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鈴木央 「七つの大罪」 第28巻

 鈴木央さんの漫画「七つの大罪」第28巻は、2017年10月に発売されています。
 前巻では、三千年前の聖戦の物語が終わり、試練を終えたキング及びディアンヌはパワーアップしたようです。特にキングは、背中に小さな羽根が生え、この羽根が大きくなれば更なるパワーアップが期待できそうです。またエリザベスが三千年前の女神族のエリザベスの生まれ変わりであることが分かり、エリザベスの記憶には何か秘密が隠されているようですが、今のところは不明です。
 <七つの大罪>が勢揃いしてキャメロット王国奪還に向けて動き出しました。キャメロット王国は次元の歪に囲まれて浸入できず、この次元の歪みの発生源がある城塞都市コランドへ向かうことになりますが、この場所には<十戒>メラスキュラが待ち構えているようです。
 今巻はこの続きで、城塞都市コランドが物語の舞台になりそうです。バン&エレインに焦点があてられた物語になるのでしょうか。
 それでは以下、「七つの大罪」第28巻のあらすじを記載します。ネタバレ注意です。

 ホークママと共に移動する<豚の帽子>亭の一室はエレインの部屋になっており、エリザベス及びディアンヌ(人間サイズ)が集まって話しています。エリザベスが三千年前の女神族のエリザベスの生まれ変わりであり、エリザベスが記憶を失って転生する事を繰り返しているという事実と、その事についてメリオダスが話を誤魔化す態度を取っていることを聞かされたエレインは、何か思い出して欲しくない事情があるのかもと推測します。ディアンヌは、辛い思い出の中にも必ず幸せな思い出はあるはずと、自分やゴウセルの例を挙げて、エリザベスが記憶を取り戻せるよう応援すると言います。
 ヘルブラムは、この先に何が待っているかに気付いているようで、キングに対して普段とは違う態度を取ります。
 次の戦いの相手がメラスキュラであると推測しているバンは、この戦いから抜けさせて欲しいとメリオダスに頼みます。エレインはメラスキュラの術で生き返っており、メラスキュラを倒せばエレインも再び死んでしまいます。メラスキュラを倒さなくても、エレインは日に日に弱っており、もう長くは生きられそうにありません。バンは、残された時間をエレインと過ごしたいと考えていました。メリオダスは、バンの頼みを聞き入れ、お前の気持ちはよく分かると言いかけますが、バンに好きな女を二度も死なせる気持ちが分かるのかと責められます。
 エリザベスが急に意味不明な事を話して暴れ出します。エリザベスの瞳は、女神族のものに変わっていました。そしてエリザベスは、気を失って倒れます。メリオダスは、記憶が戻り初めているのだろうと皆に説明し、もし記憶が戻ったらエリザベスは3日で死ぬと話します。メリオダスは、仲間達に三千年の旅の目的を語り始めます。
 三千年前の聖戦で、メリオダスは魔神族を裏切り、エリザベスは魔神族をも救おうとした事で、2人の神から罰を受けました。2人の神とは、魔神族を統べる魔神王と、女神族を束ねる最高神とであり、この2人に戦いを挑んだメリオダス及びエリザベスは、圧倒的な力の前になす術なく殺されました。しかし、しばらくしてメリオダスは目覚め、傍らに死んでいるエリザベスを発見します。この時には聖戦は終わっており、メリオダスはブリタニアをさまよい歩くうちに、蛮族として生まれ変わったエリザベスに出合います。エリザベスは記憶を失っていましたが、そのうちに女神族の力に目覚め、とうとう記憶を取り戻します。全てを思い出したエリザベスは、自分達が2人の神から呪いを受けたと言います。エリザベスは、いつかこの呪いを解くと約束する事をメリオダスに求め、メリオダスから約束するとの答えをもらった後、呪いの事をメリオダスに話します。メリオダスにかけられた呪いは、永遠の生、即ち二度と歳をとらず死んでも蘇るというもの。エリザベスにかけられた呪いは、永劫の輪廻、即ち記憶を忘れて転生を繰り返すというものであり、もし記憶が戻ったら必ず3日で死ぬというものでした。またエリザベスは、転生する度にメリオダスと出会って恋に落ち、メリオダスの目の前で死ぬ事が定められていました。これを語った蛮族のエリザベスは3日後に死亡します。メリオダスは、この三千年の間に107人のエリザベスと出合い、106人のエリザベスを看取っていました。呪いを解くためには、魔神王か最高神の力、もしくは、それに匹敵する力が必要で、例えばゼルドリスが魔神王から借り受けた力がこれに相当します。メリオダスは、呪いを解くための自分の戦いに巻き込んだ事を詫びます。そしてメリオダスは、今は次元の歪みを破るという目的に集中しようと言います。
 とある村で、村長の息子ペリオは、魔神族の言いなりに生け贄を差し出していることを批判し、自分が魔神を倒すと言います。これを魔神に聞かれてしまい、ペリオは魔神に捕まって殺されそうになります。そこへ、ゴウセルが現れてペリオを救い、魔神を倒します。この村は以前にゴウセルがアーマンドという名前で世話になった村でした。村に巣くっていた魔神達は<七つの大罪>により倒され、ペリオはゴウセルとの再会を喜びます。
 村の平和を取り戻し、<七つの大罪>は旅を再開します。バンは、好きな女を二度も死なせる気持ちが分かるのかとメリオダスを責めた事を悔やんでいました。ディアンヌは、記憶を思い出すようエリザベスを応援した事を悔やんでいました。ホークは、エリザベスを救う方法が必ずあると励まします。
 そして、<七つの大罪>は、城塞都市コランドに到着します。コランドの入口には、ゼルドリスが待ち構えていました。早速、メリオダスはゼルドリスを攻撃しますが、これはメラスキュラが作り出した幻覚でした。メリオダスは、メラスキュラの「暗澹の繭」に捕らわれて姿を消します。その後、周囲に散乱していた骸骨が動き出し、<七つの大罪>と死霊軍団との戦闘が始まります。暗澹の繭に取り込まれたメリオダスは、真っ暗な空間にいました。この空間はメリオダスの負のエネルギーを吸収するたむ、メリオダスは脱出する事が出来ません。また吸収されたエネルギーは、外で<七つの大罪>が戦っている死霊軍団へ供給される仕組みでした。これにより死霊軍団はパワーアップし、もはや雑魚とは呼べない存在となっていました。しかし、試練をクリアしてパワーアップしたキング及びディアンヌ、傲慢に強いエスカノールの敵ではありませんでした。焦ったメラスキュラは、メリオダスから奪ったエネルギーを一体の死霊に集めて更にパワーアップさせようとしますが、エネルギーに耐えきれずに死霊は崩壊してしまいます。
 メラスキュラは作戦を変えて、死霊達の怨念を利用した精神的な攻撃を<七つの大罪>に放ちます。ディアンヌは怨念に捕らわれて操られ、仲間を攻撃し始めます。ゴウセルはディアンヌの心に侵入し、ディアンヌがエリザベスの記憶を戻す手助けをしてしまったと後悔している事を怨霊につけ込まれていることが分かりますが、元に戻すには至りません。更に操られたディアンヌは、自分自身を傷つけ始めます。<七つの大罪>がなす術ない中、キングの兜に宿るヘルブラムがディアンヌに取り付いた怨霊に話し掛けます。この怨霊達は、過去にヘルブラムがコランドを滅ぼしたときに殺された人々のものでした。ヘルブラムは、キングに別れを告げ、怨念の前に身をさらし、怨念に操られたディアンヌに握り潰されて消滅します。これで大部分の怨念は消え、ディアンヌの意識が戻りますが、一部の怨念が残ってディアンヌの身体を操り続けます。そこへ、エレイン及びエリザベスが現れ、エレインがディアンヌの動きを止め、エリザベスが怨念を浄化します。
 記憶が戻ったエリザベスは、女神族の力を使いこなし、戦いで傷付いた<七つの大罪>を一瞬で回復させます。そこへ、メラスキュラが現れ、巨大な蛇に姿を変えて<七つの大罪>に襲いかかってきます。メラスキュラは以前に心臓を潰された恨みのあるバンを丸呑みにしようと口にくわえ込みます。エレインはキングの制止を振り切ってメラスキュラに向かって行き、バンを救出します。エレインの背中には、大きく立派な羽根が生えていました。
 エリザベスの記憶が戻った事を知ったメリオダスは、メラスキュラの暗澹の繭から自力で脱出してきます。脱出のために魔力を極大まで解放したメリオダスは、これまでの暴走状態よりも更に上の「殲滅状態」となります。エスカノールは神器リッタを呼び寄せてメリオダスと対峙し、マーリンは完璧な立方体にメリオダス及びエスカノールを閉じ込めます。この隙にメラスキュラは<七つの大罪>の残りのメンバーを倒そうと考えますが、<七つの大罪>の力はメラスキュラが想像した以上に高く、逆に追い詰められてしまいます。メラスキュラは逃げようとしますが、エレインが作り出した風の壁がそれを阻みます。ゴウセルがメラスキュラの動きを10秒だけ停止させます。マーリンは、メラスキュラを倒せばエレインが再び死んでしまう事から、エレインの覚悟を確かめた後、メラスキュラにトドメをさそうとします。しかしエリザベスは、メラスキュラを浄化して瘴気を取り除きます。メラスキュラは、一匹の蛇が魔界の瘴気を浴び続けた事で生まれた存在であり、瘴気を取り除かれたメラスキュラは小さな蛇に戻ります。マーリンは、この蛇を捕まえて試験管内に閉じ込めます。
 完璧なる立方体の中では、魔神と化したメリオダスとエスカノールとの壮絶な戦いが繰り広げられていました。メリオダスが優勢でしたが、時刻は正午に近づいていき、エスカノールは徐々に強さを増していきます。エスカノールの闘級は11万を超え、エスカノールは懇親の一撃をメリオダスに放ちます。しかしメリオダスはこれに耐え、メリオダスの反撃を受けたエスカノールは両膝を地面に付きます。

 以上が、鈴木央さんの「七つの大罪」第28巻の物語です。
 とうとうエリザベスの記憶の秘密が明かされ、メリオダス及びエリザベスの三千年間の歴史が明かされる重要な巻でした。メリオダスが不老不死、エリザベスが転生の繰り返し、という呪いを魔神王及び最高神から与えられたという事でした。エリザベスは記憶が戻ると3日後に死んでしまうというおまけ付きです。今巻でエリザベスの記憶は戻ってしまったので、あと3日間の命です。
 この「七つの大罪」は、現在は連載が終了して物語は完結しています。単行本は全41巻です。今巻が第28巻だから、あと10冊以上は残っています。残り3日間で10冊以上を引っぱるのは流石に無理でしょう。かと言って、今のエリザベスが死んでしまって、次のエリザベスの時代まで時間を飛ばすには少し巻数が足りない気がします。途中で呪いを解くことができるのか、あるいは呪いの進行を一時的に止めるような方法があるのか。例えば、地上とは時間の進む速度が異なる天界とか魔界とかに行く展開はありそうな気がしますが、どうでしょうか。
 事前の予想通り、メラスキュラは既に雑魚でした。ただ、メラスキュラを倒してエレインは死んでしまうと思っていましたが、メラスキュラを倒さずに浄化したことでエレインは生き残れているようです。何だか少しズルい気もしますが。エレインが生き残っているという事は、メラスキュラの術で墓から蘇って暴れていた死人達も消えていないという事ですよね。これはこれで問題ありな気もします。
 エレインに羽根が生えてかなりパワーアップしていました。キング&ディアンヌも試練をクリアしてパワーアップし、ゴウセルも記憶を取り戻したことでパワーアップしています。<七つの大罪>の中でバンだけがパワーアップしておらず、メラスキュラに苦戦してエレインに助けられていました。バンだけが雑魚なじょうたいで少し不憫ですね。今後の展開でバンがパワーアップすることがあるのでしょうか。死なないと言うだけでただの人間のバンに、これ以上のパワーアップが可能なのか。まぁ、エスカノールだって人間だから、バンも強くなれる可能性はあるのか。ただ、エスカノールは人間として扱っていいものか謎ですが。
 メリオダスが邪悪モードになってしまいました。正午のエスカノールでも勝てないくらい強いようです。でも、目覚めたエリザベスの力があれば、メリオダスを正気に戻すくらいできるんでしょう、と予想しています。

 

鈴木央 「七つの大罪」 第27巻

 鈴木央さんの漫画「七つの大罪」第27巻は、2017年7月に発売されています。
 前巻では、ゴウセルを作った本物のゴウセルが<十戒>の1人として登場し、でも敵ではなさそうな雰囲気で、聖戦を終わらせると言っていました。また<七つの大罪>の一員となる人形のゴウセルの秘密も明かされました。そして物語は、グロキシニアの姿をしたキングに戻り、ゲラードを傷付けた人間のロウに対してグロキシニアが怒りの槍を放った場面で終わっています。
 今巻はこの続きで、グロキシニア姿のキングの物語から始まります。
 それでは以下、「七つの大罪」第27巻のあらすじを記載します。ネタバレ注意です。

 グロキシニア(中身はキング)はロウを目掛けて槍を放ち、ロウは抱えていたゲラードを放して槍を受ける覚悟をします。ロウの表情を見たキングは、槍をロウの目の前で停止させ、君を殺さないと告げます。しかし、次の瞬間に槍はロウを貫いており、キングの背後にはグロキシニアが槍を放った姿勢で怒りの涙を流していました。
 気が付くと、キングは三千年後の元の世界へ戻っていました。グロキシニアは、三千年前のあの時に自分はロウを殺し、気が付けば<十戒>の仲間になっていたとキングに話します。キングは、本当の悪なんてそう在るものじゃない、とグロキシニアに言い、もしかしたらロウはゲラードにとってかけがえのない存在だったかもしれないと考えて殺せなかったと話します。グロキシニアは、試練は合格だとキングに告げます。キングが体験した三千年前の世界は本物であり、向こうの世界で死ねば本当に死んでしまい、歴史を大きく変えるような行動を取ると元の世界に戻されてしまう仕組みでした。キングは、グロキシニアとは異なる選択をした事で、元の世界へ戻ってくる事ができました。もしキングがグロキシニアと同じ選択をしていれば、キングは元の世界へ戻って来れなかった可能性がありました。キングは、一安心しますが、身体に異変が起こります。
 一方、三千年前の世界のドロール(中身はディアンヌ)は、ゴウセルと話し終えて、キングの元へ向かおうとしていました。しかし、魔界の門を通ってやってきた処刑人ゼルドリスが、ゴウセル及びディアンヌの前に現れます。ゼルドリスは、脱獄した本物のゴウセルを連れ戻しに来たようです。ディアンヌは、ゴウセルを庇い、聖戦を終わらせるため2人のゴウセルに逃げるよう言います。2人のゴウセルは逃げ、ディアンヌはゼルドリスに挑みます。しかし、ドロールの身体を持つディアンヌよりもゼルドリスは圧倒的に強く、ディアンヌはゼルドリスの蹴り一撃で倒れます。更にゼルドリスは、ドロールの魔力を封印してしまいます。ゼルドリスは、自分が魔神王の代理だと話し、ここで死ぬか、<十戒>の仲間となるかを選べと言います。
 三千年後の元の世界では、ドロールが、死ぬか仲間になるかをゼルドリスに迫られ、仲間になる事を選んだ事をキングに話していました。ドロールは、<十戒>として生きるのと、巨人族として死ぬのとでどちらが正しかったのかを知りたかったと話します。ディアンヌは、死ぬ事を選べば三千年前の世界でゼルドリスに殺され、ドロールと同じく仲間になる事を選べば元の世界に戻る事は出来ません。どちらを選んでもディアンヌは戻ってくることが出来ない事を知ってキングは焦りますが、次の瞬間にあっさりとディアンヌは戻ってきます。驚くドロールに対してディアンヌは、どちらも選択せずに逃げ出したと話します。キングも元の世界に戻れた事を知ったディアンヌはキングにキスし、キングは気絶します。目を覚ましたキングにディアンヌは、二百年前の約束を守ってくれたお礼と言います。二百年前の約束とは、子供の頃のディアンヌに対して必ず戻ってくると言ったキングのセリフの事です。ディアンヌは、ゴウセルが別れ際にお詫びとプレゼントとしてかけた術により、忘れていた記憶を完全に取り戻していました。ディアンヌはキングが好きだと言い、キングもディアンヌが好きだと言ってディアンヌにキスをします。そしてキングがふと自分の背中を見ると、小さな羽根が生えていました。
 妖精王の森へやって来ていたグロキシニアは、妹のゲラードと再会し、過去の事を謝ります。妖犬オスローは、グロキシニアに対して敵意を見せます。オスローは、グロキシニアが妖精王の森から去った後、ゲラードを守り続けてきました。グロキシニアは、オスローがロウの生まれ変わった姿だと気付きます。グロキシニアは妖精の森をキングの代理で守ると約束し、キング及びディアンヌは<七つの大罪>の元へ帰る事を決めます。
 その頃、リオネス王城では、<七つの大罪>のメリオダス、バン、ゴウセル、マーリン及びエスカノールの5人が集まっていました。マーリンは、この場所で<七つの大罪>が再集結する予兆を国王が見たと話します。マーリンが話しをしていると、空にオスローが作り出した転移空間が現れ、これを通ってキング及びディアンヌが降ってきます。キング及びディアンヌは、メリオダスが生きている事に驚きます。ディアンヌは、自分の記憶が戻った事を話し、消えた記憶が戻るはずがないというゴウセルに対して、大切な記憶は絶対に消えないと言います。ディアンヌは、三千年前の世界でゴウセルの生みの親と約束したと言い、ゴウセルになくした心を取り戻そうと言います。そこへ、リオネス国王が現れ、昔にゴウセルが持っていた作り物の心臓、心の魔法が込められたとされる心臓を見せます。これを見たゴウセルはその場から逃げ出します。この心臓の由来をリオネス国王から聞いた<七つの大罪>の6人は、手分けしてゴウセルを探します。ゴウセルは、リオネス国王が持っていた作り物の心臓を見て自分がなぜ逃げ出したのか理解できていませんでした。ゴウセルは、自分に残る僅かな記憶の断片をノイズと判断し、自分の技で自分の記憶を消そうとします。しかし間一髪でディアンヌがこれを阻止します。ゴウセルは邪魔をするディアンヌを攻撃しますが、ディアンヌは攻撃を踊りながら全て避けます。踊るディアンヌの闘級は上昇を続け、15100に達します。勝ち目がないと判断したゴウセルは逃げようとしますが、キングがこれを阻止します。キングの闘級は41600でした。ゴウセルは、近くにいた人を逃走の人質にしようとしますが、この人は王女ベロニカでした。ベロニカは、リオネス国王の娘であり、国王の姉ナージャの面影がありました。ベロニカを見てナージャの事を思い出しかけたゴウセルは、混乱に拍車がかかり、再び記憶を消そうとしますが、ディアンヌに押さえ込まれます。マーリンは、これまでゴウセルの精神が不安定だったのは、記憶を思い出しかける度に拒絶反応を起こしていたためだと推測します。ゴウセルは、ナージャの死にショックを受けて自らの記憶を消してしまいました。ディアンヌは、辛い記憶の中にも大切な思い出は必ずあるはずだとゴウセルに言います。心の魔法が込められた心臓は、単なるハート型の作り物で、心の魔法などはそもそも存在せず、ゴウセルの心はゴウセル自身の中にあるとマーリンは話します。ディアンヌ及びマーリンの話しを聞き、ゴウセルは過去を思い出します。これによりゴウセルは、本来の力を取り戻し、魔力が急激に上昇します。
 これまでの戦いで壊れた<豚の帽子>亭が再建されます。夜には宴会の予定です。エリザベス及びディアンヌは、エレインの見舞いに行きます。エレインは、メラスキュラの術で一時的に蘇った状態で、本調子ではありません。ディアンヌは、三千年前の世界を訪れた経験を2人に話し、そこにメリオダスと、エリザベスと瓜二つの女神族のエリザベスがいた事を話します。キング、ゴウセル及びエスカノールの3人は、夜の宴会を待たずに昼から飲んでいました。キングはゴウセルに色々と言いたい事があったようですが、すぐに酔いつぶれてしまいます。しかしゴウセルには、キングの気持ちが伝わっていました。
 その頃、マーリンは、使い魔のオルロンディを使って、魔神族に占拠されたキャメロット王国でアーサー王を遠隔で探していました。しかしオルロンディは、<十戒>ゼルドリスに見つかってしまいます。ゼルドリスはオルロンディを消し去ろうと攻撃しますが、マーリンがオルロンディを守ります。オルロンディは無事にゼルドリスから逃げ延びますが、マーリンはオルロンディに対するゼルドリスの攻撃を引き受けて負傷します。
 夜になり、<豚の帽子>亭での宴会が始まります。遅れてやってきたマーリンで<七つの大罪>が全員揃い、乾杯が行われます。宴会の中の会話でディアンヌは、ゴウセルに三千年前の聖戦をどのように終わらせたのかを尋ねます。ゴウセルは、今はまだ話せないと答えます。一般的には女神族が自らを犠牲にして魔神族を封印して聖戦が終わったとされており、ゴウセルが聖戦を終わらせたという話は、マーリンでも初耳でした。エリザベスは、三千年前にいたという同名の女神族や、以前のメリオダスの恋人リズの本名がエリザベスである事が気になっていました。マーリンは<十戒>のゼルドリスには迂闊に手出ししない方がいいと言い、ディアンヌも三千年前の世界でゼルドリスが魔神王の代理と名乗っていた事を話します。メリオダスは、ゼルドリスの戒禁に捕らわれた人々の救出と、キャメロット王国の解放とを当面の目標とする事を決めます。その後、マーリンは先に切り上げて自室へ戻り、部屋に入った瞬間に倒れこみますが、メリオダスがマーリンを支えてベッドまで運びます。マーリンはゼルドリスの攻撃を受けたダメージを悟られないようにしていましたが、メリオダスはこれを見抜いていました。メリオダスはマーリンの目的がアーサーを護ることだと指摘し、マーリンはアーサーが自分の希望そのものだと話します。マーリンの不調を見抜いたのはメリオダスの他にもう1人、エレインでした。エレインはエスカノールにマーリンの様子を見に行くよう言い、エスカノールはマーリンの部屋の前でメリオダス及びマーリンの話を聞いてしまいます。
 リオネス王国の第1王女マーガレットは、魔女ビビアンに連れ去られた聖騎士ギルサンダーを探す旅に出ます。
 マーガレットが旅立つ様子をメリオダス及びエリザベスは丘の上から見守っていました。その後、エリザベスは、リズの本名がエリザベスである事、ディアンヌが三千年前の世界で出会った女神族のエリザベスの事、<十戒>のデリエリがエリザベスを見て驚いた事などについて、メリオダスに問います。しかしメリオダスははぐらかして答えませんでした。
 <豚の帽子>亭では、昨夜に倒れたマーリンが寝込んでおり、聖騎士ヘンドリクセンは呪いによるものだと判断します。ヘンドリクセンは、自分の力ではこの呪いを解くことはできないと判断し、エリザベスを連れてきます。エリザベスは、マーリンにかけられた呪いを解こうと自分の力を集中します。気が付くとエリザベスは真っ暗な空間におり、目の前にはゼルドリスが立っていました。ゼルドリスは、呪われし女神エリザベスと呼び、未だに兄を傷付けているのかと非難します。何のことか分からないエリザベスに対して、ゼルドリスは、エリザベスが死んでは記憶を失って転生し、兄との出合いを繰り返していると話します。記憶を思い出したいというエリザベスに対して、ゼルドリスは全て思い出して己の罪深さを思い知れとエリザベスを突き放します。エリザベスの魔力はマーリンにかけられたゼルドリスの呪いを打ち破り、マーリンは目を覚まします。エリザベスは、記憶を取り戻してはいませんでしたが、これまでに何度もメリオダスと巡り会っていたという事実を嬉しく思います。
 現在、キャメロット王国は直径100マイルの次元の歪みに囲まれており、外部からの侵入を拒んでいました。王国から南東へ250マイルの地点、城塞都市コランドが次元の歪みの発生地点とマーリンは特定していました。<七つの大罪>にエリザベス、エレイン及びホークを加えたメンバーは、<豚の帽子>亭ことホークママに乗って、城塞都市コランドを目指します。エレイン及びキングの兜に宿るヘイブラムは、城塞都市コランドにいる敵が<十戒>メラスキュラである事を感じていました。

 以上が、鈴木央さんの「七つの大罪」第27巻の物語です。
 まだまだ続くのかと思われた三千年前の聖戦の物語が、あっさりと終わってしまいました。キング及びディアンヌの試練が終わってしまったので、仕方ないのかもしれませんが、何だか尻切れトンボな終わり方でした。結局、三千年前の聖戦がどのようにして終わったのか、ゴウセルが聖戦を終わらせたのか、詳しいことは分からずじまいでした。元の世界でもゴウセルが聖戦の真実について今は語るべきではないなどと言い出す始末です。大切な情報は仲間の間で共有しておかないと面倒なことになるという事をこれまでの経験で全く学んでいないですね。まぁ、作者が情報を出し惜しみしているとしか思えません。
 今巻は、1つの物語が終わって次の物語が始まるまでの繋ぎの物語でした。<七つの大罪>が勢揃いしてキャメロット王国の奪還作戦を開始するところで終わりました。新章突入といったところでしょうか。ただ、次の敵がメラスキュラと言うのが、今さら感がありますが…。今後の物語で敵対しそうな<十戒>は、ゼルドリス、エスタロッサ、メラスキュラくらいしか残っていない。ガラン、グレイロード及びフラウドリンは既に死亡し、グロキシニア及びドロールはもう味方と考えてよいでしょう。デリエリ及びモンスピートは生き残っていますが、やや忘れ去られた感があり、今さら登場しても…、まぁインデュラ化という奥の手は残っていますが。
 エリザベスが、三千年前の聖戦に登場した女神族の生まれ変わりであることが確定しました。誰もが既にそうだと思っていた既成事実ではありますが。ただし、エリザベスの記憶は戻っておらず、記憶が戻ることで物語が急展開する可能性を秘めていそうでした。どんな秘密が隠されているのでしょう、メリオダスは知っていて隠しているようですが。

 

鈴木央 「七つの大罪」 第26巻

 鈴木央さんの漫画「七つの大罪」第26巻は、2017年5月に発売されています。
 前巻では、妖精王の森にいたキング及びディアンヌが<十戒>グロキシニア及びドロールによって三千年前の世界に送り込まれました。キングはグロキシニアの身体、ディアンヌはドロールの身体で三千年前の聖戦を追体験することになります。三千年前の世界で2人はメリオダス及び女神族のエリザベスに出会い、<四大天使>対<十戒>の戦いを目撃します。今巻はこの続きからで、三千年前の世界での物語です。
 それでは以下、「七つの大罪」第26巻のあらすじを記載します。ネタバレ注意です。

 インデュラ化した<十戒>モンスピート及びデリエリの攻撃は、<四大天使>リュドシエル、サリエル及びタルミエルをも圧倒します。<十戒>ガラン及びフラウドリンは、巻き込まれるのを避けるために撤退します。戦場へと向かうメリオダス、グロキシニア(中身はキング)及びドロール(中身はディアンヌ)は、倒れているエリザベスを発見します。傷付いたエリザベスはリュドシエルが作った結界の中にいました。メリオダスは、自身が傷付く事も気にせず、結界を突破してエリザベスを連れ出します。すぐさまエリザベスはメリオダスの元から飛び立ち、睨み合う<十戒>及び<四大天使>の間に割って入り、自分か<十戒>を救うとリュドシエルに言います。エリザベスが放った光はモンスピート及びデリエリを包み、インデュラ化した2人の姿が少しずつ戻っていきます。しかしモンスピート及びデリエリはこれに対抗し、両者の力が拮抗した状態が続きます。この隙にリュドシエルは<十戒>の2人を倒そうとしますが、メリオダスがリュドシエルの邪魔をします。リュドシエルはサリエル及びタルミエルに加勢するよう命じますが、2人はエリザベスに加勢し、モンスピート及びデリエリはインデュラ化が解けて元の姿に戻ります。リュドシエルは、意識を失った状態で倒れているモンスピート及びデリエリを殺そうとしますが、これをディアンヌが阻みます。
 孤立したリュドシエルは、遠話でネロバスタに<天界>から援軍を呼ぶよう命じます。ゴウセルに操られていたネロバスタは、リュドシエルからの遠話を受けて正気に戻ります。ネロバスタの前には<十戒>のゴウセル及びメラスキュラがおり、<天界>の門はメラスキュラの術で侵蝕されており、<魔界>の門に変わろうとしていました。
 妖精王の森にある<光の聖痕(スティグマ)>の拠点には、構成員である妖精族、巨人族及び人間達が待機しており、グロキシニアの妹ゲラード及び人間の戦士ロウも含まれています。ネロバスタから<十戒>の2人の侵入が知らされ、この2人を倒すよう<光の聖痕>の人々に命令を下します。<光の聖痕>の人々はネロバスタの元へ向かおうとしますが、ロウ及びその仲間達がこれを阻みます。ロウ達は魔神族に味方する人間であり、ロウは自分達の目的が<光の聖痕>の抹殺だと宣言します。
 拠点での異変を察知したキング及びディアンヌは、メリオダスに後を任せて拠点へと引き返します。しかし、キング及びディアンヌの前にゴウセルが現れます。キング及びディアンヌは、ゴウセルの登場に驚きますが、自分達の知るゴウセルとはどこか違うように思えました。ゴウセルがメラスキュラの仲間であり、<十戒>の1人である事に、キング及びディアンヌは更に驚きます。ゴウセルは、<光の聖痕>の本拠地へ戻ろうとする2人に攻撃を行います。キングはゴウセルの攻撃が精神攻撃であり、ディアンヌの記憶を消したのが三千年後のゴウセルである事をディアンヌに話します。
 その間にも、ロウ達による<光の聖痕>の抹殺は進み、メラスキュラは<魔界>の門を開く作業を続けます。そして門が開いたとき、メラスキュラは自分が開いたのが<魔界>の門ではなく、<魔界>の牢獄の門である事に気付きます。メラスキュラはゴウセルに操られていたようです。門からは、車椅子に乗った1人の男性が現れ、男性は「私がゴウセルだ」と言います。本物のゴウセルは、魔神王に「無欲」の戒禁を与えられた後に幽閉され、自らが作り出した人形のゴウセルを通じて外の世界と接してきました。ゴウセルは、この世に別れを告げると語ります。

<七つの大罪 人形は愛を乞う>
 ゴウセルは、自分が何者であるかも、<十戒>のことも覚えていません。これは、自らの戒禁により記憶も感情も失ってしまったためでした。
 ゴウセルは、どこかの洞窟内のような場所で目覚めます。そこへランタンを手にした少女が現れます。少女はナージャと名乗り、ここがリオネス城の地下だと話します。ナージャはまた来る事をゴウセルに約束して去って行きます。ナージャが地下から城へコッソリ戻ると、弟のバルトラが待ち構えていました。なお、バルトラは現在のリオネス王国の国王であり、エリザベス達の父となる人物です。ナージャは、バルトラが見た夢の通り、城に地下が存在し、そこに不思議な男の子がいたと話します。
 ゴウセルは、自分がいる地下を調べ、この場所が大木と岩とが折り重なって出来た空間である事に気付きます。ゴウセルは、測定により大木が三千年前のもので、妖精王の森だった事に気付き、過去の出来事を思い出します。過去、本物のゴウセルは自分の夢を人形のゴウセルに託して死亡しました。
 過去を思い出してゴウセルが涙を流しているところに、ナージャが再び現れます。ナージャは、自分の宝物の書物をゴウセルのために持ってきました。書物はメルドルという主人公が活躍する冒険物語でした。ゴウセルはこの書物を一瞬で読み終え、自分の髪の毛をメルドルと同じ長い金髪に変えてみせます。驚くナージャに、ゴウセルは自分が魔法使いに作られた人形だと話し、自分の胸を開いて作り物の心臓を見せます。それは、ハート型のアクセサリーのような可愛らしいものでした。ゴウセルは、魔法使いが心の魔法を詰めてくれた魔法の心臓だと話します。ナージャは、気を失って倒れてしまいます。
 ナージャが目を覚ますと、自室のベッドの上におり、バルトラが看病してくれていました。バルトラは、地下の入口付近で倒れているナージャを侍女が発見したと話します。ナージャは、地下の少年が人間ではなかった事、しかし自分が少年に惹かれている事を話します。それを聞いたバルトラは、隠れていた人を呼びます。それはゴウセルでしたが、何故か侍女の服装をしていました。バルトラは、実はゴウセルがナージャを運んできた事、周りの目を誤魔化す為に侍女の姿に変装させた事を話します。ゴウセルは、ナージャに嫌われていない事を知り、ナージャに抱き付いて喜びます。
 その後、ゴウセルはナージャの新しい侍女として、ナージャと共に生活するようになります。ナージャは以前より明るくなり、楽しい毎日を送っていました。バルトラは予知能力があり、ナージャとゴウセルとの出会いを予見していました。バルトラは、姉とずっと一緒にいてあげて下さいとゴウセルに頼みます。
 その後、ナージャの身体は弱っていき、ベッドで過ごす事が増えて行きます。ゴウセルは、ナージャの心拍が日に日に弱っている事を感じ取っていました。ゴウセルは、自分の生みの親である本物のゴウセルが、自分に出来なかった夢を叶えてくれと言い残して死んだ事、よの夢が何なのか分からない事をナージャに話します。ナージャは、その夢は自分の目で見て、耳で聞いて、手で触れる事であり、既にその夢は叶えているとゴウセルに言います。
 ゴウセル及びナージャは愛し合うようになりますが、ナージャの心臓はとうとう止まってしまいます。ゴウセルはナージャを生き返らせようと、自分の胸の中から魔法の心臓を取り出してナージャの胸の上に置きますが、ナージャは生き返りません。そこへ、騒ぎを聞きつけた衛兵達がやってきます。衛兵達は、ゴウセルがナージャを殺害したと勘違いし、ゴウセルを捕らえます。ゴウセルは、王女殺害の大罪人として、火刑に処される事が決まります。ゴウセルは、ナージャの死に心を痛め、心はいらないと考え、自分はただの人形でいいと考えます。

 三千年前の世界に戻ります。キング及びディアンヌの前に立ちふさがる人形のゴウセルの元に、本物のゴウセルがやってきます。ゴウセルは、<光の聖痕>の拠点で人間による反乱が起きている事を話すと共に、自分の目的が自由の身となり聖戦を集結させる事だと話します。キングは<光の聖痕>の拠点へ向かい、ディアンヌはこの場に残ってゴウセルと話しをします。ゴウセルは未来で聖戦は続いているかをディアンヌに問い、三千年前に終わったとディアンヌから聞いて、自分の死は無駄にならないと言います。ゴウセルは、人形のゴウセルにこれからは1人で生きていかなければならないと告げます。本物のゴウセルは、人形のゴウセルへの最初で最後の贈り物として、心の魔法を詰め込んだ心臓を胸の中に入れたと話します。そして本物のゴウセルは、未来に戻ったら、心も記憶も失っている人形のゴウセルの友人になって導いてあげて欲しいとディアンヌに頼みます。この頼みを引き受けたディアンヌに、ゴウセルは感謝の贈り物をします。
 急いで拠点へと戻るキングは、ゲラードを護る事がグロキシニアからの試練だったのかと考えますが、三千年後の世界でゲラードは生きています。そしてキングが拠点へたどり着くと、傷付いたゲラードを小脇に抱えたロウが立っていました。
 少し前。<光の聖痕>の戦士達と、人間のロウ達との戦いは、ロウ達が押していました。ゲラードはロウに戦いを止めるよう説得しようとしますが、ロウは戦い続けます。妖精族の仲間を攻撃しようとしたロウの前にゲラードがたちはだかり、ロウは自分を殺すようゲラードに言いますが、ゲラードは躊躇します。しかし、ロウの仲間の人間が割って入り、ゲラード及びゲラードの仲間を攻撃します。ロウの仲間は傷付いて倒れたゲラードにトドメをさそうとし、ロウは仲間を殺してこれを阻止します。ロウは傷付いたゲラードを抱えて座り込み、ゲラードはロウの心に悲しいと怒りと共に、自分によく似た少女の顔を見たと話します。ロウは、その少女が幼なじみで、<光の聖痕>に殺されたと話します。ロウが幼い頃、ロウの住む村の村人が行き倒れの魔神族を介抱して助けるという出来事がありました。その数日後に<光の聖痕>の戦士達が村に現れ、村人達を皆殺しにしました。ロウを含む数人の村人は狩りに出ていたためこの難を逃れました。生き残った村人達は、<光の聖痕>に対する復讐を決意し、自分達を鍛え上げ続けてきました。しかしロウは、自分達が行った行為は、<光の聖痕>が行った行為と何ら変わらないと気付きました。そこへ、グロキシニア(中身はキング)が戻ってきます。ゲラードは兄に事情を説明しようとしますが、ロウはそれを止めます。怒ったグロキシニアは、ロウ目掛けて槍を放ちます。

<番外編:やさしい魔法の解き方>
 ドルイドの修練窟での修行で幼い子供の姿に戻ったグリアモールについて、父のドレファスはマーリンに元の姿に戻して欲しいと頼みます。
 その頃、子供グリアモールは、王女ベロニカのベッドで眠りにつこうとしていました。ベロニカは、魔神フラウドリンの死を悲しむ子供グリアモールを慰め、おでこにキスをします。
 マーリンは、グリアモールを元に戻す方法をドレファスに教えます。それは、愛する者からの接吻でした。
 城にベロニカの悲鳴が響き渡ります。ベロニカのキスで元の姿に戻ったグリアモールは、着ていた子供の服を引きちぎってしまい、全裸でした。ベロニカの悲鳴に駆け付けた聖騎士ギーラは、王女のベッドの上に全裸で立ち尽くすグリアモールをに対して、ショット・ボムの攻撃を放ちます。

<番外編:キミに伝えたいのは>
 兄のグスタフが魔神族との戦いで死亡し、ジェリコは自分を責めていました。そんなジェリコに、兄と同じ氷の魔力が発現します。ジェリコは、兄を超える聖騎士になることを決意します。

<番外編:<物欲>のホーク>
 ホークは、何か魔法具が欲しいとマーリンにねだります。マーリンは、ホークの身体を人間に変える事ができる「擬人針」を与えます。擬人針でホークは人の様な姿に変わりますが、小太りオッサン体型で顔は豚のままという姿。ホークは、何か違うとこぼします。
 次にホークは、神器が欲しいとマーリンにねだります。マーリンは、魔法具「ヒートホーク」を神器「ダブルホーク」と改めてホークに与えます。ダブルホークは、食事に使うフォークと同様の形状でした。ホークは、試しにダブルホークを聖騎士ハウザーの尻に突き刺してみます。ダブルホークの特性「あたため」により、ハウザーの尻はじんわりとあたためられます。ホークは、何か違うと叫びます。

 以上が、鈴木央さんの「七つの大罪」第26巻の物語です。
 キング&ディアンヌがメインとなる巻かと思っていましたが、予想外にもゴウセルがメインの巻でした。これまで謎が多かったゴウセルの生態(?)がかなり明かされました。この巻の真ん中あたりに挿入された短編「人形は愛を乞う」が、ゴウセルと王女ナージャとの触れ合いを描いた良い作品でした。雑誌連載時はこの短編がどのようなタイミングで発表されたのか分かりませんが、単行本ではまさにこの位置に収録するのがベストの作品でした。巻の真ん中あたりで短編に切り替わったときは、少し驚きましたけどね。この短編での事件が、ゴウセルが<七つの大罪>に加入するきっかけとなるのでしょう。
 本物のゴウセルは、聖戦を終わらせると言っていました。三千年前の聖戦がどのようにして終わったのか、確かにこれまで謎でした。ゴウセルの口ぶりからすると、ゴウセルが犠牲になることで聖戦が終わる、という事のようです。今巻ではそこまで物語が進みませんでしたが、次巻かその次くらいで聖戦の結末が描かれそうな気配です。楽しみです。
 今巻の最後は、再びキング(グロキシニア)に視点が戻りました。ゲラード&ロウの関係はどうなるのでしょう。グロキシニアがロウに対して槍を放つシーンで終わりましたが、この終わり方からすると、逆にロウはこの槍で死なない展開に思えます。三千年後にもゲラードは登場しているので、この段階でゲラードが死ぬことはなさそうですが。
 グロキシニア&ドロールが課したキング&ディアンヌの試練というのも、結局何なのか分かっていません。ゲラード&ロウに関することがキングの試練っぽく感じられますが、よくわかりません。ディアンヌに至っては、特に悩みもなさそうで、試練の要素が見当たりませんが。グロキシニア&ドロールが<十戒>に入った理由も今のところ分かっておらず、この三千年前の聖戦の物語で真相が明かされることを期待します。
 この三千年前の聖戦の物語ですが、まだまだ終わりが見えません。いつまで続くのでしょう。

 

鈴木央 「七つの大罪」 第25巻

 鈴木央さんの漫画「七つの大罪」第25巻は、2017年3月に発売されています。
 前巻では、リオネス王国に攻め込んだ<十戒>を何とか撃退する事が出来ました。この戦いで<十戒>のグレイロード及びフラウドリンが死亡しています。一度死んだメリオダスは、呪いにより復活しましたが、感情を少し失っています。物語は一段落し、次はキング&ディアンヌへと視点が変わるようです。所で、この2人はリオネス王国の危機に何故駆け付けなかったのでしょう?
 それでは以下、「七つの大罪」第25巻のあらすじを記載します。ネタバレ注意です。

 メリオダスが<十戒>に殺された後、キング及びディアンヌは、マトローナの家族と共に妖精王の森へ避難していました。妖精王の森は結界で守られているため魔神達の侵略もなく、平和な状態が保たれています。妖精達は楽しく歌い踊り、キング及びディアンヌも一緒に歌い踊り、そしていつの間にか<十戒>グロキシニアも妖精達に混じって歌い踊っていました。そして気が付くとキング及びディアンヌの姿はなく、妖精達はどうして歌い踊っていたのか思い出せません。ただ妖精達のリーダー格であるゲラードだけは、グロキシニアの声を聞いたように思います。
 キング及びディアンヌは、気が付くと見知らぬ場所におり、目の前には<十戒>グロキシニア及びドロールがいました。キング及びディアンヌは、全力でグロキシニア及びドロールに挑み、呆気なく敗北します。しかしグロキシニア及びドロールは、キング及びディアンヌを殺すことなく、更には傷を治してくれます。グロキシニア及びドロールは、キング及びディアンヌを鍛え直してやると言います。グロキシニア及びドロールは、魔神族ではなく妖精族及び巨人族であり、かつては魔神族と戦っていましたが、戦いの中である選択を迫られ、悩んだ末に選択した結果で現在の状態に至りました。グロキシニア及びドロールは、このときの選択が正しかったか否かを証明して欲しいと言い、そのための試練を与えると言います。この試練は命懸けのものですが、乗り越えれば確実に成長できます。キング及びディアンヌは試練に挑むことを即決します。グロキシニア及びドロールは呪文を唱え、キング及びディアンヌは光に包まれます。
 気が付くと、キングはグロキシニアの姿になり、ディアンヌはドロールの姿になって、見知らぬ場所にいました。2人が戸惑っていると、強力な魔神の気配が近付いて来ます。しかし現れたのはメリオダスでした。メリオダスは、2人をグロキシニア及びドロールと認識しており、キング及びディアンヌの名前に聞き覚えはなさそうな様子です。そこへ、更にもう1人の人物が現れます。それはエリザベスでしたが、背中には白い羽根が生えています。現れたエリザベスは、女神族でした。
 メリオダスは、4人揃ったとして別の場所へ移動を開始します。キング及びディアンヌは、目的地は分かりませんが、とりあえずメリオダスに付いて行きます。キング及びディアンヌは、自分達が三千年前のブリタニアにおり、<十戒>になる前のグロキシニア及びドロールとしてこの世界に存在しているのだと悟ります。しかし、三千年前にエリザベスがいること、エリザベスが女神族である事については理解出来ませんでした。
 メリオダスか向かった先は、魔神族の襲撃を受けている人間の集落でした。そこには、強力且つ大量の魔神族が押し寄せており、キング及びディアンヌはとても相手に出来る敵ではないと怯みます。しかしメリオダスは、戦場へ飛び込み、魔神族を次々と倒して行きます。躊躇する2人の前に、<十戒>の「敬神」カルマディオスが現れます。カルマディオスの攻撃を受けて反撃した2人は、グロキシニア及びドロールの身体を持つ今は、<十戒>と戦う十分な実力がある事に気付きます。
 現実世界では、キング及びディアンヌは眠りに落ちていました。キングのヘルメットに宿るヘルブラムがキングを起こそうとしますが、全く反応がありません。グロキシニアは、ヘルブラムが見えるようで、試練をクリアしない限り2人が目覚める事はないと話します。
 キング及びディアンヌは、メリオダスとの連係攻撃でカルマディオスを倒します。この間にエリザベスは、魔神族達を話し合いで引き返させる事に成功していました。魔神族に襲われていた村の生き残りの人間は、キング、ディアンヌ、メリオダス及びエリザベスの4人を<光の聖痕(スティグマ)>の戦士と呼びます。<光の聖痕>は、女神族を中心とする巨人族及び妖精族の連合のことでした。人間のロウは<光の聖痕>に加えて欲しいと言い、エリザベスは生き残った人間達を<光の聖痕>の拠点へ連れて行きます。拠点は妖精王の森の中にあり、拠点には<四大天使>リュドシエル及びその部下のネロバスタがいます。リュドシエルは、聖戦の集結の時が来たと語り、魔神族を根絶すると宣言します。
 ロウは、メリオダスが魔神族だと気付いていましたが、メリオダスを仲間と認めていました。エリザベスは、魔神族を根絶するというリュドシエルの考えに反対しますが、リュドシエルは相手にしません。ディアンヌは、ドロールとして巨人族の仲間達に稽古をつけていました。キングは、森の奥からリュドシエルと同じ魔力を感じ、これが何なのかを訝しんでいました。キングは、妖精族の仲間に話し掛けられ、それがゲラードである事に驚きます。キングが知るゲラードは暗い女性でしたが、このゲラードは明るい女性でした。更にキングは、ゲラードがグロキシニアの妹だと知り、驚きます。キングは森の奥から感じる魔力が何かをゲラードに尋ね、ゲラードはリュドシエルが魔神族をおびき寄せるためにまいた生き餌だと答えます。それは、捕虜にした魔神族達をリュドシエルの作り出した結界に閉じ込めたものでした。
 そして<十戒>が率いる魔神族の大軍が妖精王の森を目指して進軍してきます。メリオダスは魔神族に話を付けにいくと言い、キング及びディアンヌもメリオダスに同行する事にします。人間のロウは、妖精王の森の守りは人間に任せろとグロキシニア(キング)に言い、キングはロウにバンの姿を重ねます。
 魔神族の軍勢は、メリオダス達が話し合いに行く前に、何故か進軍を停止します。エリザベスが1人で先行して魔神族と話し合いに現れたためでした。しかしエリザベスはリュドシエルが多くの魔神族を捕虜としている事を知りません。<十戒>のデリエリは捕虜の解放を要求し、エリザベスはリュドシエルに掛け合う事を約束します。しかしそこへリュドシエルが現れます。リュドシエルは魔神族の捕虜を巨大な聖櫃に閉じ込めており、妖精王の森からこの聖櫃が浮かび上がって来ます。魔神族が捕虜になっていることはメリオダスも知りませんでした。捕虜となっているのは魔神族の非戦闘員ばかりで、デリエリの姉も含まれています。リュドシエルは、<十戒>の目の前で、捕虜を一瞬で皆殺しにします。怒ったデリエリは、目の前にいたエリザベスを殴り飛ばします。
 そして、この場に<四大天使>のサリエル及びタルミエルの2人が現れ、<十戒>以外の魔神族を消し去ります。リュドシエルは2人にこの場を任せて去ります。<十戒>のモンスピート、デリエリ、ガラン、メラスキュラ及びフラウドリンの5人と、<四大天使>のサリエル及びタルミエルの2人との戦いが始まります。<四大天使>側がやや優勢ですが、<十戒>を倒す程ではありません。拠点に戻っていたリュドシエルは、戦いの様子を見て自分も参戦する必要があると判断し、女神族のネロバスタに門を死守するように命じて去ります。門とは、天界に通じる門であり、これを破壊されると援軍が絶たれて劣勢になる恐れがありました。
 出て行ったと思ったリュドシエルは、ネロバスタの元にすぐに戻って来ます。リュドシエルは、念のために門を開いて援軍を要請するようネロバスタに命じます。しかしこれはゴウセルによる幻でした。ゴウセルの術にはまったネロバスタは、ゴウセルを門まで案内します。またメラスキュラもゴウセルと共に門の前にやってきていました。
 <四大天使>対<十戒>の戦いは、徐々に<十戒>が挽回してきていました。しかしそこへリュドシエルが現れます。戦況が不利になったと悟った<十戒>のモンスピート及びデリエリは、自分の心臓を掴み出して贄として差し出す事で本性を解放し、「インデュラ」へと変化します。

 以上が、鈴木央さんの「七つの大罪」第25巻の物語です。
 キング及びディアンヌの試練という名目で、物語が三千年前の過去に飛びました。これは終盤に向けて一気に謎が解けそうな予感です。
 まず、エリザベスに関して。三千年前の世界には女神族のエリザベスが存在し、メリオダスの恋人のようです。現代のエリザベスは、この女神族のエリザベスの生まれ変わりという所なのでしょう。
 女神族に関して。これまては女神族という名称は登場していたものの、よく分からない存在でした。三千年前の世界には女神族が存在しています。人間の味方ではあるようですが、必ずしも善というわけでは無さそうです。<四大天使>のリュドシエル、サリエル及びタルミエルが登場していますが、<四大天使>ですからもう1人いるはずで、出し惜しみしている所から考えて、この残りの1人は重要人物になりそうな予感。
 ゴウセルに関して。三千年前の世界にゴウセルが登場し、どうやら魔神族側についている様子。ゴウセルが<十戒>の1人という噂の真相がそろそろ判明しそうです。三千年前のゴウセルは、鎧姿ではなく、いつもの姿でした。この漫画の初めの方でゴウセルが登場した際に、メリオダスも鎧姿のゴウセルの中身を知らなかったような気がするのですが、この辺りの辻褄は合っているのでしょうか。
 メリオダスに関して。三千年前の世界では既にメリオダスが魔神族ではなく人間側に付いています。このため、メリオダスが魔神族を裏切って人間側に味方するようになった理由などについては、もう少し後で明かされる事になりそうです。
 今巻の最後では、モンスピート及びデリエリが「インデュラ」に変化しました。当初は激強かった<十戒>も今ではより強い奴らが登場して見劣りするようになってきていました。少年漫画のお約束には<十戒>も勝てません。これまた少年漫画のお約束である敵ボスが変身して強くなる、を<十戒>も使ってきました。戦闘能力のインフレは止まりません。
 この三千年前の物語ですが、次の巻で終わる気がしません。何巻くらい続くのか?

 

鈴木央 「七つの大罪」 第24巻

 鈴木央さんの漫画「七つの大罪」第24巻は、2016年12月に発売されています。
 前巻では、メリオダスが<十戒>に殺された後の各地の様子が描かれました。メラスキュラの術の影響で生き返った元聖騎士長ザラトラスが<豚の帽子>亭に現れてエリザベス達と行動を共にします。そして<十戒>によるリオネス城への攻撃が始まります。エスカノールの活躍でエスタロッサ及びゼルドリスを退けたものの、フラウドリン及びグレイロードは城内へ侵入します。モンスピート及びデリエリは接近するホークママを感知してそちらへ向かいエリザベス及びザラトラスを発見します。エリザベスに危機が迫ったとき、生き返ったメリオダスが現れました。
 今巻はこの続きで、復活したメリオダスの活躍が期待できそうです。
 それでは以下、「七つの大罪」第24巻のあらすじを記載します。ネタバレ注意です。

 メリオダスの反撃を受けたデリエリは、ホークママから森の中へ叩き落とされていました。モンスピートにも何故メリオダスがここにいるのか理解できません。デリエリは、魔神族の雑魚を集めて次々と殴り倒し、コンボ数を稼いで攻撃力を高めます。そしてデリエリは、ホークママを攻撃して吹き飛ばし、ホークを攻撃したところでメリオダスの反撃を受け、コンボ数はリセットされます。デリエリは、メリオダスに攻撃を続けますが、全てかわされます。しかしデリエリの攻撃は陽動で、この隙にモンスピートが上空から最大の魔力攻撃をメリオダスに放ちます。メリオダスは、できることならおまえらを殺したくねぇ、と以前の自分なら言っただろうな、と呟き、デリエリをモンスピートのいる上空まで蹴り上げた後、モンスピートの魔力攻撃を全反撃で返します。モンスピートはデリエリを庇い、全反撃の魔力が2人を襲い、大爆発が発生します。
 リオネス城にいたフラウドリンは、この魔力の大爆発を感知していましたが、何が起こったのかは分かりませんでした。フラウドリン及びグレイロードの前には、リーダーのデンゼルを失った<蒼天の六連星>、ヘンドリクセン、ギルサンダー及びハウザー等の聖騎士達、リオネス国王、マーガレット及びベロニカ等の王族達、並びに、<七つの大罪>のバン等がいます。グレイロードは、その他に城内にいた人々を捕獲し、何らかの液体で満たされた多数の球体の中に人々を閉じ込めていました。捕らわれた人々の中には、ジェリコやギーラの弟のジール等が含まれています。グレイロードは、下位の魔神から突然変異的に誕生した上位魔神で、人間に卵を植え付けて魔神に変える事が出来ます。そして捕獲された人々の中の2人が魔神に変わります。<蒼天の六連星>のドゲットがこの2人を倒しますが、その後にドゲットは急速に老化して死亡します。これはグレイロードの戒禁「不殺」によるものでした。グレイロードの前で殺生を行う者は刻を奪われるという戒禁です。
 ギルサンダーに寄り添うマーガレットは死を覚悟します。そのとき、ギルサンダー及びマーガレットの間にギルフロストが割り込みます。ギルフロストは、女性の姿に変わり、ギルサンダーを連れて魔法でいずこかへ瞬間移動して姿を消します。ギルフロストの正体は、国を追放された元王国魔術師で、ギルサンダーのストーカーでした。
 グレイロードは人々を閉じ込めた球体を地面に落とし、球体からは魔神が生まれようとします。ジェリコの兄である聖騎士グスタフは、怪我をして戦える状態ではありませんでしたが、自身の魔力を使って球体を凍らせ、人々が魔神化するのを阻止します。しかしグスタフは力尽き、氷は溶け始めます。そのとき、巨大な氷が部屋中を覆います。グスタフとは比べものにならない氷の魔力の主は、ガランの戒禁で石化したはずのマーリンによるものでした。新たに現れたマーリンを危険と判断したグレイロードは、五感を奪う攻撃を放ちますが、これはマーリンを庇ったハウザーが受けます。ハウザーは五感を奪われて倒れますが、マーリンはグレイロードの魔術を簡単に破り、ハウザーの五感は戻ります。グレイロードは大量の虫を放ってマーリンを攻撃し、マーリンは魔法攻撃で虫達を殲滅します。これはグレイロードの仕掛けた罠で、自身の戒禁により殺生を行ったマーリンの刻を奪うためのものでした。しかし、マーリンは全く老化する気配はありません。マーリンの魔力「無限」は、一度放った魔法を無限に維持するというもので、マーリンは時間を止める魔法を自分自身にかけていました。これを聞いた敵味方は思いました、「反則だ」と。更にマーリンは<十戒>の戒禁に耐性を持っており、それは自分の正体が「ベルアルイン」の娘だからだと話します。これを聞いたフラウドリン及びグレイロードは驚愕し、グレイロードは逃げ出します。その場にいた<十戒>以外の人々には「ベルアルイン」という名前に聞き覚えはありませんでした。マーリンは、逃げ出したグレイロードを試験管に吸い込んで封印し、新しい実験材料が手には入ったと微笑みます。
 形勢不利を悟ったフラウドリンは逃走しますが、その前にヘンドリクセンが立ちふさがります。2人が戦っていると、巨大な雷の攻撃がフラウドリンを襲います。ギルサンダーを凌駕する雷の魔力の主は、ザラトラスでした。ザラトラスの登場に2人は驚きます。ザラトラスはヘンドリクセンと共にフラウドリンを攻撃しますが、ドレファスを殺したくはない2人はフラウドリンに苦戦します。そこへ、魔神を食べれ事で魔神化したホークが乱入し、ホークに気を取られたフラウドリンの一種の隙を突いてザラトラスはフラウドリンを背後から羽交い締めにします。ザラトラスは、自分の全生命と引き換えの「浄化」を使って、フラウドリンをドレファスの身体から分離する事に成功します。フラウドリンはドレファスの身体へ戻ろうとし、ヘンドリクセンがそれを阻止しようとします。そこへ、子供化しているグリアモールが現れて「お父さん」と呼びます。フラウドリンはグリアモールに気を取られ、復活したドレファスの攻撃を受けて倒れます。ドレファスは、子供化したグリアモールと抱き合って再会を喜び、グリアモールが子供化している事を不思議に思います。ヘンドリクセンは、ドルイドの里での修行で色々あったと説明します。全生命かけて「浄化」を行ったザラトラスは、命が消えようとしていました。ザラトラスは、ドレファス及びヘンドリクセンに、息子ギルサンダーへいつも見守っているとの伝言を頼み、消滅します。
 ドレファスが倒したと思われたフラウドリンは、巨大化して復活します。フラウドリンは、ドレファス及びヘンドリクセン達を攻撃しようとしますが、そこへ乱入したメリオダスに阻まれます。メリオダス及びフラウドリンは、ほぼ互角の戦いを繰り広げます。しかしフラウドリンが戦っていたのは、メリオダスの分身でした。分身はメリオダス本体に戻り、分身と戦っていた事を知ったフラウドリンは絶望の表情を浮かべます。メリオダスは、フラウドリンの絶望の表情を見ていい気分だと呟き、ドレファス達は以前とは雰囲気が変わったメリオダスに戸惑います。メリオダスはフラウドリンを圧倒し、勝てない事を悟ったフラウドリンは、自爆してリオネス王国を消滅させようとします。フラウドリンの意図を知ったグリアモールは、ドレファスの元からフラウドリンの元へ行き、自分とフラウドリンとを魔力の障壁で囲み、フラウドリンに自爆を止めるよう説得します。ドレファスとしてグリアモールと過ごしていたフラウドリンは、グリアモールの説得を受け入れます。グリアモールは障壁を解き、フラウドリンはメリオダスに殺せと言います。グリアモールは止めようとしますが、メリオダスは容赦なくフラウドリンを一撃で殺します。
 戦いは終わりますが、メリオダスが容赦なくフラウドリンを殺す様子を見た人々の間には微妙な空気が流れ、勝利を祝う雰囲気はありませんでした。弱小状態に戻ったエスカノールがマーリンの元へやってきます。メリオダスの復活に驚くエスカノールに、マーリンは、メリオダスには死んでも蘇る呪いがかけられており、蘇る度に感情を失っていく事を話します。
 <十戒>との戦いで死亡した聖騎士達の葬儀が行われます。死亡した聖騎士達の中には、ジェリコの兄のグスタフも含まれていました。生き残った聖騎士達は、ドレファス及びヘンドリクセンが生き残っていることに不満を示しますが、リオネス国王は、心を一つにしなければならないと諭します。
 メリオダスが壊れた<豚の帽子>亭で1人で酒を飲んでいると、エリザベスが現れます。メリオダスは、フラウドリンを殺したときものすごく気分が良かった事、今でも気分が良い事を話し、昔の自分に戻る事が怖いと涙を流します。またメリオダスは、昔の自分に戻らなければエリザベスを救う事ができないとも話しますが、エリザベスは自分を救うとはどういう意味なのか分かりませんでした。エリザベスは、メリオダスを抱き締めて、あなたのそばにずっといると話します。
 <十戒>との戦いで破壊されたリオネス王国の城及び街は、マーリンの魔術で復興されます。しかし死んだ人が生き返る訳ではなく、<十戒>の戒禁に操られてキャメロットへと向かった人々もいます。<十戒>はキャメロットを根城としていました。
 リオネス国王は、残った聖騎士達を集めて、新しい聖騎士長にハウザーを任命します。また今後の<十戒>との戦いに備えて、<十戒>の仲間の疑いで牢に入れられていたゴウセルが釈放され、メリオダス達と合流します。これで、<七つの大罪>のメリオダス、バン、マーリン、エスカノール及びゴウセルの5人が揃います。残りの2人、キング及びディアンヌは、妖精王の森にいました。

 以上が、鈴木央さんの「七つの大罪」第24巻の物語です。
 今巻で<十戒>のグレイロード及びフラウドリンが倒されました。フラウドリンは正式な<十戒>ではないようなので、1人減ったという事のようです。ゴウセルが<十戒>の1人という事をにおわせており、ゴウセルが最終的には味方になると考えると、2人減ったと考えてもいいかもしれません。
 <十戒>のモンスピート及びデリエリは、まだ死んではいないでしょうが、メリオダスに遊ばれていたので、もはや戦力外。ガランは既に死亡。メラスキュラも雑魚っぽい。グロキシニア及びドロールは、悪人ではなさそうで、寝返る可能性あり。とすると、実質的に残りの敵はゼルドリス及びエスタロッサの2人か?あんなに強そうに登場した<十戒>も、何だか風前の灯火。まぁ、<十戒>の後ろに色々と控えているのでしょう。少年漫画の戦闘力インフレはお約束ですからね。
 所で、今巻で1つ気になった事が。グレイロードの戒禁は、目の前で殺生した者の刻を奪うというものでした。少し前に<十戒>がメリオダスを嬲り殺したときにグレイロードもいたはず。戒禁は<十戒>にも有効なはずだから、少なくともメリオダスにトドメをさしたエスタロッサは刻を奪われて死んでしまうはずでは?<十戒>は不老不死なのでしょうか?何だか納得がいかないような・・・。
 なお、この第24巻の巻末には、「大罪Vacation」という番外編が収録されています。約10ページの短編です。ザラトラスが殺される事件が起こる以前、<七つの大罪>がリオネス王国の騎士団を務めていた頃の物語です。メリオダスが<七つの大罪>のメンバーを海と山への旅行に誘い、旅行先の海と山でそれぞれ遭遇した怪物を倒すというもの。実はメリオダスは怪物退治の内緒で引き受けており、報酬を独り占めしようとしていましたが、マーリンにバレて高価な酒をおごらされるというオチでした。