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林譲治 「ZEONIC FRONT 機動戦士ガンダム0079」 第1巻

 林譲治さんの「ZEONIC FRONT 機動戦士ガンダム0079」は、プレイステーション2用のゲーム「ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079」を小説化した作品です。角川スニーカー文庫から全2巻で発売されており、第1巻は2001年8月に発売されています。ゲームの発売が2001年9月なので、ゲームより先に小説版が発売されているようです。
 林譲治さんは、これ以前にも「機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…」のゲームを小説化した実績があり、私もその実力は確認済みです。またこの「ジオニックフロント」には、私が製作開始したプラモデル「ガンダム6号機」が登場する作品でもあります。もはやこの小説には期待感しかありません。
 なお「ジオニックフロント」についてですが、現在までに発売されている作品はゲームとこの小説との2つのみ。「ガンダム6号機」及び「闇夜のフェンリル隊」等のそこそこ知名度があるキーワードが登場する割には、不遇の扱いを受けている作品です。ゲームが売れなかったのかもしれません。未だに漫画化はされていないので、そのうちに雑誌ガンダムエースで漫画化される可能性はありそうです。
 それでは以下、林譲治さんの「ZEONIC FRONT 機動戦士ガンダム0079」第1巻のあらすじを記載します。ネタバレ注意です。

 宇宙世紀0079年2月7日にジオン軍による地球降下作戦が行われ、3月11日には第二次降下作戦が行われようとしています。その前日である3月10日、ジオン軍の1機のHLVが密かに地球へ降下していました。このHLVには、ジオン軍の「闇夜のフェンリル隊」が搭乗しています。闇夜のフェンリル隊は、隊長のゲラート・シュマイザー少佐と、モビルスーツパイロットのル・ローア少尉、ニッキ・ロベルト少尉、シャルロッテ・ヘーブナー少尉及びマット・オースティン軍曹の4人とで構成されています。ゲラート少佐は元パイロットでしたが、今では指揮官を務めています。ニッキ少尉及びシャルロッテ少尉は新米で、今回の作戦が初陣となります。パイロットは4人ですが、ザクは3機しか間に合わず、この作戦ではシャルロッテがオペレータを務める事になっていました。
 同じ頃。地球の北米にある連邦軍の航空基地では、エイガー少尉が六一式戦車の部隊を訓練していました。エイガー少尉は、モビルスーツの開発者及びパイロットでしたが、砲術のスペシャリストでもあり、開戦後はニューギニアの防空基地に配属されていました。ジオン軍は地球にコロニーを落下させる作戦の前にニューギニア防空基地を強襲して壊滅させました。このときにエイガー少尉は、対空火器でジオン軍のザクに対して最後まで抵抗し、仲間達の脱出の時間を稼ぎます。そしてエイガー少尉及びその部下達は、砲台に爆薬を仕掛けて自爆させ、2機の輸送機で基地から脱出しようとします。敵部隊は砲台の爆発に巻き込まれますが、1機の旧ザクは爆発を避け、脱出途中の輸送機の1機を撃ち落とします。エイガー少尉は、もう一方の輸送機に乗っていたため助かります。エイガー少尉は、このときの旧ザクに描かれていた狼のパーソナルマークを今でも覚えていました。輸送機はニューギニアの防空基地へ逃げ込み、エイガー少尉はこの基地の司令官に頼まれて戦車部隊の訓練の教官を期限付きで引き受けていました。
 闇夜のフェンリル隊の任務は、第二次降下作戦に先立って、連邦軍の航空基地を制圧する事でした。難しい任務ではありませんが、ゲラート少佐は以前にモビルスーツパイロットとしてニューギニア防空基地の制圧任務に参加した際に、防空基地の砲台が最後まで抵抗を続けて自軍に大きな損害を与えた記憶がありました。この戦闘の際に受けた傷でゲラート少佐は視力障害が残り、モビルスーツパイロットを退く事になっています。フェンリル隊は3機のザクで連邦軍の航空基地を制圧する事になっています。なお、フェンリル隊が乗るHLVには、フェンリル隊以外にも、制圧後の航空基地の補修等を行う工作隊が乗っており、工作隊は旧ザクを1機保有しています。自機の到着が遅れているシャルロッテはこの旧ザクで出撃する事を主張しますが、工作隊は自衛及び作業用にモビルスーツが必要であり、却下されます。そしてHLVは地球へ降下し、3機のザクが出撃し、フェンリル隊の作戦が開始されます。
 エイガー少尉は、航空基地から離れた場所で訓練を行っていました。訓練中にエイガー少尉は、林の中に旧ザクがいるのを発見します。この旧ザクは、フェンリル隊に同行している工作隊のもので、フェンリル隊の作戦の邪魔にならないように離れた場所で身を隠していました。エイガー少尉は、12台の戦車で旧ザクに対して一斉攻撃を行い、旧ザクを倒す事に成功します。戦車でモビルスーツを倒した事に兵士達は自信を付け、エイガー少尉の株が上がります。しかし基地の司令部から、狼のマークを付けた3機のザクが基地を攻撃していると通信が入ります。エイガー少尉達の戦車部隊は、3機のザクを倒すべく、基地へと引き返します。
 出撃した3機のザクに対して、連邦軍の陸上戦艦ビッグ・トレーが迎え撃ちます。初陣のニッキ少尉は、ザクを跳躍させてビッグ・トレーを飛び越えるという無茶をしますが、ビギナーズラックでビッグ・トレーを撃破します。ビッグ・トレーを撃破された航空基地の司令官は、フェンリル隊に降伏します。こうしてフェンリル隊の作戦を成功します。エイガー少尉達の戦車部隊が航空基地に戻る途中、基地の司令官が降伏していました。戦車部隊の兵士達は降伏をよしとせず、エイガー少尉と共に航空基地を離れます。
 航空基地を制圧した闇夜のフェンリル隊は、鹵獲したホバートラックを移動司令部として使う事にします。今回の作戦の結果を分析したゲラート少佐は、旧ザクを倒した戦車部隊の実力を今後の脅威となり得ると考えます。第二次降下作戦を完了したジオン軍は、連邦軍のキャリフォルニアベースへの侵攻作戦を開始し、フェンリル隊には侵攻作戦の支援が命じられます。フェンリル隊は、連邦軍の通信施設を破壊する事で本隊の支援を行います。シャルロッテのザクの補充は間に合わず、フェンリル隊は前回と同じく3機のザクで出撃します。通信施設の周辺には多くの地雷が設置されており、地雷が設置されていない場所は戦車部隊が待ち構えています。ニッキ少尉は、地雷が設置されていない地点を選んでザクを数回跳躍させ、一気に戦車部隊の背後に回り込み、これを全滅させます。その後、フェンリル隊は通信施設の破壊を完了します。
 キャリフォルニアベースにいたエイガー少尉達は、基地かジオン軍による攻撃を受けている中で、ヨーロッパ方面への移動を命じられます。エイガー少尉はジオン軍と交戦する覚悟でしたが、司令部はキャリフォルニアベースからの撤退を決めたようでした。エイガー少尉達は、潜水艦てキャリフォルニアベースから脱出する事になります。
 闇夜のフェンリル隊に、シャルロッテ少尉用の1機のザクが配備されます。フェンリル隊の前回の任務で通信施設の近くに地下施設への入口が発見され、潜水艦ドッグへと通じている可能性がある事が判明します。フェンリル隊にはこの潜水艦ドッグの占領任務が与えられ、発電所を破壊して潜水艦ドッグを制圧する作戦が決定されます。ル・ローア少尉及びマット軍曹が先行して潜水艦ドッグへ向かい、ニッキ少尉及びシャルロッテ少尉が発電所を破壊する役割分担となります。そして作戦が開始され、ニッキ少尉及びシャルロッテ少尉は発電所の破壊に成功し、ル・ローア少尉及びマット軍曹は潜水艦ドッグで停泊中の潜水艦を発見します。
 この潜水艦には、キャリフォルニアベースからの脱出を命じられたエイガー少尉及びその部下達が乗り込んでいました。ジオン軍のザクが発電所を破壊した事で、潜水艦ドッグと海底との間にあるゲートが開かず、潜水艦は発進出来ずにいました。エイガー少尉は潜水艦の魚雷を改造して威力を下げ、この魚雷でゲートを破壊して潜水艦は間一髪で潜水艦ドッグからの逃走に成功します。その後、エイガー少尉は、潜水艦ドッグを襲ったザクに狼のマークが記されていた事を知ります。
 闇夜のフェンリル隊は、オデッサ地区のマ・クベ大佐からの要請を受けて、アメリカ大陸からアフリカ大陸のゴビ砂漠へ移動する事になります。アメリカ大陸から潜水艦で移動し、アフリカ大陸に到着後は大型トレーラー・サムソンで移動します。フェンリル隊には、新たにパイロットのリィ・スワガー曹長及びザク1機の補充があります。
 フェンリル隊が目的地まであと1日の距離まで来たときに戦況が変わります。目的地だった補給基地が連邦軍の急襲を受けて一部の施設を占領され、フェンリル隊は補給基地の奪還と敵司令部の破壊とを行う事になります。未確認ながら敵はモビルスーツを有しているとの情報もありました。ル・ローア少尉及びマット軍曹が補給基地の奪還、ニッキ少尉、シャルロッテ少尉及びスワガー曹長が敵司令部の破壊を行う事になります。作戦が開始され、ニッキ少尉達は連邦軍の移動司令部及びそれを守っていたガンキャノンの破壊に成功し、補給基地も無事に奪還されます。
 ヨーロッパ方面へ着任したエイガー少尉は、ゴビ砂漠で行われた戦闘の資料を見せられます。エイガー少尉は、移動司令部の機動力とガンキャノンの火力とを全く生かせていない事を指摘します。ヨーロッパ方面の司令官は、モビルスーツ開発に就く予定だったエイガー少尉に戦車部隊の指揮を任せたいと頼みます。エイガー少尉は、移動司令部及びガンキャノンを倒したジオン軍のザクに狼のマークが記されていた事を知り、戦車部隊の指揮を引き受けます。
 補給基地を奪還した後、フェンリル隊は輸送機でマ・クベ大佐の鉱山基地の近くにある仮設基地へ移動します。基地には多くの部隊が集められており、ゲラート少佐は知り合いのタチ中尉に出会います。タチ中尉は、ゲラート少佐の友人でもあるランバ・ラル大尉の部下でした。タチ中尉は、ランバ・ラル大尉が連邦軍の「木馬」との戦いで戦士した事をゲラート少佐に伝えます。そしてマ・クベ大佐からフェンリル隊に与えられた任務は、木馬の探索任務でした。木馬の予想進路は3つあり、フェンリル隊はその1つの探索を任されます。しかし部隊配置には不自然に手薄な部分があり、マ・クベ大佐は木馬を誘導する罠を張っているとゲラート少佐は考えます。ゲラート少佐は、自分達に割り当てられた探索経路と、マ・クベ大佐が木馬を誘導しようとしている経路との交差地点に、フェンリル隊のザクを待機させて待ち伏せします。しばらくすると、フェンリル隊の頭上を木馬が通過していきます。フェンリル隊は木馬への攻撃は行わず、司令部に木馬発見を報告して撤退します。
 エイガー少尉は、オデッサ方面の自走砲大隊の指揮官に任命されます。自走砲が48台、人員が約1000人の大部隊でした。ただし、兵士の1/3は初陣という新米です。エイガー少尉は、これらの戦力でジオン軍のモビルスーツに対抗する策を考えます。
 オデッサでの連邦軍との決戦を前に、闇夜のフェンリル隊にパイロットが2名補充されます。レンチェフ少尉は、腕は立つけれど問題行動の多いバンダイで、愛機のグフと共にフェンリル隊へ配属されます。マニング軍曹は、ゴビ砂漠でフェンリル隊に救出され、本人の希望でフェンリル隊に配属されました。マニング軍曹のモビルスーツは補充されませんでしたが、フェンリル隊の整備班長ミガキはマニング軍曹を救出した際に回収した4機のザクの残骸から1機のザクをリストアしていました。
 フェンリル隊は鉱山基地の左翼で友軍に損害を与えている連邦軍の自走砲部隊を撃破する任務が与えられます。敵部隊は近くの丘の上に観測基地を持ち、この観測結果を用いて正確な遠隔射撃を行っています。ゲラート少佐は、敵中央の丘の北側にある丘を占領して観測所を設け、後方の敵主力への砲撃を行う事を決めます。ル・ローア少尉及びマット軍曹が敵中央への攻撃を行い、ニッキ少尉、シャルロッテ少尉及びスワガー曹長が北の丘を占領し、残りのレンチェフ少尉及びマニング軍曹は臨機応変に支援を行うという配置です。作戦が開始され、ニッキ少尉達のザクが北の丘へ向かいますが、北の丘にはモビルスーツの接近を感知して弾頭を発射する罠が仕掛けられていました。ニッキ少尉の機転で罠を回避し、北の丘の占領が完了します。
 エイガー少尉の部下のサカキ軍曹は、北の丘に設置した罠が予想より早く解除された事を知り、自分に任された2小隊を北の丘へ向かわせようとします。しかしそこに敵のグフが現れ、サカキ軍曹の部隊は壊滅します。破壊された自走砲からサカキ軍曹を含む兵士達が脱出しますが、グフは生身の兵士達をマシンガンで攻撃します。
 北の丘を確保した事でフェンリル隊が優勢となり、自走砲部隊は撤退します。フェンリル隊は追撃しようとしますが、司令部から移動命令が与えられます。移動地点は不自然な場所でしたが、フェンリル隊は命令に従って移動します。後で判明しますが、この不自然な移動命令は、マ・クベ大佐が基地から脱出するためのものてした。
 戦闘には負けたものの、追撃されなかった事で無事に脱出できたエイガー少尉は、サカキ軍曹を含む部下達の死を知り、狼のマークを付けたジオン軍のモビルスーツ部隊との戦いを決意します。

 以上が、林譲治さんの「ZEONIC FRONT 機動戦士ガンダム0079」第1巻の物語です。
 ジオン軍の第二次降下作戦からオデッサでの戦いまでが描かれました。流石の林譲治さんで、渋い重厚なガンダムの物語が堪能できました。面白かったです。
 面白かったです・・・が、物凄く地味な物語でした。主人公側の戦力が複数のザクなのに対して、敵側の戦力がほぼ戦車。かろうじてガンキャノンが1機登場しましたが、多勢に無勢で瞬殺されていました。連邦軍がモビルスーツを投入する前の物語なので、リアルと言えばリアルなのですが、地味でした。当然、この戦力差だとザク無双なわけで、フェンリル隊が強いのか、連邦軍が弱いのかよく分かりません。この作品はゲームを小説化したものなわけですが、ゲームもザクで戦車を潰すような内容だったのでしょうか。そんなゲーム面白いかな?
 地味でしたが、面白かったのは間違いありません。フェンリル隊がホワイトベースとニアミスしたり、ランバ・ラルや黒い三連星がホワイトベースの部隊に倒されたという情報がさり気なく入ったり、ガンダムファンが喜ぶ要素も程良く配置されていました。ガンダムの歴史からみて、今後は連邦軍のモビルスーツも登場するでしょうし、ラスボスにはガンダム6号機も登場するはずです。2巻の物語に期待が膨らみます。


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