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映画 「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」

 映画「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」は、2014年12月に公開された映画です。2014年10月に公開された映画「宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海」は、テレビアニメの総集編的な作品でしたが、「星巡る方舟」は新規の物語でした。また「星巡る方舟」の物語は、過去の宇宙戦艦ヤマトシリーズにもない、完全に新規の物語のようです。
 「星巡る方舟」の物語は、コスモリバースシステムを受領したヤマトがイスカンダルを出て、亜空間ゲートを利用するためのバラン星系に到着するまでの期間に起こった出来事を描いています。
 以下に、「星巡る方舟」の物語の概要を記載します。ネタバレ注意です。

 月面基地に取り残された国連宇宙軍の一部隊が救援を求める通信を試みていますが、応答はありません。部隊の桐生隊長は地球からの救援を信じながら死亡します。部下たちは地球から飛び立つみたことのない宇宙戦艦の姿を目撃し、その直後に地球からの救援が到着します。救援に来たのは、ヤマトの出航を見送ったキリシマでした。
 そしてヤマトがイスカンダルでコスモリバースシステムを受領し、ヤマトがイスカンダルを出た後に物語の時間軸は進みます。
 デスラー総統の暗殺を試みて失敗し、その後は逃避行を行っていたガミラス軍の艦隊に、ガトランティス軍の艦隊が攻撃を仕掛けてきます。ガトランティス軍は、巨大なレーザー光線をワープさせることで射程圏外からの攻撃が可能な新兵器を用い、ガミラス艦隊を全滅させます。
 七色星団にてドメル将軍と共にヤマトと戦ったガミラス軍の空母ランベアは沈没せずに生き残っていました。現在のランベアは、乗員が老人兵及び少年兵ばかりであり、ドメルの部下だったバーガーが率いています。バーガーはヤマトへの復讐を誓っています。しかしガミラスは既にヤマトと和平しており、本国からヤマトへの攻撃を中止する命令を伝えにネレディアの率いる艦隊がランベアの元へとやって来ます。ネレディアは、バーガーの死亡した恋人の姉であり、古くからの知り合いです。ランベアの艦長室でバーガーとネレディアが言い争っているとき、バーガーは突然に謎の歌声を耳にします。
 地球への帰路を平和に航行していたヤマトに対して、ガトランティス軍が襲い掛かります。沖田艦長が療養中のヤマトでは、古代進の指揮により戦闘が行われます。ガトランティス軍は、ワープレーザーを用いてヤマトに攻撃を仕掛けますが、この攻撃はヤマトを外れます。ヤマトは近くの惑星へと逃げ込み、惑星上でヤマトとガトランティス軍との戦いが繰り広げられます。その最中、惑星から謎の生物がヤマト及びガトランティス軍の戦艦に取り付き、エネルギーを吸い取り始めます。ヤマトは惑星上での強制的なワープを行い、この生物を振り払って危機を脱します。
 ワープしたヤマトは、謎の空間に出ます。この空間には、巨大な十字架のような構造物が存在しており、ヤマトは何者かに操られてこの構造物へと近づいていきます。停止したヤマトでは、この構造物が建てられた惑星の調査を行うことが決定し、古代進、桐生美影、沢村翔、新見薫及び相原義一の5人が、イズモ計画用の調査艇に乗って調査に向かいます。
 5人が乗る調査艇は、惑星表面の海に潜り、海底を突き破ってジャングルの上空に現れます。ジャングルは地球のものに酷似しており、上空は青空で覆われています。またこのときに、この惑星が何らかの物質で覆われていき、調査隊とヤマトとの通信が途絶します。
 調査隊は、ガミラスの救援信号を受信し、この発信源へと向かいます。発信源をたどっていった調査隊は、ジャングルの中で朽ちた戦艦大和(宇宙戦艦ではなく旧日本軍の戦艦)を発見します。この戦艦大和は内部が豪華なホテルになっており、ホテル内へ調査隊が入ると扉が消え去り、調査隊はホテル内に閉じ込められてしまいます。そして調査隊の5人は、いつの間にかヤマトの制服から、戦艦大和の時代の服装に変わっていました。またホテル内には、4人のガミラス人が先客として閉じ込められていました。バーガー及びネレディアと、バーガーの部下のバーレン及びメルヒです。バーガーらは、古代たちをザルツ人と勘違いして受け入れます。こうして、ホテルに閉じ込められたヤマトの5人及びガミラスの4人による共同生活が始まります。
 9人は協力してホテルからの脱出方法を探りますが、脱出することはできません。しかし彼らの中で少しずつ信頼関係が生じてきます。ホテルでは飲み水は得られますが、食料は持参したものしかなく、徐々に食料が底をついてきます。食料がなくなってくるとヤマトの5人及びガミラスの4人の間に軋轢が生じ始め、ガミラス人のメルヒが姿を消します。
 止まっていたホテル内のエレベーターが動き出し、桐生がエレベーターに乗って11階へとたどり着きます。桐生は、更に屋上へと上がり、そこで大量の食糧を抱えたメルヒに遭遇し、メルヒに銃を突き付けられます。桐生を追って古代らが屋上へと現れ、沢村の活躍で桐生は助かります。そして、ネレディアが古代ら5人がザルツ人ではなくヤマトの乗組員であることを暴露し、古代及びバーガーは互いに銃を向け合います。しかし二人は撃ち合うことなく銃を収めます。バーガーは、ネレディアが偽物であることを見抜きます。このネレディアの正体は、ジレル人の生き残りでした。
 この惑星は、ガミラスに滅ぼされたジレル人たちの聖地であると共に、巨大な宇宙船でもあり、ガミラスの攻撃から逃げ延びたジレル人たちが隠れ住んでいました。古代らが見た戦艦大和やホテルは、ジレル人たちによる幻覚でした。この惑星の真の姿が現れ始めます。
 その頃、ヤマトのワープの航跡を辿ったガトランティス軍の戦艦が現れ、攻撃を仕掛けてきます。古代らはヤマトへと戻り、バーガーらは自分たちの艦隊へと戻ります。古代はヤマトの指揮をとり、バーガーらガミラス軍と協力してガトランティス軍を撃破します。
 その後、ジレル人たちはこの惑星ごといずこかへ旅立ち、ヤマトも地球へ向かう旅を再開します。

 以上が映画「宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟」の物語です。
 最初の方と最後の方は面白かったですが、途中の戦艦大和のホテルでの物語がイマイチでした。全部幻覚でしたというオチは、最も嫌いなパターンです。何でもありになってしまい、且つ、合理的な真相が明かされないという最悪のパターンです。何だかがっかりでした。
 戦闘シーンは面白かったです。ヤマト対ガトランティス軍の手に汗握る攻防を見ることができました。
 ガトランティス軍の人々がいかにも悪者という感じでした。強力な宇宙艦隊を有する国家でありながら、宇宙船内でどこぞの原始人のように太鼓を鳴らしている描写には違和感がありました。もう少し知的な敵の方がよかったのではないでしょうか。今回の登場はガトランティス軍のほんの一部のようですから、今後の続編では知的なガトランティス人が登場する可能性はありそうです。
 今回のヒロインは桐生美影だったようで、森雪の出番はあまりありませんでした。古代と両想いになってしまっているので、物語に出し辛いのでしょうか。

 これまではドメルの強さを示すためのやられ役として一瞬登場しただけのガトランティス軍が、今回は敵として立ちはだかりました。メカコレのNo.6~8に続けてガトランティス軍の戦艦がラインナップされていた理由がやっとわかった気がします。そういえば、今回登場したランベアもメカコレNo.4にラインナップされていました。この映画に合わせての発売だったのでしょうね。でもガトランティス軍のワープレーザーを搭載した戦艦がメカコレ化されていないのは何故なのでしょう。本映画のラスボス的存在だったのに…。




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