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映画 「キングダム」

 映画「キングダム」は、原泰久さんの漫画「キングダム」を実写化した映画作品であり、2019年4月に公開されています。
 原泰久さんの漫画「キングダム」は、以前から気になっていた作品で、いずれ読みたいと考えながらも、現在60巻にまで達しているその分量に躊躇して手を出せずにいた作品です。実写映画化が発表されたときには、「最近、漫画の実写化映画が多いな…」くらいにしか思わず、「どうせコケるだろ」と思っていました。ところが、映画が公開されてみると高評価を得ているようで、漫画原作の実写化映画の数少ない成功例となったようです。既に続編の映画化も決定しているようで、楽しみな作品です。
 それでは以下、映画「キングダム」のあらすじを記載します。ネタバレ注意です。

 古代の中国。大平原を一台の馬車が進んでいます。この馬車には奴隷として売られた子供達が乗せられていました。馬車は大将軍の王騎(大沢たかお)の軍勢とすれ違い、馬車に乗せられていた少年の信は大将軍に憧れを持ちます。里典(六平直政)に買われた信は、ここで先に奴隷として働かされていた少年の漂に出会います。漂は、奴隷の身分から脱するには剣の腕前に頼る他ないと信に語り、信と共に剣の稽古を始めます。
 数年後。青年に成長した信(山﨑賢人)及び漂(吉沢亮)は、共に大将軍となることを夢見てあれから毎日剣の稽古を続けていました。ある日、2人が剣の稽古をしている様子を1人の貴族が眺めていました。その後、信及び漂が山仕事と剣の稽古とを終えて里典の家へ戻ると、先ほど2人を見ていた昌文君(髙嶋政宏)がいます。昌文君は、漂を買い取りたいと言います。貴族の下で働けるまたとないチャンスでしたが、漂は信も一緒にと願い、それを断られると1日だけ考える時間が欲しいと答えます。昌文君はこれを承知して引き上げていきます。漂は昌文君の申し出を受けるつもりだと信に語り、信は必ず追いついて見せると答えます。そして漂は去り、信は1人で剣の稽古を続けます。
 しばらくしたある夜。立派な服装を纏った漂が深手を負って信の元へ戻ってきます。漂は何者かに追われているようで、信に地図を渡し、地図に描かれたある場所へ行くよう信に言い残して死亡します。漂の死に怒った信は追手を迎え撃とうとしますが、理典に諭され、漂が持っていた剣を手に、漂の遺言に従って地図に記された場所へ向かいます。信が去った後、漂を追っていた刺客の朱凶(深水元基)と、刺客を差し向けた左慈(坂口拓)及びその部下達とが現れます。左慈は漂の死体を見て偽物と判断し、口封じのためにこの村の全員を殺害して焼き払うよう部下達に命じます。
 目的地へ向かって走る信の姿を、梟のような被り物を装着した小柄な人が見ています。しばらくして、信の前に盗賊団が現れます。先ほどの小柄な人が呼び寄せたようです。信は盗賊団を1人であっさりと倒し、先へ進みます。信が地図に記された目的地に到着すると、そこには天幕が張られており、中には漂と瓜二つの男がいました。この男は、秦国王の「えい政」(吉沢亮)でした。(「えい政」の「えい」の漢字が表示できないので、以下では単に「政」と呼びます。)政は信の事を漂から聞いて知っており、信はこの政の身代わりに漂が殺されたのだと悟ります。そこへ、刺客の朱凶が現れます。朱凶は信及び政の2人がかりにも余裕で対応する強さを見せますが、苦闘の末に信が朱凶を倒します。信がトドメを刺そうとすると朱凶は命乞いし、信はためらいますが、政が朱凶にトドメを刺します。刺客は倒しましたが、信の村が燃えているのが遠くからでも確認でき、敵軍も近くまで迫っているようです。信及び政は敵軍を突破することを決意しますが、そこへ梟のような被り物の小柄な人が現れ、抜け道を教えると言います。この小柄な人は被り物を取るとまだ子供で、河了貂(橋本環奈)と名乗ります。貂が褒美を目当てにしていることから政は貂を信じることにします。
 秦国では国王の弟である「成きょう」(本郷奏多)が反乱を起こしていました。(「成きょう」の漢字が表示できないので、以下では単に「成」と呼びます。)成に味方する竭氏(石橋蓮司)は、暗殺した政が偽物だったこと、偽物の死体が発見された村を焼き払った事などを成に報告します。成は、政の弟でしたが母親が異なっており、政の母親は身分が低い女性だったことから、自分の方が国王にふさわしいと考えて反乱を起こしました。成は、身分の低いものを人と思わない横暴な人物であり、政の首を早く持ってくるよう命じます。
 信及び政は、貂に案内されて抜け道を進んでいました。政は、弟の成の反乱を昌文君が察知して替え玉として漂を連れて来たこと、漂は喜んで政の替え玉の役割を引き受けたことを話します。政は、奴隷へ戻るか、自分と共に修羅の道を進むかを選べと信に言い、信は政と共に行く道を選びます。政は、まず昌文君と落ち合う予定の場所へ向かう事を決めます。
 その頃、成の元には、刺客として放った朱凶が返り討ちにあったとの方向がなされていました。成は、いつまでたっても政を倒せないこと、更には昌文君にも逃げられていることに怒ります。そこへ、隠居したと噂されていた王騎将軍が現れ、昌文君の首を取ったと言い、昌文君の首を差し出します。その首は損傷が激しく昌文君のものかはっきり分かりませんでしたが、王騎将軍は自分と戦えば誰でもこうなると豪語します。王騎将軍は昌文君が治めていた領地を要求し、成は王騎将軍にこの領地を与えることを認めます。
 信及び貂は、政に導かれて「山の民」の領域へと足を踏み入れます。400年前に秦国と山の民とは同盟を結んでいた事がありましたが、今では皆から恐れられている存在です。3人が竹林を歩いていると、政を狙う刺客が現れます。この刺客ムタ(橋本じゅん)は、毒吹き矢を使います。信は、刺客ムタを倒しますが、毒矢を受けて倒れます。
 気が付くと、信は傷を手当てされ、綺麗な建物の中に寝かされていました。この建物は、400年前に秦国と山の民とが交流するために建てられたもので、今でも綺麗に保存されていました。政は倒れた信を担いでここ間で運び、貂が解毒剤を調合して信を手当てしました。政は、後ろ盾だった呂不韋が遠征で都を離れた隙に弟の成が反乱を起こしたという事情を信及び貂に話します。政は、信じられるのは昌文君のみで、この建物が昌文君と落ち合う約束をした場所だと話します。そして昌文君が味方の兵士達と共に現れ、政との合流を果たします。
 王騎将軍が昌文君の首を取ったと信じる竭氏は、呂不韋との戦いのために8万人の兵士を集めていました。その中には、通常の人間の倍以上の巨体を誇るランカイ(阿見201)もいました。成は、政の母親は庶民の出であり、高貴な血を引く自分こそが王に相応しいと兵士達に語ります。
 昌文君は、成による反乱が起こった際の出来事を政に話していました。昌文君及び配下の兵士達は、影武者である漂と共に隠し通路を通って城から脱出し、馬に乗って逃走しました。しかし追っ手に囲まれ、昌文君及び兵士達には諦めの雰囲気が漂い始めます。そのとき、漂が王として先頭に躍り出て兵士達を鼓舞し、兵士達と別れて1人で敵を引き付けて走り去って行きます。漂の行動は、昌文君及び兵士達を助けるためのものでした。信は、やはり漂はすごい男だと感じます。その後、政達は、今後の対策を相談します。政は、これまでの後ろ盾だった呂不韋が、自ら王になる機会を窺っており、政が倒されて成が王になるまで動かないと予想します。他に援軍の当てはなく、政は山の民の力を借りるべく、山の民の王に会いに行く事を決めます。
 山奥へと分け入った信、政、貂、昌文君及び兵士達は、山の民に遭遇します。山の民は平地の民に対して敵対心をもっており、信達に縄をかけて王の元へ連れて行きます。政は、山の元の王である楊端和(長澤まさみ)に力を貸して欲しいと頼みます。しかし、400年前の同盟は秦国の裏切りで破綻し、この時に多くの山の民が秦国に殺された過去があり、政の頼みは受け入れられません。政は、争いを無くすために国境を無くす、つまり中国を統一するという自身の目的を語ります。信は、先祖の無念を晴らしたいなら、先祖の夢を叶えてやれと言います。楊端和は、政と手を結ぶ事をかめ、山の民の兵を集めるよう指示を出します。ただし、政の配下が30人、山の民ですぐに集められるのが3000人、これに対して成の軍勢は8万人でした。政は策を練ります。
 成がいる王城の前にに、山の民の軍勢約3千人がやってきます。この中には、山の民に変装した政及び信達も混じっています。山の民は成との同盟を結ぶためにやってきたと告げ、呂不韋との戦いに備えて少しでも援軍が欲しい成の陣営は山の民との同盟を受け入れる事にします。成の陣営は、山の民の王と、配下の50人までとに城内へ入る許可を出します。山の民から精鋭40人と、信の配下から精鋭10人とが選抜されて、楊端和と共に城内へ入ります。選抜メンバーには、政、信、貂及び昌文君が含まれています。城内へ入った政は、山の民の仮面を外して素顔を見せます。これにより、政及び山の民と、成の兵士達との戦いが始まります。政は敵を引き付けるための囮であり、この隙に信を含む数名は隠し通路を通って成のいる本殿を目指していました。
 しかし隠し通路には、左慈及びランカイが率いる兵士達が待ち構えていました。左慈は、山の民の戦士を軽々と倒す腕前でしたが、政が居ないことに気落ちし、兵士達に後を任せて帰って行きます。信達は、敵兵士達を優勢に戦って倒しますが、ランカイは強敵でした。仲間達と協力して信はランカイを倒しますが、ここで時間をロスしてしまいます。この間、政達は、多勢に無勢の戦いを何とか持ちこたえていました。
 本殿で戦いを見守っている成及び竭氏達は、政が攻め込んで来たことを逆に喜んでいました。政を倒せば、堂々と秦国の王になることができます。そこへ、ランカイを倒した信達が成を倒そうと現れます。しかし、信達の前に左慈が立ちはだかります。左慈は、元将軍でしたが、虐殺を行って追放され、今では人斬りになっていました。左慈は圧倒的に強く、信及び仲間達が束になってかかってもかないません。仲間の山の民の戦士達が次々と倒され、信も追い詰められますが、左慈の剣を折るほどの一撃で辛くも勝利します。
 政達は次々と現れる兵士達との戦いを続けており、徐々に疲れが出始めていました。その戦場に突然、成が現れます。
 その少し前、左慈を倒した信が玉座に座る成に対していました。臣下の貴族達は、成を置いて逃げ出して行きます。竭氏も逃げようとしますが、それを貂が阻止します。貂は、以前に倒されたムタの毒吹き矢を拾っており、毒矢を竭氏の顔に刺します。竭氏は、短剣で貂を刺し、山の民の戦士に斬り殺されます。信が貂に気を取られた隙に、成は玉座から逃げ出します。貂は、梟の被り物の下に頑丈な鎧を着込んでおり、無傷でした。
 成を追って信達が戦場へやってくると、戦いは止まっており、政及び成がにらみ合っていました。成は剣を抜いて政に斬りかかりますが、政は軽々とこれをかわし、成の腕を軽く傷付けます。自分の腕から血が流れている事に動揺した成を、政は殺す価値もないと殴ります。成に味方していた兵士達は、このままでは反逆者として裁かれる事になると考えで、政達に襲いかかろうとします。そのとき、王騎将軍が軍勢を引き連れて現れます。王騎将軍は政に玉座を取り戻して何をしたいかと問い、政は争いを無くすために中華の統一王となることと答えます。王騎将軍は政を認めます。
 王騎将軍は、成に付いていた魏興(宇梶剛士)及びその配下の兵士達に投降を求めます。兵士達はこれに従わずに王騎将軍へ向かっていきますが、王騎将軍は巨大な槍を振り回して兵士達をなぎ倒します。魏興は政へ向かっていきますが、成を守る信の剣に敗れます。王騎将軍は、自軍に撤退を命じ、去って行きます。信は、王騎将軍に自分の名前を告げ、天下の大将軍になる男だと豪語します。王騎将軍は、次は本物の戦場で会おうと答えます。
 王騎将軍は、成の内乱から民を守るよう自軍を配置し、昌文君の偽の首を差し出して昌文君の領地をもらい受ける事で昌文君の領地の民をも守っていました。この事を後に知った昌文君は、王騎将軍の偉大さを痛感します。
 こうして、政の軍は勝利を収め、政は秦国の王に戻ります。信は、武勲を立てて大将軍になる事、政の中華統一に力を貸すことを改めて決意します。

 以上が、映画「キングダム」の物語です。
 前評判が良かったので期待して見ましたが、期待したほどではありませんでした、というのが正直な感想です。少し期待し過ぎたのかもしれません。面白くなかったという訳ではなく、普通に面白い映画だったとは思いますが、まぁ普通くらいの面白さでした。
 原作の漫画は読んだことがありませんが、評判が良かったところを見ると、原作の雰囲気を上手く実写化できていたのだろうと想像します。前評判は、原作の再現度に対する高評価だったのでしょう。
 原作抜きで映画の物語を見ると、王座を奪われた王様が蛮族の力を借りて王座を取り戻すという、良く言えば王道の展開、悪く言えばありきたりの展開でした。何となくこの展開に見覚えがあるようなと考えてみたら、映画「ブラックパンサー」が同じ展開だったことを思い出しました。他にもまだまだ似た展開の作品がありそうな気がします。漫画「キングダム」は2006年から連載が開始されており、映画「キングダム」は連載初期の内容を実写化したものと思われるため、2018年公開の映画「ブラックパンサー」に似てるというのは的外れかとは思いますが…。ただ、映画「キングダム」は2019年公開ですから…。強いて言うなら、映画化が遅すぎたということかもしれません。
 また、敵が大軍、見方が少人数という不利な状況の場合、優れた知略でこの状況を挽回して勝利するというのを期待するところです。この映画では、山の民に化けて城内へ入り、数人の別動隊が隠し通路を通って敵ボスを倒しに行くという作戦がとられていました。こんなショボい作戦でいいの?しかも、最も守らなければならないはずの王様が囮として先頭を進むという…。ほぼほぼ力押しと言ってもいいような作戦でした。もちろん、映画ですからこの作戦が成功してしまうのですが、あれだけの戦力差で王様が死ななかったのはほぼ奇跡ではないかと。この作戦だったら、王様が城へ乗り込む必要はなく、外で待っている方がベストな気がします。
 話は変わりますが、この映画にはほとんど男性しか登場しなかったのが印象的でした。女性のキャラクタは、長澤まさみさんが演じた楊端和と、橋本環奈さんが演じた河了貂との2りだけ。河了貂は、橋本環奈さんが演じているのだから多分女性だと思うのですが、性別がよくわからないキャラクタでした。この男臭さが良かったです。大沢たかおさんが演じた王騎将軍が女性っぽいキャラクタだったのが何故?と疑問に思いましたが。王騎将軍が登場するシリアスなシーンで思わず笑ってしまいそうです。
 何だかいろいろ批判的な事を書いてしまいましたが、この映画は面白かったですよ。続編の製作も決定しているらしいので、ぜひ見たいと思っています。次は、やたらと意味深だった王騎将軍が敵になるのか、今作で名前しか出てこなかった呂不韋が敵になるのか、それとも?




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