて成が王になるまで動かないと予想します。他に援軍の当てはなく、政は山の民の力を借りるべく、山の民の王に会いに行く事を決めます。
 山奥へと分け入った信、政、貂、昌文君及び兵士達は、山の民に遭遇します。山の民は平地の民に対して敵対心をもっており、信達に縄をかけて王の元へ連れて行きます。政は、山の元の王である楊端和(長澤まさみ)に力を貸して欲しいと頼みます。しかし、400年前の同盟は秦国の裏切りで破綻し、この時に多くの山の民が秦国に殺された過去があり、政の頼みは受け入れられません。政は、争いを無くすために国境を無くす、つまり中国を統一するという自身の目的を語ります。信は、先祖の無念を晴らしたいなら、先祖の夢を叶えてやれと言います。楊端和は、政と手を結ぶ事をかめ、山の民の兵を集めるよう指示を出します。ただし、政の配下が30人、山の民ですぐに集められるのが3000人、これに対して成の軍勢は8万人でした。政は策を練ります。
 成がいる王城の前にに、山の民の軍勢約3千人がやってきます。この中には、山の民に変装した政及び信達も混じっています。山の民は成との同盟を結ぶためにやってきたと告げ、呂不韋との戦いに備えて少しでも援軍が欲しい成の陣営は山の民との同盟を受け入れる事にします。成の陣営は、山の民の王と、配下の50人までとに城内へ入る許可を出します。山の民から精鋭40人と、信の配下から精鋭10人とが選抜されて、楊端和と共に城内へ入ります。選抜メンバーには、政、信、貂及び昌文君が含まれています。城内へ入った政は、山の民の仮面を外して素顔を見せます。これにより、政及び山の民と、成の兵士達との戦いが始まります。政は敵を引き付けるための囮であり、この隙に信を含む数名は隠し通路を通って成のいる本殿を目指していました。
 しかし隠し通路には、左慈及びランカイが率いる兵士達が待ち構えていました。左慈は、山の民の戦士を軽々と倒す腕前でしたが、政が居ないことに気落ちし、兵士達に後を任せて帰って行きます。信達は、敵兵士達を優勢に戦って倒しますが、ランカイは強敵でした。仲間達と協力して信はランカイを倒しますが、ここで時間をロスしてしまいます。この間、政達は、多勢に無勢の戦いを何とか持ちこたえていました。
 本殿で戦いを見守っている成及び竭氏達は、政が攻め込んで来たことを逆に喜んでいました。政を倒せば、堂々と秦国の王になることができます。そこへ、ランカイを倒した信達が成を倒そうと現れます。しかし、信達の前に左慈が立ちはだかります。左慈は、元将軍でしたが、虐殺を行って追放され、今では人斬りになっていました。左慈は圧倒的に強く、信及び仲間達が束になってかかってもかないません。仲間の山の民の戦士達が次々と倒され、信も追い詰められますが、左慈の剣を折るほどの一撃で辛くも勝利します。
 政達は次々と現れる兵士達との戦いを続けており、徐々に疲れが出始めていました。その戦場に突然、成が現れます。
 その少し前、左慈を倒した信が玉座に座る成に対していました。臣下の貴族達は、成を置いて逃げ出して行きます。竭氏も逃げようとしますが、それを貂が阻止します。貂は、以前に倒されたムタの毒吹き矢を拾っており、毒矢を竭氏の顔に刺します。竭氏は、短剣で貂を刺し、山の民の戦士に斬り殺されます。信が貂に気を取られた隙に、成は玉座から逃げ出します。貂は、梟の被り物の下に頑丈な鎧を着込んでおり、無傷でした。
 成を追って信達が戦場へやってくると、戦いは止まっており、政及び成がにらみ合っていました。成は剣を抜いて政に斬りかかりますが、政は軽々とこれをかわし、成の腕を軽く傷付けます。自分の腕から血が流れている事に動揺した成を、政は殺す価値もないと殴ります。成に味方していた兵士達は、このままでは反逆者として裁かれる事になると考えで、政達に襲いかかろうとします。そのとき、王騎将軍が軍勢を引き連れて現れます。王騎将軍は政に玉座を取り戻して何をしたいかと問い、政は争いを無くすために中華の統一王となることと答えます。王騎将軍は政を認めます。
 王騎将軍は、成に付いていた魏興(宇梶剛士)及びその配下の兵士達に投降を求めます。兵士達はこれに従わずに王騎将軍へ向かっていきますが、王騎将軍は巨大な槍を振り回して兵士達をなぎ倒します。魏興は政へ向かっていきますが、成を守る信の剣に敗れます。王騎将軍は、自軍に撤退を命じ、去って行きます。信は、王騎将軍に自分の名前を告げ、天下の大将軍になる男だと豪語します。王騎将軍は、次は本物の戦場で会おうと答えます。
 王騎将軍は、成の内乱から民を守るよう自軍を配置し、昌文君の偽の首を差し出して昌文君の領地をもらい受ける事で昌文君の領地の民をも守っていました。この事を後に知った昌文君は、王騎将軍の偉大さを痛感します。
 こうして、政の軍は勝利を収め、政は秦国の王に戻ります。信は、武勲を立てて大将軍になる事、政の中華統一に力を貸すことを改めて決意します。

 以上が、映画「キングダム」の物語です。
 前評判が良かったので期待して見ましたが、期待したほどではありませんでした、というのが正直な感想です。少し期待し過ぎたのかもしれません。面白くなかったという訳ではなく、普通に面白い映画だったとは思いますが、まぁ普通くらいの面白さでした。
 原作の漫画は読んだことがありませんが、評判が良かったところを見ると、原作の雰囲気を上手く実写化できていたのだろうと想像します。前評判は、原作の再現度に対する高評価だったのでしょう。
 原作抜きで映画の物語を見ると、王座を奪われた王様が蛮族の力を借りて王座を取り戻すという、良く言えば王道の展開、悪く言えばありきたりの展開でした。何となくこの展開に見覚えがあるようなと考えてみたら、映画「ブラックパンサー」が同じ展開だったことを思い出しました。他にもまだまだ似た展開の作品がありそうな気がします。漫画「キングダム」は2006年から連載が開始されており、映画「キングダム」は連載初期の内容を実写化したものと思われるため、2018年公開の映画「ブラックパンサー」に似てるというのは的外れかとは思いますが…。ただ、映画「キングダム」は2019年公開ですから…。強いて言うなら、映画化が遅すぎたということかもしれません。
 また、敵が大軍、見方が少人数という不利な状況の場合、優れた知略でこの状況を挽回して勝利するというのを期待するところです。この映画では、山の民に化けて城内へ入り、数人の別動隊が隠し通路を通って敵ボスを倒しに行くという作戦がとられていました。こんなショボい作戦でいいの?しかも、最も守らなければならないはずの王様が囮として先頭を進むという…。ほぼほぼ力押しと言ってもいいような作戦でした。もちろん、映画ですからこの作戦が成功してしまうのですが、あれだけの戦力差で王様が死ななかったのはほぼ奇跡ではないかと。この作戦だったら、王様が城へ乗り込む必要はなく、外で待っている方がベストな気がします。
 話は変わりますが、この映画にはほとんど男性しか登場しなかったのが印象的でした。女性のキャラクタは、長澤まさみさんが演じた楊端和と、橋本環奈さんが演じた河了貂との2りだけ。河了貂は、橋本環奈さんが演じているのだから多分女性だと思うのですが、性別がよくわからないキャラクタでした。この男臭さが良かったです。大沢たかおさんが演じた王騎将軍が女性っぽいキャラクタだったのが何故?と疑問に思いましたが。王騎将軍が登場するシリアスなシーンで思わず笑ってしまいそうです。
 何だかいろいろ批判的な事を書いてしまいましたが、この映画は面白かったですよ。続編の製作も決定しているらしいので、ぜひ見たいと思っています。次は、やたらと意味深だった王騎将軍が敵になるのか、今作で名前しか出てこなかった呂不韋が敵になるのか、それとも?




映画 「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」

 「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」は、2019年6月に公開された日本映画です。ファイナルファンタジーというタイトルが付けられていますが、3D又は2Dのファンタジーアニメ作品、という訳ではありません。ファイナルファンタジーのゲームを通した親子の触れ合いを描いた現代日本を舞台とする実写映画です。
 この作品は、元々はブログ日記として人気が出て2017年に書籍化及びドラマ化され、更に2019年に映画化されたというものです。昔の「電車男」のように、ネット発でマルチメディア展開が行われた作品です。
 この作品の書籍版は未読ですが、ドラマ版は放送当時にリアルタイムで見ていました。主人公の稲葉光生を千葉雄大さんが、そのお父さんである博太郎を大杉漣さんが演じているドラマでした。良いドラマだったと記憶しています。
 そして映画版は、ドラマ版からキャストが一新され、主人公の岩本アキオを坂口健太郎さんが、そのお父さんである暁を吉田鋼太郎さんが演じています。後発ということで、物語に何らかの変化が加えられているのか、それとも単なる焼き直しなのか。このあたりが注目ポイントでしょうか。
 それでは以下、映画「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」のあらすじを記載します。ネタバレ注意です。

 岩本アキオ(坂口健太郎)は、マルチプレイのオンラインゲーム「ファイナルファンタジーXIV」に「マイディー」という名前の女の子キャラクタで参加し、オンライン上の友人達と仲良くゲームを楽しんでいます。現実世界で会社員のアキオは、実家で母の由紀子(財前直見)及び妹の美樹(山本舞香)と共に生活しています。父の暁(吉田鋼太郎)は単身赴任で家にはいませんでしたが、専務に昇進することが内定しています。暁は昔から無口な会社人間であり、アキオは子供の頃から父と一緒に遊んだ記憶がなく、父と会話する機会も少なく、父がどんな人間なのかよくわかりませんでした。
 ある日。暁は突然に会社を辞め、家に戻ってきます。暁は会社を辞めた理由を家族に話そうとはしませんでしたが、由紀子は定年が少し早まっただけと気楽に考え、美樹は彼氏とのデートに忙しく気にもしていませんでした。アキオは会社帰りに公園のベンチで考え込んでいる父の姿を見かけ、少し心配になります。会社の先輩である吉井(佐藤隆太)に父の事を相談したアキオは、何か共通の趣味はないのかと吉井に尋ねられます。
 吉井の問いにアキオは、小学生の頃にファミコンのゲームソフト「ファイナルファンタジーIII」を父に買ってもらった事を思い出します。小学生のアキオは、ある晩に父がこっそりと「ファイナルファンタジーIII」で遊んでいるのを目撃し、それから一緒にこのゲームを楽しみました。この出来事は、アキオにとって唯一と言っていい父との楽しい思い出でした。
 その後、アキオは、「ファイナルファンタジーXIV」の世界の仲間にも父の事を相談します。仲間達との会話の中で1人が、ゲームの中では本でを語れるのに現実世界ではなかなか本音を語ることができないと話し、これを聞いたアキオは、父をこのゲームに誘う事を思いつきます。アキオは、自分が「マイディー」であることは隠して父とゲーム内で仲間になり、ラスボスを一緒に倒す冒険を通じて父の本音を聞き出そうと考え、これを「光のお父さん計画」と名付けて仲間達にも協力を頼みます。
 早速、アキオは、退職祝いと称してPS4と「ファイナルファンタジーXIV」のゲームソフトとを父にプレゼントします。しかし父はあまり興味のない様子を見せます。アキオは、小学生の頃に「ファイナルファンタジーIII」のラスボスを一緒に倒そうと父と約束したけれど、父は仕事で忙しく家に帰ってこず、結局1人でラスボスを倒したことを思い出します。思い返してみると、この出来事以来、アキオは父と疎遠になったような気がしました。
 アキオは計画を諦めかけますが、アキオが休みの日に父が突然ゲームをしたいと言い出します。アキオがPS4をテレビに接続し、家族揃ってキャラクタを作成し、「インディ・ジョーンズ」と名付けられたキャラクタで父は「ファイナルファンタジーXIV」のゲームを始めます。アキオも自室でゲームをプレイし、現実世界とゲーム世界との両方で父の様子を見守ります。アキオは、ゲーム内で父のキャラクタと接触するのをしばらくは避けようと考えていました。しかし父のインディは強力な敵に戦いを挑んでピンチに陥り、アキオは自キャラのマイディーでインディを助けてしまいます。アキオは覚悟を決めてインディに話しかけますが、インディからの返事はなく、インディは妙な動きを繰り返しています。その頃、父は会話の方法が分からずに困っていました。アキオは、使っていないキーボードを父に渡します。
 アキオが務める会社の同僚である井出里美(佐久間由衣)は、アキオに対して好意を抱いていました。里美は、アキオに話しかけて仲良くなりたいと考えていましたが、何かを真剣に悩んでいるアキオを見て話しかけるタイミングを掴めずにいました。そのアキオは、ゲーム内で父にフレンド申請を行うタイミングを掴めずに悩んでいました。帰宅したアキオは、ゲーム内で父を待ちますが、インディは現れません。父はゲームを辞めたと言い、アキオが理由を聞くと、ゲーム内で服を着替える方法が分からなかったという答えが返ってきます。雪が積もったステージへ進んだ父は、周りのキャラクタがコートを着ているのに自分のキャラクタが半袖の服を着ているのが恥ずかしかったようです。この出来事からアキオは、父がゲームの超初心者であり、どのようなタイミングでフレンド申請しても怪しまれることはないと思い至ります。アキオのマイディーは、ゲーム内で父のインディに偶然を装って再会して話しかけ、フレンド申請をします。しかし、インディからの反応はありません。アキオが戸惑っていると、父がアキオの部屋にやってきて、フレンド申請されたことを話します。アキオは、承認すればよいと父に教え、これからはその人を友達として頼っていいと話します。その後、アキオのフレンドを加えた4人でパーティミッションに挑み、父は仲間と協力して楽しむことを知ります。
 アキオが会社で「ファイナルファンタジーXIV」の攻略ページを見ていることを知った里美は、自分も「ファイナルファンタジーXIV」を始め、ハマってしまいます。夜遅くまでゲームを楽しんだ里美は、次の日にアキオに話しかけられたときに「ファイナルファンタジーXIV」にハマっているとさり気なく告げます。これを聞いたアキオは喜び、今度「ファイナルファンタジーXIV」について語り合おうと里美を誘います。その直後、アキオが所属するチームに重要なコンペの仕事が任され、アキオは仕事が忙しくなり、しばらくゲームをプレイする時間が取れない日々が続きます。
 しばらくして、久しぶりに「ファイナルファンタジーXIV」をプレイしてみると、アキオは仲間達から父がゲームを楽しんでいる様子を聞かされます。しばらく見ない間に、父はすっかりこの世界に馴染んでいました。アキオのマイディーに久しぶりに再会した父のインディは、イフリート討伐のミッションにチャレンジしようとマイディーを誘います。仕事で疲れているアキオは、勘弁してくれと思いながらも、ミッションに付き合います。しかしイフリート戦ではインディが足を引っ張り、何度チャレンジしてもイフリートを倒すことができず、この日は諦めることになります。
 アキオのチームのコンペは上手くいかず、このままでは他社に仕事を取られるピンチに陥ります。アキオのチームは遅くまで残業して対策を練りますが、他社は大手であり、アキオは諦める気持ちになってきます。遅くに帰宅したアキオは、父が「ファイナルファンタジーXIV」の攻略本に付箋を貼るほど読み込み、イフリート対策をしていることを知ります。その夜、アキオは数日振りにゲームをプレイし、父のインディを含む仲間達と共にイフリートを倒します。その後、アキオはゲーム内で仕事の悩み、コンペに負けそうな状況であることをインディに話し、それでもインディが諦めずに敵と戦う姿を見て自分も諦めずにコンペを頑張る気になったと話します。インディは、過去に自分がコンペを受ける側だったことを話し、熱意を見せれば必ず相手に伝わるとアドバイスします。
 アキオは、あきらめムードが漂っていた仲間達を励まし、コンペを成功に導きます。その日、里美は会社帰りのアキオに声をかけ、コンペの成功をお祝いしようと、アキオに行きたいところを尋ねます。その結果、里美とアキオとは、「ファイナルファンタジーXIV」の世界で会うことになります。ゲーム内での里美のキャラクタは、「ビッグ・ゴリオ」という名のゴツイ男のキャラクタでした。里美がこれは究極のデートだと喜んでいると、偶然に通りかかったインディが割り込んできます。アキオは、里美との会話でマイディーの正体が父にバレるのではないかと冷や冷やします。その後、ビッグ・ゴリオはマイディー及びインディの仲間達にも紹介されます。仲間達と会話する中で、インディは自分の実年齢が60歳であり、息子と娘がいると打ち明け、娘が今度連れてくると言っていると怒りをにじませます。
 次の休日。美樹が恋人の工藤賢介(前原滉)を家に連れてきます。工藤は芸歴10年の売れない芸人でした。工藤は美樹との結婚も考えていると言いますが、父はバイト生活の工藤に本当に将来を考えているとは思えないと否定し、出て行くよう言います。怒った美樹は工藤と共に家を出て行きます。怒った母は、美樹が帰ってくるまで、ゲームを1日1時間に制限します。その後、ゲーム内にやって来た父のインディは、タイタンを倒しに行こうと誘います。タイタンが工藤に似ているという理由でした。インディは、現実世界での怒りをぶつけるように、タイタンに対して怒涛の攻撃を繰り出しますが、1時間の制限時間が過ぎてコントローラを取り上げられてしまい、ゲームは中断します。夜12時を過ぎて日付が変わった頃にインディは再びゲーム内に現れますが、マイディー以外の仲間は既にログアウトした後でした。マイディーは、タイタンも初見で倒すことは難しいことを例に挙げて、もう少し相手の事を知ってみてはどうかとインディにアドバイスします。
 父は、工藤の漫才コンビが出演するお笑いライブに足を運びます。美樹は父がライブを見に来たことを知って喜びます。工藤の漫才を見た父は、思わず笑います。ライブ終了後、美樹に感想を聞かれた父は、面白かったと答えます。父が工藤の事を認めたことで、父と美樹とは仲直りすることができます。
 インディからアドバイスをもらって上手くいった事についてお礼を言われ、マイディーとフレンドになれて良かったと言われたアキオは、ラスボスのツインタニアを倒してマイディーの正体を明かす計画を実行することを決意します。
 しかしツインタニアを倒すことは容易ではありません。ツインタニアを倒す仲間となった里美に対してアキオはキャラクタ強化のためにゲーム内のアイテム(指環)をあげると会社内で話します。この会話の一部を聞いた同僚女性達は、アキオ及び里美が結婚すると勘違いしてしまいます。
 ツインタニアとの戦いでは1人のミスが即敗北へ繋がる可能性があります。父は、攻略法を研究すると共に、アキオに教えを請いに来ます。アキオは、ゲーム内ではなく現実世界で、父のゲームの練習に付き合います。父は、本番の戦いの際に、隣でサポートして欲しいとアキオに頼みます。しかしアキオは自分のキャラクタで戦いに参加しなければならず、父の頼みを受けることはできません。アキオは、仕事が忙しいから無理だと父の頼みを断ります。
 マイディーの仲間達もそれぞれツインタニアとの決戦に対して十分な準備を行い、とうとう決戦の日が次の金曜日の9:30分と決まります。そして金曜日、父は朝から落ち着かない様子ですが、気合は入っています。しかし母が買い物から自宅へ戻ってくると、父が腹部を押えて倒れていました。決戦に遅れないよう仕事を捌いていたアキオに、父が病院へ運ばれたと電話が入ります。アキオは病院へ駆けつけ、母及び美樹と共に、前の会社の定期検診で父の病気が発見されていた事を聞かされ、父が突然に会社を辞めた理由が病気だったことを悟ります。父の病気を知ったアキオは、ゲームなんかしている場合ではなかったと後悔します。医師の話を聞いたアキオ達は父の病室へ向かいますが、そこに父の姿はありませんでした。アキオ達は父を探しますが、父は自宅へも戻っておらず、行方が全く分かりません。
 そこへ里美からアキオへ電話がかかってきます。約束の時間が近付いても全く現れないマイディーを心配しての電話でした。里美は、インディが既にやってきて気合満々であることをアキオに話します。父は、「ファイナルファンタジーXIV」をプレイ可能なネットカフェを探し出し、そこからゲームにログインしていました。アキオは、急いで家に戻り、ゲームにログインします。マイディー及びインディを含む仲間達はツインタニアとの決戦に挑み、協力し合ってツインタニアを攻撃し、最終的にはインディの必殺技でツインタニアのトドメを刺して倒すことに成功します。決戦終了後、インディは仲間達にお礼を言うと共に、自分が病気であり、しばらくゲームをすることができなくなることを報告します。インディは、仲間達に自分の想いを語り始めます。
 これまで仕事人間だった父は、病気が発見されて会社を辞める事になり、仕事をしていない自分の存在意義を見出せずにいました。医者には手術を勧められていましたが、手術を受ける勇気を持てずにいました。しかし父は、仕事以外にも楽しいことや、自分の居場所があることに気付き、病気と闘う勇気を持つことができました。父の想いを知ったアキオはインディを父さんと呼び、父はマイディーの正体がアキオであることに気付き、今度は一緒に倒せたなと答えます。父も「ファイナルファンタジーIII」のボスを一緒に倒すという約束を果たせなかったことを覚えていました。
 父は手術を受けることになります。手術の当日、家族に見守られて父は堂々と手術室へ向かって歩いていきます。アキオには、父が光の戦士のように感じられました。
 一年後。アキオは海外赴任してシンガポールにいました。里美は、アキオと付き合ってもいなかったことを同僚達に話し、アキオに会えなくて寂しいねと同情する同僚達に対し、今でも会っていると微笑みます。海外でもアキオは「ファイナルファンタジーXIV」をプレイしていました。アキオのマイディーが父のインディとの思い出の地を巡っていると、インディが現れます。インディは一緒に遊ぼうとマイディーを誘い、2人は冒険の旅に出発します。

 以上が、映画「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」の物語です。
 ほぼドラマ版の内容と同じで、先の展開がある程度読めてしまいましたが、それでも面白かったです。見る前から泣いてしまうだろうと思っていましたが、やっぱり泣いてしまいました。最近、涙腺がゆるゆるです。特に親子ものに弱いです。親子ものの映画だと、親側の視点で見てしまいますね。こないだも映画「ポケットモンスター ココ」を子供と一緒に見に行って号泣でした。話しが逸れてしまいますが、このポケモン映画は付き添いの親を泣かすためだけに作られた映画のように思えて仕方ありません。
 映画版とドラマ版との相違点は、主人公に妹がいる事くらいでしょうか。ドラマ版は一人っ子でした。妹を追加したことで、父と息子の物語に対して、父と娘の物語も挿入することができるという利点があったのでしょうが、2時間という映画の限られた時間ではやや中途半端な印象で、蛇足だったかなと思いました。だって、父と娘が喧嘩して仲直りするまで一瞬なんですもの。ドラマ版を覚えていないだけかもしれませんが、その他には特に大きな違いはないように思えました。どちらが優れているという事もないと思うので、出演している俳優さんなどの好みに応じていずれか一方を見れば十分な気もします。
 この物語は、「ファイナルファンタジーXIV」のゲーム内のシーンがたびたび登場するのですが、ドラマ版のマイディー及びインディのキャラクタと、映画版のマイディー及びインディのキャラクタとが全く同じでした。微妙に衣装や武器などの違いはあるのかもしれませんが、誤差範囲でしょう。全く別のキャラクタになるのだろうと思って見始めたので、同じキャラクタが登場したときには少し安心感がありました。
 この物語は実話を基に作られているため、この父子は実際に存在する人で、息子がこの物語の原作者であるマイディーさん。ドラマ版と映画版とでキャラクタが同じだったのは、実際にマイディーさんとお父さんが使っていたキャラクタと同じものだからなのでしょうね。マイディーさんのお父さんは今でも存命の方だそうです。しかしながら、息子のマイディーさんは2020年12月6日に癌でお亡くなりになったそうです。詳細は公開されていませんがマイディーさんは恐らく私と同じくらいか少し年下くらいの方だと思われ、若いのに残念でなりません。そして息子さんを亡くされたお父さんの気持ちを想像すると、もはや言葉では言い表せない…、また泣いてしまいそうです。
 マイディーさん、素晴らしい物語をありがとうございました。ご冥福をお祈り申し上げます。

 



 

映画 「TOKYO TRIBE」

 映画「TOKYO TRIBE」は、2014年8月に公開された日本の映画です。
 この映画は、井上三太さんの漫画「TOKYO TRIBE」を実写化した作品だそうです。残念ながらこんな漫画が存在するとは全く知らず、漫画作品を実写化した映画だとは思いもせずに、この映画を見てみました。
 またこの映画は、かの有名な映画監督、園子温さんの作品です。かの有名なと言いつつ、園子温さんの作品を見るのは初めてな気がします。有名監督の作品とか、賞を取った作品とかは、たいてい面白くない事が多い…。この映画「TOKYO TRIBE」もやはり…面白くないです。
 この映画「TOKYO TRIBE」は、ものすごく斬新な映画でした。強いてジャンル分けするとすれば、ラップ・ミュージカルと言ったところでしょうか。全体の半分以上のセリフがラップで行われます。これ以上ないくらい斬新なのですが、斬新だからと言って面白いという訳ではなく、斬新過ぎてついていけません。恐らく、この映画を見た8割以上の人が同じ感想を抱くのではないかと推測します。DVDで見ているのなら、早送りするか、途中で見るのを止めてしまっても不思議ではない。私も、我慢して最後まで見ましたが、こんなに見るのが苦痛な映画は記憶にありません。もしかしたら、コアなラップ好きであれば、楽しめる映画なのかもしれませんが…。
 この映画には、かなり多くの人達が登場し、ラップを披露しています。これは本職のラッパーさん達が大量に採用されているようです。流石に本職のラッパーさん達のラップは、素人の私が聴いても上手い事が分かります。ただし映画作品なので、当然にラッパーではない本職が俳優の人達も登場します。この本職俳優さん達のラップは、素人の私が聴いても下手な事が分かります。聞いていて痛々しいくらいです。
 ただしただし、ラップ・ミュージカルと言っても映画ですので、当然にラップではなく普通にセリフを発するシーンもあります。このときに本職俳優さんの演技は流石にうまいです。これに対して本職ラッパーさん達の演技が酷すぎる…。セリフ棒読みで学芸会レベルです。見ていて痛々しいくらいです。
 そして、物語の内容もかなりチープでした。物語の舞台となる「TOKYO」の風景なども、いかにも作るものっぽくてチープでした。もはや褒めるところが思いつかない映画でした。
 以下、映画「TOKYO TRIBE」の物語のあらすじを一応、簡単に、記載します。ネタバレ注意です。

 荒廃した都市「TOKYO」は複数の地区に分割され、各地区はそれぞれ「トライブ」と呼ばれる集団により統治されています。渋谷はシヴヤSARU、新宿はシンヂュクHANDS、歌舞伎町はGIRA GIRA GIRLS、練馬は練マザファッカー、池袋はブクロWU-RONSがそれぞれ支配しています。しかし武蔵野には、友情や平和を求める人々が集まっています。
 池袋に黒ワゴン車が現れ、男達が女達をナンパして黒ワゴン車を乗せ、何処かへ向かいます。池袋の路上で眠っていた少女スンミ(清野菜名)も男達に車へ連れ込まれ、近くにいた少年ヨン(坂口茉琴)は車に潜り込みます。車に載せられた女達は、トライブとは別にTOKYOで大きな権利を持つヤクザのような人物ブッバ(竹内力)の城に連れて来られ、働かされる事になります。スンミはブッバに反抗してブッバの息子ンコイ(窪塚洋介)に気に入られ、ヨンは何とか逃げ出します。
 ブッバの城には、ンコイを含むファミリーの他に、池袋のトライブのリーダーであるメラ(鈴木亮平)がいました。メラは、ブッバの部下として信頼を得ています。メラは、武蔵野の海(YOUNG DAIS)を何故か目の敵にしています。
 スンミは、娼婦として働かせるために、ンコイの部下達が別の場所へ連れて行きます。スンミは格闘能力が高く、ンコイの部下達を殴り倒します。そこへンコイ及びメラが現れ、スンミはンコイを殴り倒しますが、メラには敵わず、捕まってしまいます。
 その頃、メラの部下の1人は、武蔵野の海の仲間達が集まるレストランに潜り込んでいました。メラの部下は、海の仲間のキム(石田卓也)を、いい風俗があると騙して池袋へ連れ出します。この事を知った武蔵野のリーダー的存在のテラ(佐藤隆太)は池袋へ向かい、海及びハシーム(石井勇気)も同行します。池袋にやって来たキムは、スンミが捕まっている部屋に案内され、そこにいたメラ、ンコイ及びその部下達に囲まれ、捕まります。
 その後、キムを追って海達もこの部屋へやってきます。メラは海に恨みを持っているようですが、海は以前に一度だけサウナでメラに会った事があるだけで、恨まれる覚えは全くありません。海達とメラ達との乱闘が始まり、キムは手榴弾で殺されます。メラは日本刀で海を刺し殺そうとしますが、テラが海を庇って刺されて倒れます。このどさくさに紛れて、ヨンがスンミを助けに現れ、2人は逃げます。海はメラと闘い続け、ハシームは刺されたメラを連れて逃げます。
 ブッバの元に大司祭(でんでん)から娘が居なくなったと連絡があります。ブッバは、大司祭の娘を探し出すことを約束します。大司祭は、配下として使うようにと、自身の部下2名をブッバの元へ送ります。
 海は、スンミ及びヨンと合流し、更にテラを抱えたハシームとも合流して、武蔵野へ戻ります。ブッバは、トライブ全てを破壊しTOKYOを手中に収め、大司祭の娘を探し出す事を決め、メラに実行を命じます。メラ及びブッバ配下の軍団WARUが各トライブに対して一斉に攻撃を開始します。各トライブはWARUに押されて武蔵野へと集まって来ます。武蔵野のテラは各トライブのリーダー達も認める人物でしたが、メラに刺された事で死亡してしまいました。テラの死を知った各トライブは、一致団結してブッバと戦う事を決意します。
 そして、全トライブと、メラ及びブッバ軍団との最終決戦が始まります。海、スンミ及びヨン達は、ブッバの城内へ攻め込み、ブッバファミリーとの直接対決に挑みます。ンコイは、城内に設置された巨大扇風機のような殺戮マシーンを起動し、逃走します。殺戮マシーンは周囲の人々を誰彼構わずに吸い込んで肉片に変えて行きます。ブッバもまた殺戮マシーンにより死亡します。戦いは城外へ移り、スンミ及びヨンは協力してンコイを倒します。最後は、海及びメラの一騎打ちとなり、人々が見守る中で闘いが繰り広げられ、海が勝利します。
 闘いに敗れたメラは、過去の出来事を思い浮かべます。メラが銭湯で風呂につかっていると、海が入って来ます。メラは、自分より大きい海のチ×ポを見て、海を倒す事を決意しました。

 以上が、映画「TOKYO TRIBE」の物語です。
 内容の薄い物語でした。対立していた複数のトライブが一致団結してブッバを倒しました、ただそれだけでした。結局、対立している集団が団結するためには、より巨大な敵が必要ということですね。
 この映画の主人公はどうやら海だったようなのですが、海の存在感が無さ過ぎて映画の半分を過ぎるまで海が主人公とは気付きませんでした。てっきり、スンミが主人公だと思いました。海を演じていたのは、本職ラッパーの方のようで、台詞も少な目。海の外観も、どこから見ても、その他大勢の1人にしか見えません。格闘能力も無さそうで、メラにどうして勝てたのか疑問です。
 全く良いところのない映画の中で、スンミだけは頑張っていました。アクションシーンが多く、台詞も多目です。スンミが主人公の普通のアクション映画にした方が良かったのでは、と思えるくらいです。またスンミの衣装は超短いスカートで、スンミはパンツ丸出しでアクションしており、更にはスンミは上半身裸の姿まで披露しており、サービス満点です。ただこのサービスシーンは、物語においてどうしても必要とは思えず、単なる監督の趣味のように思えます。スンミを演じていた清野菜名さんは、今でこそ名前を知られていますが、この作品の公開当時は無名の新人女優さんだったようで、有名監督のセクハラ演出に反抗出来るだけの発言力がなかったのでしょうね・・・。
 この映画のスンミの活躍シーンを抜き出して5分程度に圧縮してミュージックビデオにすれば、そこそこいいものが出来上がりそうに思えます。そのくらいが限度では。久し振りに映画の2時間が苦痛な作品を見てしまいました。

 

映画 「鋼の錬金術師」

 映画「鋼の錬金術師」は、2017年12月に公開された日本映画であり、荒川弘さんの漫画「鋼の錬金術師」を実写化した映画です。
 最近よくある漫画を原作とする実写映画です。この手の映画を見るときは、原作の漫画を読んでいない物を選択するようにしているのですが、この「鋼の錬金術師」は原作の漫画を読んだことがあります。漫画は全27巻で、恐らく20巻くらいまで読んだと思います。最後までは読んでいないので、結末は知りません。読んだのはかなり昔なので、内容はうろ覚えです。
 この手の映画は原作を読んでから見ると不満しか残らないのが常ですが、やはりこの映画「鋼の錬金術師」も同じ結果でした。あまり漫画の内容を覚えていないから大丈夫かなと思ったのですが…、ダメでした。
 それでは以下、映画「鋼の錬金術師」のあらすじを記載します。ネタバレ注意です。

 幼い2人の兄弟、エドワード(通称エド)及びアルフォンス(通称アル)は、錬金術で作り出した人形を母に見せ、母は2人を褒めます。ぞの直後、母は倒れて帰らぬ人となります。母の葬儀の後、エド及びアルは錬金術で母を生き返らせようと考えます。材料を集めた2人は錬金術を始めますが、床に描いた魔法陣から竜巻が発生し、アルはいずこかへと飛ばされてしまいます。
 何年か後。鋼の錬金術師と呼ばれるようになったエド(山田涼介)は、街で悪事を働いていた教主(石丸謙二郎)を追っていました。教主は「賢者の石」を使って魔物を召喚してエドを攻撃しつつ、何とか逃げ切ろうとします。そこへ全身鎧姿の大男がエドの助けに現れます。ただし、鎧の中身は空っぽです。魔物がエドの右腕及び左脚に噛みつきますが、それは鋼鉄製の義手義足でエドにダメージを与える事はできません。不利を悟った教主は街の女性を人質に取ります。エドは錬金術で巨大な石像を出現させ、驚いた教主の隙を付いて女性を救出します。エドと救出との殴り合いになり、賢者の石を持つ教主の拳とエドの義手とがぶつかり合い、その衝撃で2人は吹き飛ばされます。教主の手から賢者の石が落ち、教主がそれを拾おうとしたとき、突然に炎が発生して教主を妨害します。この炎を発生させたのは、軍の大佐を務める炎の錬金術師ロイ・マスタング(ディーン・フジオカ)でした。マスタング大佐は、軍の視察で偶然にこの街を訪れていました。マスタング大佐の部下の兵士達が大勢現れて、教主及びエドを拘束します。またマスタング大佐は、賢者の石を拾い上げるとこれを燃やしてしまいます。本物の賢者の石は決して壊れない完全な物質と言われており、こんなに簡単に燃え尽きるはずはなく、教主が持っていた賢者の石は偽物でした。賢者の石を探し求めているエドは落胆します。鎧の大男がエドを兄さんと呼んで慰め、エドは大男をアルと呼びます。エドは兵士達に連行され、教主は隙を見て逃げ出し、兵士達は教主を追って行きます。近くの建物では、怪しげな雰囲気の3人がこの様子を眺めていました。
 エド及び教主が一暴れした街、リオールに汽車が到着し、1人の女性が汽車から降り立ちます。エドがマスタング大佐達に連行されて行った後、アルはエドが荒らした街を錬金術で修復し、街の人々の質問に答えて錬金術には等価交換の原則があるため何でも自由に作り出す事が出来る訳ではないと話していました。汽車から降りた女性は、街でアルを発見して駆け寄って来ます。この女性、ウィンリィ(本田翼)はエド及びアルの幼なじみでした。
 エドは、イーストシティの軍本部へと連行されます。エドは、アルの身体を取り戻すためには賢者の石が必要で、これを手に入れるために国家錬金術師になって軍の犬として働いているとマスタング大佐に話します。マスタング大佐は、軍は賢者の石の存在を認めていないと言います。2人が言い争っていると、ヒューズ中佐(佐藤隆太)がやってきます。ヒューズ中佐は、マスタング大佐と同期の軍人で、エドとも親しい間柄でした。またヒューズ中佐と共にハクロ将軍(小日向文世)も現れ、ハクロ将軍はエドを激励してくれます。ヒューズ中佐は、普段は中央で働いていますが、業務監査のためにここ東地区へやってきたとエドに話します。
 釈放されたエドがヒューズ中佐と歩いていると、ウィンリィが駆け寄って来ます。ウィンリィは、エドの義手義足の制作者でもあり、先の闘いで壊れた義手を見て怒ります。ヒューズ中佐は、喧嘩する2人を微笑ましく眺めていました。
 エド及びヒューズ中佐が去った後、ハクロ将軍及びマスタング大佐は、ヒューズ中佐が中央から派遣されてきた理由について話していました。2人は、業務監査とは名目で、何か別の目的があると推測します。またハクロ将軍は、ショウ・タッカー(大泉洋)という錬金術師をエド達に紹介してやって欲しいとマスタング大佐に言います。
 軍から逃げ延びた教主は、怪しげな雰囲気の3人に対して、賢者の石が偽物だった事に文句を言っていました。3人の中のエンヴィー(本郷奏多)は他人に化ける能力を持ち、ラスト(松雪泰子)は指を針のように伸ばして攻撃する能力を持ち、グラトニー(内山信二)は何でも食べてしまう能力を持っています。ラストは教主を殺し、グラトニーは教主の死体を丸ごと食べてしまいます。
 エド、アル及びウィンリィは、ヒューズ中佐の住まいに招待されていました。中央からやってきたヒューズ中佐及びその妻のグレイシア(原田夏希)にあてがわれた1ヶ月間の仮住まいは広く、エド達が宿泊する部屋も十分にありました。グレイシアの手料理を振る舞われたエド達は、和気あいあいと楽しい時間を過ごします。グレイシアのお腹には赤ちゃんがいました。
 その夜、エドは夢を見ます。エドは、真っ白な空間にいます。背後には巨大な黒い扉があり、エドの前には煙のように輪郭がぼやけた人物が座っています。この人物は、人間が世界、宇宙又は神等と呼ぶ存在であるとエドに語ります。この人物は、エドが求める真理を見せてやろうと言います。すると背後の扉が開いてエドは吸い込まれ、エドは真理の一部を見ます。気が付くとエドは元の場所にいました。真理の一部を見たエドは、自分の人体錬成の理論が正しい事を悟り、もう少し先に人体錬成の真理がある事を悟ります。エドはその先を見たいと懇願しますが、煙のような人物は通行料が足りないと言って断ります。この人物は、真理の一部を見せた事に対する等価交換の代償として、エドの左脚を奪います。気が付くとエドは現実世界に戻っており、左脚は失われていました。そこには、エドが母を蘇らせようと試みた錬金術の魔法陣が描かれ、その中央には化け物のようなものが蠢いていました。エドは、失ったアルを取り返そうと、もう一度錬金術を試み、再び真っ白な空間を訪れて、煙のような人物に対面します。この人物はまた来たのかと呆れ、今度はエドの右腕を奪います。
 ここでエドは目を覚まします。夢はエドが右腕及び左脚を失った際の出来事であり、エドはこの夢をこれまでに何度も見ていました。
 マスタング大佐及びヒューズ中佐は、エド、アル及びウィンリィを、ショウ・タッカーの元へ連れて行きます。タッカーは人の言葉を話す合成獣を研究しており、ハクロ将軍はエド及びアルが身体を取り戻す手掛かりが得られればと紹介したものでした。タッカーは2年前に一度だけ人の言葉を話す合成獣の生成に成功しており、この時に合成獣は一言「死にたい」と話したということでした。タッカーは妻に逃げられて、娘のニーナ(横山芽生)と犬のアレキサンダーと広大な屋敷に住んでいました。タッカーは、国家錬金術師に課せられた1年に1回の査定が近付いており、ここで成果を見せなければ国家錬金術師の資格を剥奪される可能性があり、焦っていました。このためタッカーはニーナに構う余裕がなく、アル及びウィンリィがニーナの遊び相手をしてくれた事に感謝します。エドは、真理の扉で経験した事をタッカーに話します。
 マスタング大佐は、ヒューズ中佐に東部へやってきた理由を尋ねます。ヒューズ中佐は、東部にはきな臭い噂が多く、自分も含めて他人を信用してはいけないとマスタング大佐に忠告します。
 エドは、二度目に真理の扉を訪れた際に、右腕と引き換えにアルの魂を取り戻し、鎧に定着させる事に成功しました。これが、現在の全身鎧姿のアルが誕生した秘密でした。エドは、アルの身体を取り戻す事を目的としており、それは可能かとタッカーに尋ねます。タッカーは、答えられませんが、試してみたい事があるとエドに言います。
 エド及びウィンリィは、タッカーから賢者の石の研究をしていたドクター・マルコー(國村隼)という人物の事を教えられ、この人物を見た人がいるという街へ向かいます。この街へ向かう汽車に2人が乗り込もうとしたとき、ヒューズ中佐が見送りにやってきます。ヒューズ中佐は、グレイシアが作ったアップルパイを2人に渡します。汽車での道中、エドはアルと別行動を取るのが初めてだと話します。
 その頃、タッカーは、アルの身体を調べていました。タッカーは、魂を鎧に定着させるのではなく、人工的に作り出した記憶を定着させる事例ならいくつか存在するとアルに話します。自分が人工的に作られた記憶なのかと不安を感じるアルに、タッカーは普通はそう考えるのが妥当だが、アルは特別な事例かもしれないと話します。
 エド及びウィンリィが乗る汽車が途中の駅で停車したとき、外を眺めていたウィンリィは突然に汽車を降りろと言い出します。急いで汽車を降りたエドにウィンリィは、ドクター・マルコーを見たと言い、それを追いかけます。ウィンリィが街の人にドクター・マルコーの写真を見せると、マウロ先生だと言って医院の場所を教えてくれます。エド及びウィンリィは、教えられた医院を訪れますが、ドクター・マルコーは2人に銃を向けます。ドクター・マルコーが銃を撃つ直前にエドは錬金術で銃身を曲げて暴発させ、暴発の勢いでドクター・マルコーは壁に叩きつけられて気を失います。
 気を取り戻したドクター・マルコーは、追っ手と間違えたとエド及びウィンリィに謝罪します。エドは、追っ手ではないと説明し、賢者の石が本当に存在するのかを尋ねます。ドクター・マルコーは、これ以上関わらない方がいいと、エドに帰るよう勧めます。エドは食い下がりますが、そこへラストが現れます。ドクター・マルコーは、拳銃でラストを撃ちますが、ラストの傷は直ぐに治癒していきます。ラストは、指を針状に伸ばしてドクター・マルコーの肩を貫き、更にエド及びウィンリィを壁に貼り付けて動きを封じます。ラストは、エドは人柱候補だからまだ生かしておくと言い、ドクター・マルコーの心臓を貫いた後、一瞬にして姿を消します。ドクター・マルコーは、賢者の石の錬成陣を記したメモ書きと、第5研究所という言葉とを残して死亡します。エドは、後の処理をウィンリィに任せ、急いでアルの元へ戻ります。
 アルのいるタッカーの屋敷へ戻ってきたエドは、完成した人語を話す合成獣をタッカーに見せられます。合成獣は確かに人語をはなしますが、それは娘のニーナと犬のアレキサンダーとを合成したものでした。エドは、2年前にタッカーが作ったとされる合成獣はタッカーの妻を素材に使ったのだと悟ります。怒ったエドはタッカーを殴り続け、アルに止められます。その後、タッカーはマスタング大佐達に逮捕されて中央へ送られ、国家錬金術師の資格を剥奪され、軍事裁判にかけられる事になります。
 エドは、1人閉じこもって、ドクター・マルコーから得た情報について調べ始めます。心配したヒューズ中佐がエドの様子を見に訪れ、部下のロス少尉(夏菜)を手助けに付けます。ヒューズ中佐は、ウィンリィから賢者の石の錬成陣や第5研究所の事を聞き出していました。エドは、この件が軍部の闇に繋がるもので、命の危険があると忠告しますが、ヒューズ中佐は友達だの一言で片付けます。ヒューズ中佐及びロス少尉が協力して調査しますが、ドクター・マルコーに関する資料は意図的に消されているようでした。軍の内部に犯人がいることは間違いありません。研究所も第1から第4までしか存在していませんでした。3人が話し合っていると、ハクロ将軍がやってきて、現在は使われていない缶詰工場が通称として第5研究所と呼ばれていた事があると教えてくれます。エドは急いでこの缶詰工場へ向かいます。エドと入れ違いで伝令がやってきて、リオールの街で暴動が発生したと報告します。ハクロ将軍及びロス少尉は軍の持ち場へ戻ります。
 エドは、アル及びウィンリィと共に、缶詰工場へやってきます。しかし缶詰工場は廃棄された建物が残されているのみで、何の手掛かりも残されてはいませんでした。エドは悔しがりますが、直ぐに持ち直して、アルに大丈夫だと言います。しかしアルは、ドクター・マルコーの事についてエドが話してくれないこと気にしており、自分が作られた記憶なのではないかとの疑問をエドにぶつけます。これを聞いたエドは、義手ではない左手でアルを殴り続けます。ウィンリィは、巨大なスパナでアルを殴り、エドがどれほどアルを思っているかを語ります。エドとアルは、仲直りします。
 1人で調査を続いていたヒューズ中佐は、この国の地図と錬成陣とを見比べて、第5研究所の場所に思い至ります。そこへラストが現れてヒューズ中佐を殺そうとします。ヒューズ中佐はラストの攻撃をかわして逃げ、公衆電話からマスタング大佐に電話をかけます。その途中、ヒューズ中佐の背後に銃を持つマスタング大佐が現れ、振り返ったヒューズ中佐を銃で撃ちます。
 エド達が缶詰工場を出ると、そこには兵士達が待ち構えており、エドを東方司令部まで連行していきます。残されたアル及びウィンリィを、誰かが見張っていました。連行されたエドは、手枷をはめられて司令部の一室に閉じ込められます。そこにはマスタング大佐の副官であるリザ中尉(蓮佛美沙子)が既に閉じ込められていました。リザ中尉は、ヒューズ中佐が殺され、その犯人としてマスタング大佐が追われており、マスタング大佐に近しい自分やエドが軍の監視下に置かれる事になったと説明します。またリザ中尉は、タッカーが逃走した事もエドに教えます。エド及びリザ中尉は協力して閉じ込められた部屋から脱出します。リザ中尉は、マスタング大佐がヒューズ中佐の電話を受けた後に、第5研究所と呼ばれている旧捕虜収容所へ向かうと言った事をエドに話します。エドは、第5研究所が旧缶詰工場ではなかった事を知って驚きます。
 マスタング大佐は、1人で旧捕虜収容所にやってきます。そこは多くの兵士達に守られていました。マスタング大佐は、地下通路からの侵入を試みますが、そこにはロス少尉が多くの兵士達を引き連れて待ち伏せしていました。マスタング大佐とロス少尉とがにらみ合い、兵士達はマスタング大佐に銃を向けます。そこへエド及びリザ中尉が現れ、兵士達の注意が逸れ、マスタング大佐は炎の錬金術でロス少尉を火だるまにします。ロス少尉は黒こげの焼死体となりますが、次の瞬間には元の姿に戻ります。ロス少尉は何故分かったのかと問い、マスタング大佐はホクロの位置が違うと答えます。このロス少尉はエンヴィーが化けた偽者でした。エンヴィーは元の姿に戻り、更にラスト及びグラトニーが現れます。マスタング大佐は、この3人の身体に刻まれたウロボロスの刺青を見て、この3人がホムンクルスであると見抜きます。そして、ヒューズ中佐を殺したのは、マスタング大佐に化けたエンヴィーでした。リザ中尉はタッカーを逃がした目的を問いますが、3人はタッカーが逃げた事を知らないようでした。タッカーが逃げた事を知ったラストは、エンヴィーを捜索に向かわせ、グラトニーには兵士達の相手をさせて、自分はマスタング大佐、エド及びリザ中尉に対します。ラストはリザ中尉を狙って攻撃を繰り出し、マスタング大佐はリザ中尉を庇ってラストの攻撃を受け、腹部を刺されて負傷します。マスタング大佐に大きなダメージを与えたラストは満足して去って行きます。マスタング大佐は倒れ、エドにラストを追うよう命じます。
 エドは、1人でラストを追い、床に巨大な錬成陣が描かれた巨大な部屋にやってきます。天井には沢山の何かが蠢いています。部屋の片隅には実験台が設けられ、台の上にはアルが寝かされています。実験台の脇にはタッカーが銃を構えており、近くのソファーには気を失っているウィンリィがいました。タッカーはウィンリィを人質にして、エドに右腕の義手を外す事を要求します。エドは要求に応じて義手を引きちぎって外します。安心したタッカーは、アルに真理の扉を覗いてもらい、魂を定着させる方法を知ることが出来たとエドに話します。タッカーは、ポケットから賢者の石を取り出してエドに見せ、この部屋の床に描かれた錬成陣が賢者の石を生成するためのものであり、賢者の石の材料は捕虜収容所の生きた人間だった事を話します。タッカーの背後にある巨大なガラス容器には、大量の賢者の石か収められていました。話し終えたタッカーは銃をエドに向けますが、銃を撃つ前に背後に現れたラストの指に貫かれて死亡します。少し遅れて、マスタング大佐がリザ中尉に支えられながら、この部屋に到着します。
 ラストは、エド達とは全く別の方向へ、こんな事を指示した覚えはないと言います。ラストが話しかけた方向にはハクロ将軍がいました。ラストは、賢者の石の作り方は教えたが、使い方を教える気はないと言います。ハクロ将軍は、タッカーが賢者の石の使い方を発見したと言い返します。ハクロ将軍は、錬金術で人体を錬成する事が禁じられているのは、人道的なものではなく、個人が兵士を作り出して強力な軍隊を持つ可能性があるからだとエドに話し、この部屋の天井の明かりをつけます。天井には、錬金術で作られた無数の人体が吊り下げられていました。ハクロ将軍は、大量の賢者の石を使い、この人体に魂を吹き込んで兵士にする事が出来ると言い、装置を起動します。賢者の石は吊り下げられた人体に送り込まれ、賢者の石を吸収した人体は動き出します。天井から続々と落下した大量の人造人間達は、ハクロ将軍の元へと集まって行きます。しかし人造人間はハクロ将軍に次々と噛み付き、ハクロ将軍は死亡します。
 ラストはハクロ将軍の死を呆れて見た後、グラトニーに全部食べてしまうよう命令します。大量の人造人間達は、この部屋を出て研究所の外を目指して歩きだします。マスタング大佐は、炎で人造人間達を燃やし、人造人間の弱点は頭だと見抜きます。マスタング大佐はリザ中尉に外の兵士達と人造人間の侵攻を食い止めるよう命じ、リザ中尉は負傷しているマスタング大佐を心配しながらも命令に従って外へ向かいます。
 エドは、やっと動けるようになったアルと合流します。アルは鎧の身体の中にウィンリィをかくまっていました。エドはウィンリィに義手の修理を頼み、アルは人造人間達を食い止めに行きます。
 ラスト及びエンヴィーが研究所を去ろうとしたとき、エンヴィーは背後から火炎の攻撃を受けて燃え上がります。マスタング大佐が、自分の傷口を焼いて止血し、2人を追って来ていました。建物の中ではアルが人造人間の流出を食い止め、グラトニーが人造人間を食べて数を減らしています。研究所の出口付近には、リザ中尉が率いる兵士達が銃を持って人造人間を待ち構え、出て来た人造人間達を1人残らず破壊すべく、銃撃を開始します。
 マスタング大佐は、ラストから受けた傷により、立っているのもやっとの状態でした。ラストは、マスタング大佐にトドメをさそうと攻撃を繰り出します。しかしそこへエドが現れて攻撃を防ぎ、マスタング大佐を助けます。エドの攻撃を受けても倒れないラストは、自分の体内にある賢者の石を見せ、自分達は賢者の石を用いて生み出されたホムンクルスであり、死んでもすぐに蘇ると話します。そしてマスタング大佐の火炎攻撃を受けて倒れていたエンヴィーも復活します。しかしエドは、エンヴィーの回復が前より時間がかかっていること、ラストの語った内容、そしてラストが時間稼ぎをしようとしていることから、ホムンクルスの命にも限りがあり、無限に復活できる訳ではないと指摘します。この指摘は正しかったようで、エンヴィーは背中を見せて逃走します。マスタング大佐は更なる火炎攻撃を放ってエンヴィーを燃やし、エンヴィーは今度こそ動かなくなります。ラストはエドを攻撃しますが、アル及びウィンリィが現れ、アルの錬金術でエドを守ります。マスタング大佐は、火炎攻撃てラストを燃やし、ラストの命が尽きるまで繰り返し繰り返し燃やし続け、最後に燃えるラストの体内から賢者の石を奪い取ってラストを倒します。マスタング大佐は、ラストから奪った賢者の石をエドに渡します。ラストの死を知ったグラトニーは、こっそりと逃げます。人造人間達はリザ中尉達の活躍でたおされます。任務を終えたリザ中尉は、マスタング大佐の元へと急ぎます。
 とうとう賢者の石を手に入れたエドですが、これが人間の命を材料として作られたものである事を知ってしまったため、自分の目的のために使っていいものか戸惑います。アルはエドを止めようとしますが、エドは賢者の石を持って真理の扉へと向かいます。
 真理の扉の前に現れたエドは、煙のような人物に再会します。そしてエドは、成長したアルの身体を発見します。煙のような人物は、アルの身体と賢者の石との等価交換を要求しますが、エドは賢者の石を渡さず、アルの身体に必ず迎えにくると言って元の世界へ戻ります。
 戻ったエドはアルに謝り、アルは他人を犠牲にするくらいならこの姿のままでいいと話します。エドはマスタング大佐に偉くなって真相を解明してくれと頼み、マスタング大佐はもちろんだと答えます。エドは、アルの身体を取り戻す別の方法を探し出すことを決心します。

(エンドロール後)
 黒こげになったエンヴィーの身体から、トカゲのような生き物が這い出てきて、姿を消します。

 以上が、映画「鋼の錬金術師」の物語です。
 映画の物語はそこそこ原作の漫画の物語に近いものでした。恐らく、全27巻の原作マンガの1/3~1/2程度を消化しているように思えます。この量の原作の物語を2時間に凝縮してあるため、映画はやや駆け足というか、ダイジェスト感がありました。もし続編が作られたら、2作目で完結しそうな勢いでした。エンドロール後のシーンからすると、続編を作る予定があったのかもしれませんが、今のところ続編が作られる気配はありません…。
 原作を先に読んでいると、どうしても実写版が劣って見えてしまいます。出演者達をなるべく原作のイメージに近付けようと頑張っているのは分かるのですが、エドの不自然な金髪姿が違和感ありありでした。日本人にあの金髪はどうしてもコントっぽくなってしまいます。他の人はみんな黒髪だっただけに、エドの金髪が浮き過ぎていました。せめて茶髪くらいにしといた方が良かったのでは。まぁ、その他の人達はそこそこイメージに合っていたかも。マスタング大佐が少し堅物過ぎるように思えましたが。アルの鎧姿は、着ぐるみなのか、CGなのか、両方なのかわかりませんが、よく出来ていました。
 やはり漫画の実写化は難しいという事が良く分かる作品でした。

 


映画 「東京喰種S」

 映画「東京喰種S」は、2019年7月に公開された日本の映画です。石田スイさんの漫画「東京喰種トーキョーグール」を実写化した映画作品であり、実写映画「東京喰種」の続編に相当する第2弾の映画作品です。
 人間を食べなければ生きていけない「グール」と呼ばれる存在が既に当たり前のものとなっている世界で、人間だった主人公の金木がグールの心臓移植を受けたためにグールと化してしまう、という物語です。前作では、グールの駆逐を目指す喰種対策局という人間の組織と、主人公を含むグール達との戦いが描かれました。
 なお、この物語のヒロインである董香を演じる女優さんが、清水富美加さんから山本舞香さんに変更されています。この事を知らずに見始めたので、始めに少し混乱しました。
 それでは以下、映画「東京喰種S」のあらすじを記載します。ネタバレ注意です。

 人気モデルのマーガレット(マギー)が高層マンションの自宅に帰ってくると、部屋にはマスクを被った男がいました。この男はグールであり、マーガレットの両目をくり抜いて食べた後、マーガレットを高層マンションの窓から外へ放り投げ、マーガレットは落下して死亡します。この事件はニュースでも大きく報道され、犯人のグールは「グルメ」と呼ばれます。
 喫茶店「アンティーク」で働くグールの金木研(窪田正孝)及び霧島董香(山本舞香)もこのニュースを見ていました。喫茶店のマスター芳村(村井國夫)と、喫茶店で匿っている笛口雛実(桜田ひより)も一緒です。喫茶店での仕事を終えた後、金木は董香に戦闘訓練をつけてもらいます。戦闘技術は董香がまだまだ上であり、グールとしての特殊能力を使う事にも金木には躊躇いがありました。また金木は、人を食べる事にもまだ躊躇いがありました。董香は、金木に人間の友人である英良(小笠原海)と縁を切るよう忠告します。
 しかし董香も通っている高校に友人がいました。友人の依子(森七菜)は、董香が昼食を抜いているのを無理なダイエットだと勘違いして心配していました。董香は、依子になるべく冷たく接していました。
 グール達が集うとあるバーで、一組の男女が何かの約束をしています。その後、男性は店から出て行き、入れ替わりにウタ(坂東巳之助)がやってきます。ウタは、金木にグール用のマスクを作った人物です。残った女性、イトリ(知英)は、先程の男性と賭けをしたとウタに話しますが、内容は教えません。イトリは、金木に会ってみたいとウタに話します。
 アンティークに月山習(松田翔太)というグールの男性がやってきます。董香は月山を知っているようですが、明らかに嫌っています。月山は、金木の匂いに注意を引かれます。その後、月山は金木の大学にやってきます。月山は、読書が趣味の金木と本の魅力を語り合い、金木を本好きのマスターがいるカフェに連れて行きたいと言い、次の日曜日に会う約束をして帰って行きます。
 その後、金木が大学を出ると、グールの四方蓮示(栁俊太郎)が待ち構えています。四方は金木をイトリのバーへ連れて行きます。イトリは、金木がグールになるきっかけとなったリゼの事故は単なる事故ではなく、誰かが仕組んだものだと話し、誰が仕組んだのかを調べる代わりに、「グールレストラン」と呼ばれる場所を突き止めて欲しいと言います。イトリは、月山はグルメと呼ばれており、月山なら何か知っていると金木に助言します。
 そして日曜日。金木は月山とカフェで語り合い、楽しい時間を過ごします。その中で、月山はさり気なく金木の手に傷を付けて血を流させ、自らのハンカチを渡して金木に血を拭わせます。月山は金木からハンカチを返してもらい、トイレで一人になるとハンカチに付いた金木の血の匂いを嗅いで悶絶します。月山は、食事が苦手だと言う金木をお勧めのレストランへ連れて行きます。カフェを出てレストランへ向かう2人を謎の男が尾行しており、この男は電話でグールレストランの場所を通報します。
 金木は、一見ただの工場のような建物に連れて来られます。入口で月山と別れた金木は、シャワーを浴びて正装に着替えさせられた後、店員によりレストランまで案内されます。レストランは地下深くにあり、広大な部屋に多数のグール達が集まって立食パーティーを開いていました。提供されている料理はもちろん人間の肉を材料としたもので、舞台の上では生きた人間の解体ショーが行われていました。これを見た金木はこの場を去ろうとしますが、店員達に捕まって解体ショーが行われていた舞台に引きずり上げられます。そして、仮面を被った月山が舞台に現れ、金木を今宵の食材として紹介します。店員は刃物を振り上げて金木を解体しようとし、その前に金木が普段から付けている左目の眼帯を取ります。金木の左目は赤色をしており、これを隠す為に金木は眼帯を付け続けていました。赤色の目を見た月山は、金木の解体を中断させます。グールの中でも、赤色の目「赫眼」は珍しいものでした。そして突然、レストラン内にCCG(グール対策局)の部隊が突入し、レストラン内のグール達を次々と射殺していきます。金木は、この混乱に乗じて逃亡します。
 アンティークに戻った金木は、大勢のグール達が人が殺される様子を笑って見ていた事を董香及び芳村に話します。董香は、グールにも人間と同じように善人も悪人もいるが、悪人の方が多いと言います。
 アンティークに依子がやってきます。依子は、董香がしばらく学校に来なかった事を心配し、手料理の肉じゃがを差し入れに持って来ます。しかし董香は依子の差し入れをはねのけ、依子は逃げるように去って行きます。
 街を歩いていた金木は、複数の男達に殴る蹴るの暴行を受けている西尾錦(白石隼也)を見かけます。錦はグールであり、以前に金木の友人の英良を食べようとして金木と戦った事がある相手です。一方的に殴られ続けている錦を見かねて金木は助けに入ります。董香との訓練のおかげで金木の戦闘技術は高まっており、金木は男達を簡単に退けます。金木は、傷付いた錦を自宅間で運びます。錦の自宅には、錦の恋人の女性がいました。この女性、貴未(木竜麻生)は人間で、錦がグールである事を知っており、金木がグールである事にも気付きます。錦は、貴未と出会って人間を襲うことをやめ、空腹でフラフラの状態のようです。金木は、食料を分けて貰ってくると貴未に約束します。金木はアンティークに保管されている食料(人肉)を持ち出そうとして董香に見つかります。やっと食料を食べる気になったのかと問う董香に、金木は錦に持って行くと答えて董香を呆れさせます。2人が話していると、表で物音がします。店に戻ってみると、テーブルの上には月山からの手紙が残されていました。手紙は、貴未を攫った事が記されており、金木を呼び寄せる事が目的のものでした。金木は、さらわれた貴未とは、錦の彼女であり、人間である事を董香に話します。貴未を助けに行こうとする金木を董香は止め、人間に正体がバレる事がどれだけ危険かを説きます。そこへ、貴未を探して錦がアンティークにやってきます。金木は、帰ったら話そうと董香に言い残して、錦と共に貴未を助けに向かいます。
 月山が待つ場所へ金木及び錦がやってきます。テーブルの上には、気を失った貴未が横たえられています。錦は貴未を取り戻すべく月山に戦いを挑みますが、絶食で全く力の出ない錦は月山に手も足も出ません。金木が月山に挑みますが、月山の戦闘能力は金木を上回っていました。金木は月山の攻撃を一方的に受け続けて倒れます。そこへ董香が助太刀に現れ、金木及び董香が2人がかりで月山に挑みます。しかし2人がかりでも月山が勝り、董香は吹き飛ばされ、金木は右腕及び左脚を折られ、脇腹に手刀をくらいます。董香が金木を助けようとしますが、月山は右腕を槍状に変化させて董香の腹を串刺しにし、董香は倒れます。月山は、身動きできない金木を貴未が載せられたテーブルまで引きずって連れて行き、金木を椅子に座らせます。月山は貴未を金木に食べさせるために殺そうとしますが、最後の力を振り絞った錦がこれを阻止します。月山及び錦の争いの余波で椅子から崩れ落ちた金木は、倒れている董香の元へ這い進み、グールは人の肉を食べると回復する事を董香に確認します。
 月山は、貴未の肩に醜い傷痕を見つけます。この傷は、空腹に耐えかねた錦が貴未を食べようとして噛み付いた事があり、その時のものでした。月山は、自分の食材に傷を付けた錦を嬲ります。そして月山がふと気が付くと、金木及び董香か揃って自分を睨んでいました。金木は自分の肩を董香に差し出し、董香は金木の肩を食いちぎって食べます。董香は回復し、董香の背中に赤い羽根のようなものが現れます。これはグールか個々に持つ戦闘能力が発現したもので、月山は右腕を槍状に変化させる事ができ、董香は背中の羽根を自在に動かして戦う事ができます。董香及び月山の互角の戦いが続き、董香の攻撃を受けた月山が深手を負います。月山は貴未を食べて回復しようと考え、貴未が載せられたテーブルへ向かおうとします。その月山に金木の背中から出現した銀色の触手が延び、月山は串刺しにされます。更に月山は、董香の攻撃で右腕を切断されて倒れます。
 月山を倒した董香は、次に貴未を殺そうとします。董香及び貴未の間に錦が入り、董香の攻撃を自身が受け止めて貴未を守ります。気を失っていた貴未は目を覚まし、背中から羽根か生えた董香を見て貴未は綺麗と呟きます。これを聞いた董香は、貴未に背を向けて去って行きます。
 その後、錦は金木達と一緒にアンティークで働く事になります。久しぶりに学校へ行った董香は、依子と仲直りします。

(エンドロール途中)
 グール達の集うバーで、イトリは賭けに負けた事を、相手の男性(新田真剣佑)に対して認めます。2人は、金木と月山とを戦わせてどちらが勝かを賭けていました。賭けに負けたイトリは、約束通り男性に一杯おごります。男性は、「ゆっくり育てますよ。僕のかわいいリュウ」と呟いて笑みを浮かべます。

 以上が、映画「東京喰種S」の物語です。
 エンドロール途中の挿入シーンの意味がよく解りませんでした。あの男性はいったい何者?「僕のかわいいリュウ」ってどういう意味?唐突過ぎて、全く意味不明でした。これは、続編があるという予告的なものと解釈すればよいでしょうか。アベンジャーズのシリーズではこのようなエンドロール後のシーンが必ずあって、だいだいが次回作の前フリになっていました。という事は、あの男性は次に金木が戦う相手なのかもしれません。今作で、金木がグールになるきっかけとなった事故は誰かが仕組んだものだという話しが出ていたので、この男性が事故を仕組んだ犯人という可能性もありそうです。「リュウ」という言葉が何を意味するのかは、サッパリ見当もつかないです。
 さて、謎のシーンは置いといて、今作について。前作と比較して、今作は何となくスケールダウンしているように感じられました。まず戦闘シーン。前作であんなに強かった金木が、今作では弱い弱い。あの触手みたいなのをもっと駆使して戦ってくれても良さそうなものなのに、何故か出し惜しみして最後のトドメに使っただけでした。敵も結局は月山の1人だけでしたし。
 物語的にも、何だか物足りない。前作は人間対グールという図式で、どちらが正義でどちらが悪と判断が難しい所に奥深さがありました。今作は、グール対グールの単なる仲間割れで、どう考えても仲間を食べようとしている頭のおかしい月山が悪人です。前作は種の存続をかけた戦い、今作は付きまとう変人を倒しただけです。
 やはりこの物語は、グール対人間の戦いの中で、元人間の金木がどんな判断をするのか、が見所だとおもうのですが。続編があるなら、グール対グールの正義対悪の戦いではなく、グール対人間の正義対正義の戦いを描いて欲しいです。